ブログの更新をせずにだいぶ時間が経ってしまいました。
その間に私は所属も変わり、顔出しで研究者として話す機会(WEZZY meeting のトークイベント:https://wezz-y.com/archives/95475)もいただいたりと変化が起きていますが、今回は今話題の実写『リトル・マーメイド』の主人公アリエルとその姉たちについてです。
先日のイベントでもアリエルのキャスティングに対してあげられるまさざまな声について人種差別の問題の観点から話をしましたが、姉たちのキャスティングについては触れていなかったのでこちらの記事で話をできればと思います。
先日のイベントは、チケットを当日までに購入されていた方は現在アーカイブ視聴が可能です。また今後、アーカイブのみの販売がなされるはずですので、気になる方は WezzyのサイトかTwitter(@wezzy_com)をこまめにぜひチェックしてください。
1989年版アニメーション作品(と舞台版)でのアリエルの姉たち
1989年公開のアニメ版『リトル・マーメイド』からアリエルには全てAから始まる名前の6人の姉がおり、それが Broadway版やその日本語版である劇団四季版にも引き継がれていました。そう、テーマパークでコロナ以降ずっと休止している「マーメイドラグーンシアター」でもお馴染みの Daughters of Triton / 「トリトンの娘たち」の歌で紹介されるこの人たちです。(一応年齢順に上から)
橙の Attina/アティーナ
桃の Alana/アラーナ
黄緑の Adella/アデーラ
青の Aquata/アクアータ
赤の Arista/アリスタ
紫のAndrina/アンドリーナ
そして緑の Ariel/アリエル
一応、ビデオ続編などにも登場する関係で性格や設定は付与されていましたが、2023年のライブ・アクション・リイマジニング版(実写リメイク版)では、新設定に基づいてキャラクターをごっそり入れ替えることになったようです。ということで今回は現状わかっている限りの情報で6人の姉たちについての設定を紹介します。
2023年公開 実写版 でのアリエルの姉たちの設定
参考にするのはすでに発売されているこちらの書籍、 THE LITTLE MERMAID: GUIDE TO MERFOLK です。現状日本語版は出ていません。
さてこちらの本と、最近 TARGETのウェブサイトで公開された姉妹たちの最終的なルックの画像をもとに情報を整理すると次の画像のようになります。
TAMIKA / タミカ(担当:Fracus Sea / フラカス海)
(アフロヘアで青とオレンジ・黄色のボディが特徴)
俳優:Sienna King (シエナ・キング)
見た目上の人種は明らかにブラックですが、詳細なルーツはオンライン上の情報では不明でした
パワフルで駆け引きがうまい戦術家で、海流と風を熟知した勇敢な戦士。泳げるようになる前の幼さでイタチザメと戦ったという噂もあるくらいだとか。
(特殊能力は現時点の情報では不明。)
<日本語吹き替え:ますみさん>
MALA / マラ*(担当:Chaine Sea / シェーヌ海)
(ピンクとオレンジがメインのボディが特徴)
*日本での公式カタカナ表記が「カリーヌ」と判明したので更新
俳優:Karolina Conchet (キャロライナ・コンチェット)
見た目上の人種は明らかに東アジア系ですが、それ以上の詳細なルーツはオンライン上の情報では不明でした。
最も勇敢で大胆不敵で、珊瑚礁を守るためならなんでもする強いリーダー。難破船は海を汚すので大嫌い。ユーモアのセンスで愛されている。かつて海藻の巻物で人間たちにメッセージを送ったことがあるが父親であるトリトンに禁止されてしまった。
生き物を眠りに誘うことのできる特殊能力を持っている。
<日本語吹き替え:鳥越まあやさん>
6/9公開🎬実写『リトル・マーメイド』にて #アリエル のお姉さん〈マラ〉を吹替えさせていただきました🥰🎙✨#リトルマーメイド の世界の1人として存在出来た事、そして何よりこの様な魅力的な作品に出会えて幸せです☺️💓ぜひ劇場の大きなスクリーンや素晴らしい音響で一緒に堪能しましょう〜🥳🐠🔱🎶 https://t.co/X9rCPSATLF
— 鳥越まあや (@maaya1321) 2023年5月10日
CASPIA / カスピア(担当:Apneic Sea / アプニーク海)
(ピンク色の髪の毛と青と黄色がメインのボディが特徴)
俳優:Nathalie Sorrell(ナサリー・ソレル)
見た目上の人種は明らかに白人ですが、それ以上の詳細なルーツはオンライン上の情報では不明でした。イギリスを中心に活躍されている方の模様。
最も無欲で、自分の領域の民たちに仕えるのが最優先で導くのは二の次という性格。少々世捨て人気味の隠遁者で、会合がある時にしか旅をせずずっと自分の海に止まっているとか。自分の王国の珊瑚を守るために様々な法律を制定している。
あらゆるものを一時的に縮小させることができる特殊能力を持っている。
<日本語吹き替え:篠田有香さん>
✨お知らせ✨
— 篠田有香 (@11hagunya17) 2023年5月2日
6月9日公開の映画『#リトルマーメイド』で、アリエルの姉妹の1人「カスピア」の吹き替えを担当いたしました🐚🦀🐠
ピンク色の髪の子です♪♪
アリエルと一緒に海を泳げるなんて幸せ過ぎて夢のようです🪸✨
是非 映画館でご覧くださいませ⭐️#リトルマーメイド #アリエル #アースラ https://t.co/afkVRw2bAF
INDIRA / インディラ(担当:Brinedive Sea / ブリンダイヴ海)
(黄色に茶色のストライプのボディが特徴)
俳優:Simone Ashley(シモーヌ・アシュリー)
見た目の通り南アジア系。タミル系インド人の両親を持つイギリス生まれ。Netflix の『ブリジャートン』や『セックス・エデュケーション』への出演で有名。
最も寛容で、共感や優しさそして善良性で人々を導く、外交が得意なタイプ。毒を持つ巨大なウミヘビから人々を守っている。自他の王国をよく知る、優れた討論者としても知られている。
周囲の水の温度を上げて、沸騰させることのできる特殊能力を持っている。
<日本語吹き替え:王林さん>
KARINA / カリーヌ*(担当:Saithe Sea / サイス海)
(シルバーの髪の毛、白と水色のストライプのボディが特徴)
*日本での公式カタカナ表記が「カリーヌ」と判明したので更新
俳優:Kajsa Mohammar(カイサ・モハンマー)
スウェーデンのストックホルム出身の白人。現在はイギリス在住で、ファッションモデルとして活躍したのち、2018年の『ヴァイキング・デスティニー』でメジャーデビュー。
最も決断力があり、強い直感の持ち主。引っ込み思案な部分もある。
氷に覆われたサイス海が担当領域。アザラシの保護者であり、人間のことをとても恐れている。動物とのコミュニケーションに長けていて、海域に住んでいるすべての生き物のためになる選択を下す。
(特殊能力は現時点の情報では不明。)
<日本語吹き替え:藤田曜子さん>
6/9公開!
— 藤田曜子 (@yoko_fujita_) 2023年5月2日
映画『#リトルマーメイド 』にてアリエルの姉妹の1人、カリーヌの吹替を担当しております。
私は左下のブルーのお姉様です。子供の頃から大好きなアリエルと家族になれて嬉しい...!本当に感謝!!😭✨ pic.twitter.com/yiiVSylREA
PERLA / ペルラ*(担当:Piton Sea / ピトン海)
*日本での公式カタカナ表記が「ペルラ」と判明したので更新
(赤に白の水玉のボディが特徴)
俳優:Lorena Andrea(ロレーナ・アンドレア)
コロンビア系とスペイン系のルーツを持つ。ロンドン生まれで、2017年の『パピヨン』でメジャーデビュー。
最もカリスマ性があり、温かさと優しさを放っている。ペンギンたちを攻撃しようとしていたシャチを誘惑して止めたこともあるとか。自身の選択にとても身長で平和を保つための選択を行う。
一定の範囲の生き物を麻痺させることのできる特殊能力を持っている。
<日本語吹き替え:和優希さん>
【6/9(金)公開!📣】
— 和優希a.k.a.かずゆうき (@kazzkazzykazza) 2023年5月8日
実写『リトル・マーメイド』吹替版に、アリエルのお姉さん・ペルラ役で参加させていただいてます〜❣️🐚🧜♀️🐠🦀🕊️✨
実写化でパワーアップした映像と音楽、アニメ版では語られなかった背景にぐっと惹きつけられました👏😌✨✨
公開をお楽しみに〜‼️🌊🌴💜https://t.co/Q6fwvGjYGI
ARIEL / アリエル(担当:Carinae Sea / カリーニー海)
(エメラルドグリーンのボディが特徴)
俳優:Halle Bailey(ハリー・ベイリー)
アフリカ系アメリカ人と白人のバイレイシャルなミックス。(キャリアの詳細はあらゆるところで報じられているためここでは割愛。)
最も繊細で、優しく愛に満ちた心の持ち主。人間界に憧れていて難破船からモノを集めている。印象的な声と持ち合わせた好奇心から敬愛されている。人々の団結の力を信じていて、周りの人々の良い部分を見抜くことに長けている。
<日本語吹き替え:豊原江理佳さん>
【お知らせ】
— 豊原 江理佳 (@erika_lunat) 2023年4月17日
この度
6/9公開『#リトルマーメイド 』#アリエル 役の吹替を
務めさせていただくことになりました。
子供の頃から親しんできた大好きな作品でで、私自身とても感慨深いです。
心を込めて演じさせていただきます。
よろしくお願いします🤲🦀🫧 pic.twitter.com/nSpNSSbd9K
おわりに
ということで現時点で明らかになっている情報を主に絵本をメインソースとしつつその他の媒体での情報も交えながらまとめておきました。
一部にはトリトンはどれだけ不倫したんだ?という話も出ていますが、すでに出ている絵本にはトリトンのパートナーでアリエルたちの母親である「海の女王」もイラストが登場しており、映画の中でも彼女の姿やバックグラウンドが描かれ、トリトンや娘たちとの関係性も描かれるかもしれません。
トリトンがどのようにこの7人の娘たちを授かったのかは不明ですが、どちらにしても7人が人間で言うところの異なる人種的な背景を持つのは、それぞれが納める海の王国の領域が異なるからということが設定されているのでしょう。
ちなみにブロードウェイ版(2008-2009)の段階から、アリエルの姉たちというのは多様な人種で構成されていましたから、全員白人じゃないキャスティングは決して今に始まったことではありません。
いろんなバックグラウンドを持つ人が、自分のお気に入りのマーメイドを見つけられるようなまるで現在のディズニープリンセスかのような多様なラインナップは現代に即していて非常に魅力的なのではないでしょうか。
それでは、ブロードウェイ版でアリエルの姉たちとフランダーがアリエルの恋に気付いて歌うナンバー She's In Love を聴きながらお別れです。
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