westergaard 作品分析

映画、ミュージカル、音楽、自分が好きなものを分析して語ります。

Frozen2 アナと雪の女王2:新曲「Iduna's Lullaby(イデュナの子守唄)」の歌詞・和訳

はじめに

これは私が直接見聞きしたものではないため、内容についての正確性は執筆している現時点では保証することはできまん。

 

8月31日、Frozenの一作目からスコアを担当している作曲家、クリストフベックさんのインスタグラムに、収録中のスコアの写真が上がりました。

www.instagram.com

 

そのあとのタイミングで、かなり色々なリーク情報を早い段階から集められているアカウント @chocolatiey さんが次のような収録風景の写真と動画をどこからか入手しアップされていました。

 

アナとエルサがハグしている画像が。。。
これは「アナ、ただいま」? それとも「アナ、さようなら」?
あるいは、どっちも?!

www.instagram.com

 

そしてこちらが、その曲の伴奏らしき音楽が聴ける動画。ちらっと映像も映っちゃってますね?これはいいのか?(いやアウトだろう)

www.instagram.com

 

そのコメント欄に、先日のD23のウォルトディズニーアニメーションスタジオによるプレゼンで上映された、姉妹の母イデュナ王妃がアナとエルサに子守唄を聞かせるシーンで歌われた歌の歌詞を書き起こしている方がいました。@amanda.croston.7

今回はその歌詞を紹介したいと思います。

 

Iduna's Lullaby(イデュナの子守唄)歌詞・和訳

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Where the North Wind meets the sea
北の風と海が出会うところ

 

There's a river full of memory
そこに流れる 記憶で満たされた川

 

 

Sleep, my darling, safe and sound

おやすみ、いとしい子よ、安心して

 

For in this river all is found
全てがみつかる この川に

 

関連する考察の紹介

現時点では、これの正確性は確かめられませんが、川が記録ではないかなどと分析をされているこちらのブログの予想がかなり当たっている可能性が高まってきました。
私も仲良くさせていただいている方で、非常に興味深い予想をされている方なので紹介させていただきます。

moonboat.hatenablog.com

 

また、一作目をブロードウェイミュージカルにしたブローズンことFrozen Broadwayでは、原作よりも母イデュナ王妃の描写がかなり加えられ、役割が変わっている部分もありそう行ったところから、Frozen2へのヒントを探った記事も私がかつて書きましたので、そちらも紹介しておきます。

 

ikyosuke.hatenablog.com

 

D23で発表された情報やもう一つの歌、エルサのソロ曲「Into the Unknown」についても歌詞の情報を提供していただいたので和訳しています。
映像の説明も細かくされていた方なので、そちらも和訳して紹介しています。

 

 

ikyosuke.hatenablog.com

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引き続き何か情報が入るたびに更新していくつもりです。

 

 

 

 

 

 

 

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Frozen2 アナと雪の女王2:新曲「Into the Unknown」の歌詞・和訳と映像の情報(D23 expo 2019 で上映された映像詳細を和訳)

はじめに

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D23 expo のウォルトディズニーアニメーションスタジオのプレゼンテーションでは、Frozen2 アナと雪の女王2に関する新情報や未公開の新映像が上映されさぞかし会場が盛り上がっていたようですが、その映像は会場にいた人以外にはまだ公開されていません。(日本時間 8/28 21:00 現在)

 

そんな中、D23の会場へ行っていたフォロワーさんが、Frozen2についてのプレゼンテーションで発表された内容について、英語で詳しくまとめてくれたTumblrを共有してくれたので、そちらを日本語に訳したいと申し出たところ、承諾してくださったのでこちらに訳したものをこちらのブログに記しました。 

ikyosuke.hatenablog.com

こちらには、新キャラのマティアス中尉の登場シーンや、回想シーンで姉妹の母親イデュナ王妃が2人に子守唄を聞かせるシーンや、クリストフの登場シーン、またエルサを心配する穴の仲睦まじいシーンについての詳細レポートを和訳して解説しています。

 

そして今回は、その中でも映画冒頭のエルサの新ソロ曲「Into the Unknown(イントゥ・ジ・アンノウン)」のシーンの映像について、歌詞や映像の詳細までレポートしてくださっており、そちらも紹介していただいたので、訳していきたいと思います。

またYumekaさんの元記事では、この歌詞紹介に続いてストーリー展開の予想もされていますので、こちら原文に当たりたければ以下のリンクからご覧ください。

Yume Dimension — Now that D23 Expo is over and I’ve had some time...

Special Thanks: Yumeka (Twitter @Yumeka36  / Tumblrhttps://yumeka36.tumblr.com/)

 

エルサ新曲「Into the Unknown」 シーン 歌詞・和訳  映像の状況説明(原文:Yumekaさん、和訳:当ブログ筆者)

(!)NOTICE(!)
これはYumeka さんが記憶に基づいて書き起こした歌詞や情報ですので、正確さについての保証はありません。また私の解釈での翻訳であることはご了承いただいた上で、参考程度に見ていただければと思います。

 

As Elsa’s walking down the corridors of the castle.
エルサがアレンデール場内の廊下を歩きながら

 

I can hear you, but I won’t.
聴こえてくるの でも聴かないようにするの

Some look for trouble while others don’t.
自分で災難を招くような余計な真似をする人もいれば、そうでない人もいる

There’s a thousand reasons I should go about my day
私が自分の日常を送るべき理由は千とある

and ignore your whispers which I wish would go away, oh. Oh.
だからあなたのささやきを無視するの
どこかへ消え去って欲しいの、切実に

 

You’re not a voice.
声じゃないわね

You’re just a ringing in my ear
ただの耳鳴りね

and if I heard you – which I don’t…”
あなたの音を聴くとき…
いいえ私は聴かないわ

 

She stops and looks at paintings on the wall, One is of the Frohana group and the other is of her parents.
エルサは立ち止まり、壁にかけられているフローズンファミリーの絵と、両親の絵を見上げる。

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...everyone I’ve ever loved is here within these walls.
私が愛してきたみんながここ、お城の内側にいるの

I’m sorry secret siren but I’m blocking out your calls!
ごめんなさい、神秘的な誘う歌声さん
でもその呼びかけは遮らせてもらうわ

 

She continues walking through the castle and ends up outside.
エルサは歩きお城を抜けて外へ出てきた。

I believe it’s the exact same location where she fled Arendelle in the first movie, the area behind the castle near the fjord.
(Yumekaさんが思うに)おそらくそこは一作目でエルサがアレンデールから逃亡した時とまったく同じ場所、お城の裏のフィヨルドのそばのエリア。

 

Are you here to distract me
私の気を散らそうとしにきてるの?

so I make a big mistake?
私に大きな過ちを犯させるために?

 

Or are you someone out there who’s a little bit like me,
それともどこかにいる、ちょっとばかり私みたいな誰かで

who knows deep down I’m not where I’m meant to be?
実はいるべき場所に 私が今いないことを知ってるの?

 

Every day’s a little harder as I feel my power grow.
自分の力が毎日少しずつ強くなるのを感じるの

 

Don’t you know there’s a part of me
わかってくれないの? 私の中のどこかに

that longs to go into the unknown?
未知の領域へ行きたいと切望している部分があることを

 

Around this point, the magical ice particles that we saw in the trailer appear.
この辺りで、予告編に登場していた魔法の氷の粒子が現れる。

The first image they form is a heard of reindeer, like we saw in the trailer scene with Kristoff and Sven.
その粒子が描き出す最初の映像は、予告編でクリストフヤスヴェンとともにいたトナカイの群れ。

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Then the fire spirit (it looks like a little wispy, bouncy flame, just like the purple fire from the trailer),
続いて炎の精(ほっそりとした、バウンドする炎、ちょうど予告編に出てくる紫色の炎のような感じ)、

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then the Nokk,
それから水の精Nokk、

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then the earth giants,
そのあとに土の巨人、

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and then the blowing leaves.

それから風に吹かれる枯葉が。

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There was also a moment the ice particles seem to “pull” her towards the edge of the land and she spontaneously makes a ledge of ice so she can follow them even farther.
また、その氷の粒子がどうやらエルサを「引っ張り」陸地の端っこへ導き、さらにそれを追いかけていけるように、エルサが無意識に氷の出っ張りを作り出すシーンもあった。

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This leads to the other trailer scene of her reaching her arm out towards the fjord before the ice crystals with the symbols appear all around her. 
このシーンが予告編にあったもう一つ別のシーン、エルサがフィヨルドの方に向かって腕を伸ばしているシーン、ちょうど柄の書かれたクリスタルが飛び出してくる直前のあたりのあのシーンにつながる。

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The footage ends there.
D23で上映された映像はここで終わり。

 

 

書き起こしと和訳、終わり。

さて一体実際はどんなメロディなのでしょうか?

この先も曲の続きがあるのでしょうか?

私の個人的な予想にすぎませんが、Into the Unknownの楽曲のみについては、プロモーションのために、一曲丸々の映像がYouTubeなどで9月末~10月中旬くらいまでに公開されるのではないか、とおもっています。

はやくフルバージョンで見て見たいですし、色々な想像をさせられる歌詞になっています。
みなさんの考察や分析の材料のご参考まで。

 

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Frozen2 アナと雪の女王2:D23 expo 2019 でのプレゼンの内容詳細 公開された映像の情報も

はじめに

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アメリアナハイムで行われているD23expo2019。
各スタジオから新作の情報がどんどん公開されていますが、8月24日はウォルトディズニーアニメーションスタジオのプレゼンもあり、Frozen2に関する情報もたくさん。映像も多数公開され、新曲の生披露もあったようです。

 

D23の会場へ行っているフォロワーさんが英語でまとめてくれたTumblrを共有してくれたので、そちらを日本語に訳したいと申し出たところ、承諾してくださったのでこちらに訳したものを記します。原文に当たりたければ以下のリンクからどうぞ!

 

Special Thanks: Yumeka (Twitter @Yumeka36  / Tumblr https://yumeka36.tumblr.com/)

Yume Dimension — Just got out of the Go Behind the Scenes panel at...

 

Yumekaさんのレポートの和訳(プレゼンで公開された順に紹介

 

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  • アナとエルサが両手を握りしめるシーン(霧の中に歩いて入って行く直前)
    アナが言う「We do this together, okay? 一緒にやるのよ、いい?」
    エルサ「I promise 約束するわ」

 

 

  • アナ(旅行用の衣装)とクリストフがテーブルのそばにに座っていて、アナが彼に対して怒っている、あるいはイライラしている様子で、彼が少し恥ずかしそうあるいは罪悪感を覚えるような顔をしている様子のスクリーンショット

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  • エヴァン・レイチェル・ウッドが回想シーンでイデュナ女王の声を担当。D23ではイデュナが幼いアナとエルサに子守唄を聴かせるシーンが公開された。歌詞は北の風と川について言及する。

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  • スターリング・K・ブラウンがマティアス中尉の声を担当。製作陣は、彼は中尉で、彼の部隊は魔法の森の中に30年以上行方不明になっていた。
    アナが彼と(おそらく彼の村あるいはキャンプを見下ろしながら)話しているシーンが公開された。
    アナがマティアスに何を恋しいかと尋ねると、彼の父親とアレンデールでの良き日々だという。

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  • ジェスチャーゲームのシーン
    フローズンファミリーが城の中の部屋でジェスチャーゲームをしている。しかしエルサが声に呼ばれることに頭を悩ませ(※これは上記の記事では省略されていたが他の筋からの情報で補足)
    エルサが去った後、アナはクリストフにエルサが何かおかしいと主張。特にアナがジェスチャーゲームで選んだ言葉が氷だったことを言及しながら、エルサはそれならできるはずだったのに、と。
    その間、クリストフは面白おかしくアナに婚約指輪を渡そうとするが、失敗し、アナは気付かずエルサを探しに部屋を出て行ってしまう。
    アナはその際彼に短いキスをして、彼のことを「ハニー」と言う。
  • 次のシーンでは、アナがエルサの部屋に行って話をする。
    エルサは何も問題はないと言うがアナは、エルサが身につけているショールは母親のもので、エルサがそれを身につけるのは何か問題があるときだけだ、と指摘。
    2人はベッドの上に座り、エルサが自分が問題を起こすのが怖いと言うとアナはそれを慰めて、「いつになったらエルサは、私が姉さんを見るのと同じように、自分を見られるようになるのかしら(when will you see yourself the way I see you?)」と。
    エルサはアナが必要だといい、アナは決していなくならないわ、と。
    アナはエルサをなだめて、ベッドの中で寄り添い、そして母イデュナが回想シーンで歌ってくれた子守唄を歌い、2人は一緒に眠りに落ちる。

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  • 次のシーンは、2人が眠っているとエルサが再び声を耳にし飛び起きる。

    エルサは部屋を出てここから「イントゥ・ジ・アンノウン」のシーンへ続く。歌はエルサが、その声にどっかに行ってと伝えるところから始まり、(フローズンファミリーの絵を見上げながら)自分は愛するみんなとすでに一緒にいると言うことを言う。
    しかし曲はさらに盛り上がりエルサは城の外へと歩き出し、もしかしたら自分が今の居場所に属していないかもしれないという感覚や、この声が自分をどこか別の場所へ導いているかもしれないと歌う。
    ここからさらに、予告編で見せられた光のつぶつぶで表現された精霊のシーンのさらに長いバージョンのシーンへとつながる(炎の精霊が一番最初だった、Nokkよりも先)<westergaardのコメント:ということは、炎、水、土、風 の順ですね>
  • プレゼンの最後にはクリステン・ベルイディナ・メンゼルジョシュ・ギャッド、ジョナサン・グロフのキャストが全員出てきて、新曲「サム・シングス・ネヴァー・チェンジ」を披露。
    フローズンファミリーがそれぞれ自分たちの関係性を、そして自分たちがずっと一緒であることを歌う。アナとオラフの可愛らしいデュエットに始まり、クリストフとスヴェン、そしてエルサ、そしてみんなで。どうやら森へ向かう旅の途中で歌われるようだ。

 

以上です。

いやぁアナとエルサが一緒にベッドに入ってアナがエルサをなだめながらかつてイデュナママが歌ってくれた子守唄を歌うシーンとか、涙ものですね。。。

早く映像が見たいです!

 

Thank you for letting me translate it, Yumeka-san!! 

 

 

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トイストーリー4 考察 ウッディの決断は行動の方向でほのめかされていた?:スクリーンディレクション分析

はじめに

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トイストーリー4公開から1ヶ月以上が経ち、私もかれこれ吹替・字幕合わせて10回鑑賞したわけだが、お気に入りのシーンの一つはウッディとボーがシャンデリアを見つめるこのシーン。

でもこのシーン、映画の他の部分と比較すると、カメラを置く位置に関して、実は不思議な点があるんです。これを読み解いて行った結果、最後のウッディの決断のシーンでウッディが本当に望んでいたことがどっちだったのかというのが映像の中の「方向」で既に示されていたことに気づいたので、この記事ではその気づきを共有したいと思います。

 

映画の中において描かれる「位置関係」や「方向」は、たまたまそうなっているのではなく、制作する側がそのように「選択」しています。

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劇中の出来事の中でデュークカブーンは2回飛ぶ。正確にはコマーシャルと、飛べなかったトラウマになったジャンプも加えれば4回飛びます。
コマーシャル、リジャーンが発射した時、そしてアンティークショップ内でのフォーキー救出時のジャンプは右方向へのジャンプだ。対して、最後の観覧車からのジャンプは左方向へのジャンプです。

はたまた、ボーピープと再会してからウッディとボーが映る際には基本的にはどのショットでも右側にボーがくるように映されています。

映画の中において描かれる「位置関係」や「方向」は、たまたまそうなっているのではなく、ストーリーの展開と深く関係しており、映画を読み解く上では非常に重要な鍵となります。

 

今回の記事では、トイストーリー4という作品において、画面の中における位置関係・方向:専門用語で言う「Screen Direction: スクリーンディレクション(画面方向)」がストーリー(特にウッディの最後の決断のシーン)とどのように関係しているかについて読み解いていきます。

(もちろんこれはあくまで私の考察であってピクサーの制作チームの意図と完全に一致するものではないかもしれないが、少なくともスクリーンディレクションによって示されていることを読み解いた一つの分析としてお読みください。)

 

では、ここからいつもの「だ・である」調で(笑)

 

スクリーンディレクションによる表現手法からの分析

まずはじめに、基本事項の説明を少しだけ。

映画の製作や分析において重要な要素の一つに「Screen Direction: スクリーンディレクションというものがある。端的に言えば、「画面スクリーンの中における方向」のこと。

特に、アクション、特に移動する時左から右へ向かうか、右から左へ向かうかというところに顕著に現れる。

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ある地点から目的地へ移動する際は基本的にどのショットでも同じ方向へ向かうように映される。そのためA地点からB地点へ向かっている人を移す際に、画面左から右へ進んでいるショットが映された次に右から左へ進んでいるショットが映されることは基本的にはない。(「角を曲がった」などの様子がわかるショットが挟まれば別である。)

 

スクリーンディレクションを考える際には、真横から撮っていなくても(真正面からのショットではない限り)必ず左か右のどちらかへ動いていると考える。このように、ここでいう「右」と「左」は広い意味で捉えている。

この画面の中における方向を担保するために、映像を撮影・編集する世界では、一つのルールが決められている。それが「180-degree rule:180度ルール」だ。 

 

「180-degree rule: 180度ルール」と「イマジナリーライン

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例えば、2人の会話のシーンでは、基本的に対になっている2人の間に仮想上のライン「Imaginary Line: イマジナリーラインがあると想定され、原則的にその「ライン」を超えないようにカメラが動く(切り替わる)ようになっている。

そうすることで、左にいる人は必ず左に右にいる人は必ず右にいるので視聴者が混乱しないようになっており、映像メディアに慣れた私たちは、それを自然と感じるような認識に仕上がっている。

対話している人が3者以上になったり、途中で立ち位置が変わったりするとまた複雑になるが基本的には今書いたことが原則。

またこの「イマジナリーライン」は行動する方向や、モノに向かう人(コンピュータに向かう人)、または画面に映っていない領域(オフスクリーン)の何かへの視線においても生じる。

またこの方向は、物理的な位置関係にとどまらず、考えや目的が同じ人同士は向きが揃えられたり、敵対しているもの同士が向き合うようになっていたりすることもある。そうすることで両者が同時に見えていなくても誰と誰が敵対・対立しているのか、誰と誰が同じ目的で動いているのかということがわかるように作られる。

 

ちなみに意図的にこのルールを破ることもある。「crossing the line」と言って、あえてその「ライン」を超えるカメラの動かし方、ショットの切り替え方をする場合だ。それは稀で、基本的にそれをやった時は「なんらかの意図がある」と考えられることになっている。(La la land のセバスチャンがピアノを弾いているシーンで彼の背中をカメラが通り過ぎた時に、彼のオリジナルソングが始まる(=彼の世界へ入り込む)という演出は非常にわかりやすい例。)

逆にいえば「意図がない限りはラインは超えない」のが映画(というか映像)撮影の基本原則である。

 

今回は、冒頭に示した「シャンデリアのシーン」「デュークカブーンの飛ぶ方向の変化」と「ウッディとボーの左右の位置関係」を中心に、トイストーリー4を「スクリーンディレクション」の観点から分析していく。

 

【1】冒頭の回想シーンでのウッディとボーの位置関係

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この「9年前」のシーンでは、ウッディとボーが映るシーンではボーが左、ウッディが右という位置関係で始まるが、ボーが譲渡されることになり事態が一変するとウッディが左、ボーが右というように左右が転換する。

ボーはウッディも一緒に次の持ち主の元へ行くこと(駆け落ち?)を誘い(⑥)、ウッディもそれに応えて箱に入ろうとするが(⑦)、ウッディが消えたことに気づいたアンディが外へ飛び出してくる(⑧)。

これ以降会話はないが、2人は表情だけでお互いの考えを理解し合い(⑨,⑩)、ボーはウッディのハットと頬を触り、別れの挨拶をする(⑪)。

そのままボーの入った箱は画面右へ引っ張られ、持っていかれる。

 

 

【2】「右方向へ進む」ことは何を意味するか

(1)アンディからボニーへの引き継ぎ「左➡︎右」

この回想シーンに続いて私たちには、アンディとともに過ごした幸せな日々、そしてボニーへゆずりわたされ、ボニーとともに過ごした時間が「You've Got a Friend In Me」に乗せたモンタージュで見せられる。

この時ウッディが「左から右へ」受け渡される様子が描かれる。これは、トイストーリー3の時にも同様のシーンが少し違うフレーミングとカット割りで描かれていたが、3作目においても左から右という方向は同じであった。

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冒頭回想シーンのボーピープが入れられた箱が右に、ウッディが左にいたこととも呼応し、あの時ボーは次の子どもへ譲られていったので、その位置関係とも呼応する。

 

(2)アンティークショップでの移動方向「左➡︎右」

フォーキーがギャビーギャビーによって誘拐された後、ボーに助けを借りてアンティークショップに戻り、店内での救出を試みるシーンが4作目の中盤の大半を占めるわけだが、その際の移動の方向は基本的に右方向である。

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この救出作戦の最中にデュークが1回目のジャンプを見せるためこのジャンプは右向きで描かれます。
このジャンプはデュークとともにウッディが飛ぶことにも象徴的に表されるように、フォーキーを連れ戻し、ボニーの元へ戻るためのジャンプです。

 

 

(3)左から現れ右へ去っていくギャビーギャビー

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ギャビーギャビーは初登場シーンでは、スクリーン左側からウッディに向かう形で登場する。しばらくの間、ギャビーとのバトルシーンは繰り広げられるが、ウッディとの関係でいうとウッディと2人きりになるのは終盤のボイスボックスを譲るシーンである。

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そのシーンでもギャビーは左側、ウッディが右側という位置関係が保存されている。

またこのシーンでは、子供と遊ばれる幸せが、照明演出でも巧みに表現されている。

ギャビーにとって憧れの「持ち主の子どもとの幸せな日々」を過ごしてきたウッディのいる右側だけに窓からの光が当たっている。

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これはちょうどキャンピングカーでのフォーキーとウッデイの関係にも呼応していて、一番遊ばれているフォーキーに最も光が当たり、次に遊ばれているバズたちには車内のサイドライトが、最も遊ばれていないウッディは最も暗い闇の中にいる。ここではチャイルドシートにフォーキー、一段高い床にバズたち、一番低いところにウッディというように高さにもそのヒエラルキーが反映されている。

 

ウッディは自分がどれだけ幸せな日々を送れきてたか、そしてそれがどれほどレアだったのかを実感したウッディはボイスボックスを譲ることを決意。そうしてボイスボックスを手にしたギャビーは念願のハーモニーに気づいてもらえる。

この時ギャビーはスクリーン左側の棚の方から、右側にいるハーモニーへ声を聞かせる。するとハーモニーが右から左へ近づいてきて、ギャビーを手に取る

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しかしハーモニーはギャビーを左側の箱の中に放りなげ、右へ消えていく

続いて迷子の女の子のシーン。

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この時、一行は左方向へ進んでいましたが(なぜここが左だったのかは後ほど触れる)ギャビーはふと立ち止まり右方向へ目をやり、迷子の女の子に気づく

左から戻ってきたウッディは、さらに左にいるボーへ目配せして「change of plan(計画変更だ)」と伝え、ボールころころ大作戦によるバニーとダッキーの助けもあって、右側にいた迷子の女の子は左側に座っているギャビーに気づく。そして拾い上げ、ギャビーを助けたいという気持ちに勇気をもらった女の子は右方向へ向かい、警備員に話しかける。

おそらく警備員が他の警備員と連絡を取り迷子の女の子の家族を探している間に一行はメリーゴーランドの上に場所を移し、次のショットでは女の子が家族と合流した様子が上から見下ろされる視点で描かれる。

この時家族はほぼ真正面へ向かって進んでいくが、ギャビーの視線へ右から左へ向かっており、右へ去っていったと捉えて良さそうだ。

 

 

ここまで見てきてわかるように、

(1)ボーやウッディが「次の持ち主の元へ渡る時 」 

(2)ウッディが「持ち主の元へもどるための行動(フォーキー救出)をとる時」

(3)ギャビーが「新しく見つけた持ち主へ渡る時」

「左から右」へという方向で描かれることがわかる。

総括すれば「左から右へ」というのは「1人の子どもへ尽くす方向」と考えて良さそうだ。

 

 

【3】ずっと右方向に進んでいたウッディが左方向へ折り返すのはいつか?

アンティークショップでのフォーキー救出作戦においては一貫して右方向へ進んでいたウッディ。

ギャビーにボイスボックスを受け渡し、ボニーに連れて帰ってもらえそうになるも、ハーモニーに捨てられたギャビーが気になり、再び右方向へ走る。

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ギャビーの捨てられた箱に一緒に入り、「もう私のたった一回のチャンスは終わったからボイスボックスは返す」と言い絶望するギャビー。

ウッディは画面左の方向にある窓から漏れるカーニバルの光と子どもたちの声の方向へ目をやるようギャビーを促し、「子どもはたくさんいる。その1人にボニーがいる。ボニーは君が来るのを待っている。まだボニーは知らないけど。」と声をかけボニーの元へ連れて行こうとする。

「もし違ったら?」と言うギャビーに対しウッディは「そうだとしても、棚に飾られてるだけなら、その答えも確かめられないだろう?」とボーから学んだ考えでギャビーを励まします。そこへ「その通り」と現れたボーはウッディの右側へ登場。

 

このシーンは、私が以前書いた記事でも取り上げたように、2作目でジェシーをアンディの元へ連れて行くときの会話と重なるように作られている。その対比を通してウッディが、「アンディに対する盲信(予定調和が来るという盲信)」から解放され「何が起こるかわからない現実」を受け入れてその上でそこに向き合わないといけないという考え方に変わっていることが表される。

(1)ジェシーへの口説き

JESSIE: But what if Andy doesn’t like me?
ジェシー:もしアンディに好かれなかったらどうしよう?

WOODY: Nonsense! Andy’ll love you!
ウッディ:そんなバカな!アンディは君のこと気に入るよ!

(2)ギャビーへの口説き

GABBY GABBY: But what if you’re wrong?
ギャビーギャビー:でももしあなたが間違ってたら?(ボニーに気に入られなかったら?)

WOODY: Well, if you sit on a shelf the rest of your life . . . you'll never find out, will you?
それでも、これから一生棚の上に座っていたら…それを確かめることすらできないんじゃない?

決定的に違うのは、(1)では妄信的にアンディがジェシーのことを愛すると信じ込んでいてそれが前提でジェシーを説得しているのに対し、(2)ではボニーがギャビーのことを気にいるかどうかはわからないけど、それでも行動して見なきゃ何も変わらないということを認識した上で説得しているということ。

そして後者の考え方は4作目の冒険を通してボーからインストールされたウッディにとっては新しい考え方だ。この「棚の上に座ってたら何も変わらない」というのはボーの言葉の引用である。

先に確認したジェシーの説得がそうであったように、このギャビーの説得も、ギャビーに向けているようでウッディが自分自身に言い聞かせていることと捉えることができると考えると、これはウッディ自身が『予定調和』(=「Established Harmony」=「ウッディにとってのハーモニー:すなわちアンディ)がない世界において生きて行くことを決意したことの現れと捉えられる。

だからこの次の瞬間ボー・ピープが助けに帰って来てくれて、「He's right」と言うのだ。あれはウッディがアンディから卒業した、つまりウッディが「予定調和」を前提とした認識を捨てた瞬間なのだ。

この引用部分にも書いたようにまさにギャビーにとっての「予定調和(Established Harmony)」が崩壊したこのシーンで、ウッディもそれがない世界で生きて行くための考え方を自分に言い聞かせ、そしてギャビーにも説いているのである。

ここでウッディは完全に自分のストーリー「誰かの持ち主に尽くし続けることだけがおもちゃの唯一の幸せである」から解放されている、と私は読み取る。

 

これ以上詳しいことは是非こちらの記事を参照してほしい。

ikyosuke.hatenablog.com

 

このシーン以降、一行はギャビーを連れて左方向へ進み続ける。その途中でカブーンが左方向へ向かって大ジャンプを決める。

方向については触れていなかったが、以前の記事でも次のように書いていた。

あのジャンプは、過去の<設定>や、それによって生じたトラウマを克服できさえすれば、ボーの言葉で言えば「今の自分になれる」。そうすれば、今まで自分にできるはずがないと思っていたことさえできるようになるということである。

過去に縛られ、自分が期待していた予定調和に裏切られたことに傷ついている、ウッディやギャビーの目の前で、飛べないから生きる意味がないと思っていたカブーンが飛ぶことで、彼らに勇気を与えることになる。

この説明と、上記の「ウッディの方向転換」を踏まえれば、あの大ジャンプが、それまでの右方向へのジャンプと異なり、左方向であることの理由はこれで明白であろう。

アンティークショップ内で右方向に飛んだ時のデュークはまだ、「自分に設定されたストーリーのようにカッコよくスタントを決められなかったせいで捨てられた」という過去に囚われており、そのことがノイズとなってジャンプを失敗しかける。

しかし終盤でその10倍の大ジャンプを成功させる時は左へ向いている。「ストーリー」から解放されたことが左へ向かっていくこととして象徴的に描かれていると言える。

カブーンはそれ以降1人の子どもの持ち物となって尽くすことは描かれない。この時カブーンに続いて左方向へ渡ったおもちゃたちのうち、唯一1人の子供へ尽くす方向へ進んだのはギャビーであり、この方向は【2】に見たように「右方向」であった。

左右方向への動きはこのように描き分けられていると考えられる。

 

【4】ボーとウッディの位置が入れ替わる時

ボーとウッディの位置については、【1】で示したように冒頭は「ボー(左)、ウッディ(右)」からスタートし、ボーが連れて行かれうることになってから「ウッディ(左)、ボー(右)」へと転換する。

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それ以降、公園での遊びのシーンで再開したショットでも、その後に茂みの陰で会話しているショットでも、メリーゴーランドの上で景色を見せてもらうショットでも、アンティークショップの中でのショットでも基本的にボーが右側という位置関係を貫いている。

 

照明演出も含めていうならば、最初にメリーゴーランドの上に登ったときは右にいるボー側だけ日差しが当たっており、左にいるウッディは影の中だ。

同じような演出はアンティークショップの中でジャンプの準備をする際にランチャーをもって棚の上に登っていくシーンでも描かれる。

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ボーは右側で高い位置におり、ウッディは低い位置にいて影の中にいる。
そんなウッディに対して、「移動遊園地と一緒に移動して街を出るの。もっと広い世界を見てみない?」と誘うボーは、「あなたにもできる」と言い、マジックカーペットに乗せて「A Whole New World」を見せに誘うアラジンかのようにウッディに対して右手を差し伸べる。ウッディがそれを掴んで登ることで、影の中から引き上げられる。

(引き上げるという動作自体は、冒頭のRCを救うシーンでの「Operation Pull Toy(おもちゃ引き上げ作戦)」と重なるように感じる。)

そうして引き上げられたウッディは、ボーに促されて振り返ると、そこにはウッディが見たこともないような美しい光景が広がっている。

人生のほとんどの時間を子ども部屋にしかいなかったウッディにとって、シャンデリアを見るのはきっと生まれて初めてだろう。このシーンの重要なショットは幸いにも全て予告編の中で公開されていたので順番に並べてみることにする。

 

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さて、記事の冒頭で紹介したイマジナリーラインがここで必要になる。

①②のショットにおけるイマジナリーライン は、シャンデリアと2人を結ぶ線であり、その線の片側180度以内でカメラが動かされている。

しかし続くショット③では、ウッディ越しのボーが映される。これはその直前のショットのイマジナリーラインは超えている。
続くショット④はその切り返し(リバースショット)で、ボーを見つめるウッディがボー越しに映される。
この二つのショットではイマジナリーラインがウッディとボーの間に切り替わっているとわかる。

ここのショットが面白いのは、

1)まずウッディが右側、ボーが左側となっており、これまでのウッディとボーの位置関係から考えると「例外」のショットと言えること。

2)カメラが2人の背中側に置かれていること。

 

ここで①、②のショットと、③、④のショットを分けて考える。

まず①と②。

f:id:ikyosuke203:20190823171819p:plain先に確認したように、直前シーンではウッディとボーの間にイマジナリーラインがあるが、この時登る方向と、2人とシャンデリアを繋ぐイマジナリーラインは同一直線上にある。

この後ジャンプをするシーンでもこのイマジナリーラインは維持される。

前後のシーンにおいては進行方向に向かって右側にしかカメラはなく、反対側にカメラが回ることはない。

 

つづいて③、④。

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シャンデリアを見上げる2人、そしてシャンデリア側から2人を見下ろす視点のショットが映された直後、ウッディ越しにボーを見つめるショットに切り替わった瞬間イマジナリーラインがウッディとボーの間に90度移行する。
この直前のショットでカメラはシャンデリア側へ回っているため、それに従うなら私が黒塗りの丸数字で示した❸、❹の位置にカメラをおけばよかったはず。
そうすれば左にウッディ、右にボーという位置を維持できたはず。さらに、顔や視線の向きはともかく、体の向き的には正面側から捉えていて自然なショットなはずである。

それでもわざわざ2人の体の裏側にカメラを回り込ませ、ウッディとボーの左右の位置を逆転させているのはなぜか、不思議に思い考えていた。

位置関係的に確実に言えるのは、背景にシャンデリアを入れられるということだが、シャンデリアを入れるためだけなら、ボーとウッディの左右の位置をこのようにする理由を完全には説明できない。

しばらく考えながら何回か鑑賞したいたが、以前の記事でも気づきを与えてくれたツイートとして紹介したアカウントだったがこちらの方のツイートがヒントとなった。

 このシーンにおけるボーを見つめるウッディが、冒頭のフォーキー誕生シーンにおけるフォーキーを見つめるボニーのショットと呼応しているというツイートだ。

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実際にこのショットを並べて見ると、背景に映り込むオフフォーカスの光のつぶつぶといい、右から左へ見つめる向きといい、対応していることがわかる。

この対応から考えるに、背中越しのショットが入ることで「ウッディが本当に望むもの」と「今やっていること:フォーキーを救ってボニーへ届けること」とが一致していないことを示していると見ることができそうだ。

ボーに教えられて、振り返った瞬間ウッディはこれまで見たこともない輝く景色に気づき、カメラが背中側に回り込んで、ウッディとボーの位置が転換する。 

しかしそのまま再び振り返り元の方向へむきなおり、スクリーン右へ向かってのデュークとの大ジャンプに繋がる。

シャンデリアのある方向とは真逆の方向にジャンプするという位置関係は非常に巧妙にできている。ボーが誘っている「広い世界」の「見たこともない美しさ」の象徴である「シャンデリア」の輝きを背に向けて、「フォーキーを救ってボニーの元へ届ける」という「忠誠心」に従ったミッションが今まさに始まろうとしている、というシーンなのだから。

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この、持ち主の方に向かう方向(ここではフォーキーを取り戻しに行くという方向)と逆方向に輝きがあるという構図はこれまでのシリーズでも登場した。

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博物館や保育園に残る選択をすれば、「永遠の幸せ」が手に入れられたかもしれないのに、ウッディは常に忠誠心に従って最終的にはアンディの元へ戻る選択を取り続けてきた。アンディの元に戻る幸せが「有限」であることは、「永遠の幸せ」の選択肢の方が「輝いている」ことと対比される形で「影や闇」で表現されてきた

今回のフォーキーを救うために向かう先は闇と言えるほどではないが、それでもボーが見せてくれた輝くシャンデリアのような美しい光景は背に向ける構図になっている。

 

これら2つの点から、カメラが2人の背後に回り、背中側の肩越しでウッディがボーを見つめるショットが選択されたのは、背景にオフフォーカスの光を入れ、ボーの見せてくれたような世界やボーと共に生きることがウッディの心から望むことであることを示すためであると考えられる。
またそれは同時に、忠誠心だけに従って選択してきたウッディが、またもう一度その選択をできる岐路に立っていることを示しているとも考えられる。

 

【5】ウッディの最後の決断のシーンで描かれた「方向」 

さてこれまでの4つでこの話をするための準備が整いました。

【1】では冒頭にボーが去る時からボーとウッディの左右が入れ替わり、ウッディが左、ボーが右という位置関係がある程度固定されるようになったこと。

【2】では右方向に進むということが、「1人の持ち主に尽くす方向」として描かれるということ。

【3】ではウッディが「1人の持ち主に尽くすことがおもちゃとしての唯一絶対の幸せである」という「ストーリー(予定調和)=呪縛」から解放された時に、進む方向が「左➡︎右」から「右➡︎左」へ思いっきり転換するということ。

【4】ではウッディとボーの左右の位置が入れ替わるシーンで、背景に「ウッディの知らない広い世界」の象徴として「オフフォーカスの光」が輝くようにフレームインされていること。

を確認してきた。

ではここで、最後の決断のシーンを自分の覚えているショットだけ描き起こして再現してみる。

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ここまで確認してきたことを反映すれば、バズたちが乗っているボニーの車がなぜ右側にあるのか、そしてボーとウッディがこのシーンでこの左右の位置に来る理由がお分かりいただけると思う。

ウッディがデュークたちに別れを言う時には背景はメリーゴーランドの屋根である。しかし羊たちへの挨拶を終えた後ボーの方へ向き直ると、背景には観覧車の光がオフフォーカスで映り込んでくる。

これはウッディが本当はボーと共に残り、世界を見て回りたいと思っていることが表現されていると捉えられる。右から左へと言う視線もここで生きて来る。

さらに、これは気付いた人も多いだろうが、冒頭のお別れのシーンともしっかり呼応している。

 

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まず第一に、冒頭では雨の日の夜、車の下で行われたのに対し、今回は晴れの日の夜、車の上のサンシェードの上で行われる

冒頭の回想シーンでのお別れではなかったボーがウッディに抱きつくという行動が加えられているほか、フチにかけた両手がクロースアップショットで映され、そこからチルトアップさせてウッディの言葉にならない表情を見せると言うカメラワークも完全に対応している。

さらに、仕切りを超えてボーがウッディの帽子と頬に触れるというアクションも対応している。

このアクションは、冒頭のシーンではかなり引きのワイドショットで映されるが、今回はカメラの位置がずっと近くなっており、このカメラの物理的な距離の近づきが、別れに対する2人の感情の高まりを象徴していると捉えられる。

決定的に違うのは、ボーとウッディの左右の位置が入れ替わっていること。もちろんこれは、右に向かうことが「1人の持ち主に尽くす方向」としてセットアップされてきたことを受けて、ウッディが右側にある車へ向かうと言う方向として描かれているわけだが、冒頭と呼応するシーンとして考えた時には、また少し別の要素も見え隠れする。

冒頭では、去っていったボーが右にいたことを考えると、ボーの視点で「ウッディが去っていってしまう」という見せ方にも読むことができそうだ。 

 

続きをみる。

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メリーゴーランドの屋根の上から名残惜しそうにウッディを見つめるボーを背にしながら、ウッディはサンシェードの上を渡ってバズの方へ歩いて来る。

この時、ウッディはボーの方を一度振り返る。この時にわかりやすいが振り返ったウッディの顔はカーニバルの明かりに照らされている。しかしバズの方へ向き直ったウッディの顔は完全に逆光で陰になっている。

右側にいたバズに「She will be okay. Bonnie will be okay. Listen to your inner voice.」と言われると、ウッディは光の指している方向にいるボーの方へ向き直り、左へ向かって走って行く。ボーもメリーゴーランドの屋根から飛び降り、サンシェードに降りて駆け寄って来る。抱きついてくるくると反時計回りに回る2人の後ろには同じく反時計回りで回転している観覧車が。この時の2人は先ほどのショットよりもずっとクロースアップで移されており、さらなる感情の高まりが反映されていると言える。

つづいて仲間たちとの再会を果たした後ジェシーシェリフバッジを受け渡す方向も左から右へ、そしてバズと抱き合うウッディの後ろには右側にジェシー、そして左側にボー。

そして左側に残ったボーとウッディが右側へ向かって去って行くボニーの車に乗った仲間たちを見つめながら終わる。

この車がさって行く方向もほぼ真正面と言えるような方向で、ギャビーが持ち主と去っていった方向と非常に近い。しかしここではバズたちの視線が画面左へ向いていて、それにたいするウッディとボーの視線が右へ向いているため、ギャビーの時と同じように「右へ去って行った」と捉える。

 

 

 

ここまで分析すると、ラストのウッディの選択のシーンで

 左から順にボーとウッディ、バズたちが並んでいることがいかに巧妙かがわかる。

 

 

 

デュークが示した象徴的な左へのジャンプ、そしてそれでも1人の子どもへ尽くすことを選び右へ進んでいくギャビー。

それらをを踏まえ、右にバズたち、左にボーがいる間でウッディが右か左かを選ぶ構図になっているのだ。 

そう考えると、バズの言葉を聞いたウッディが、左にいるボーの方へ駆け寄ることが「自分の内なる声」「本当に望んでいること」に従いながら、右方向:つまり1人の子どもに尽くす方向をもう選ばなかったということを、スクリーンディレクションで示していることがお分かりいただけると思う。

またボーのいる方向に輝きがあり、バズたちが去って行く方向は闇になっているというのも、持ち主の元へ戻るということと別の人生を生きることの対比がこれまでと同じように光と闇の演出でなされており、しっかり引き継いでいる。

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もちろんバズたちが不幸せなわけではなく、バズたちのように必要とされる子どもに尽くすことは「おもちゃにとって最も気高きこと」として描かれている。

その役目を終えても輝ける場所があることをボーとウッディは示してくれているという点で、バズやジェシーたちも安心して「有限の幸せ」である「闇」の方へ向かっていけるのかもしれない。

 

このように映画の画面の中における方向「スクリーンディレクション」もかなり理詰めで意図的に計画されていることが確認できると同時に、このようにスクリーンディレクションを通して我々に物語のヒントが与えられていることがしっかり確認できたと思う。

またスクリーンディレクションに着目するということが、映画を分析する際のヒントになるかもしれないと思い今回このように記事にしてみた

 

今回も最後まで読んでくださった方、お付き合いありがとうございました。

 

 

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実写アラジン 新曲「Desert Moon(砂漠の月)」(歌詞・和訳)【ネット公開のみ限定曲】

はじめに

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世界的にも日本でも大成功を収めた、実写アラジン。

実写バージョンの続編公開も検討されていると言われるほど。。。

collider.com

 

それはそれで楽しみなのですが、新しいコンテンツがウェブ限定で公開されたのでそちらのご紹介を。

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劇中でジャスミンがダリアと偽ってアラジンの住処を訪れたときにジャスミンがアラジンが「拝借している」という楽器で弾き始めた母との思い出の曲は、アラジンにとっても母との思い出の曲でした。

その曲のフルバージョンがアラジンとジャスミンの役者2人、メナ・マスードとナオミ・スコットによって歌われたデュエットバージョンで公式VEVOにおいて公開されました。

今回はその歌詞を聞き取り書き起こした上で訳していきたいと思います。

 

www.youtube.com

 

歌詞・対訳
 

[Jasmine]
When the shadows unfold
闇が広がり

When the sun hides its gold
太陽がその黄金の輝きを隠し

When the wind and the cold come calling
風と冷たさがやってきて

When the path isn't clear
道がはっきりわからないとき

And the stars disappear
そして星までも消えたとき

As an endless midnight's falling
永遠の真夜中が降りかかるとき

 

[Aladdin]
At the edge of the sky
空の端っこで

There's a moon hanging high
月が高くにぶら下がっている

When you're lost
道を見失ったとき

It'll try to remind you
思い出させてくれようとする

 

[Jasmine]
On a dark desert night
暗い砂漠の夜に

You can look to the light
光に目を向けられるの

Cause it's shining there
だってそこに輝いているんだもの

To find you
あなたを見つけるために

 

[Jasmine & Aladdin]

Desert moon
砂漠の月夜

Light the way
進むべき道を照らして

Till the dark turns to day
闇が明け陽が昇るまで

Like a lamp in the lonely night
孤独な夜に灯したランプのように

Bright and blue
明るく 青く輝く

Desert moon
砂漠の月夜

Wild and free
自然のままに 妨げられることなく

Will it burn just for me?
私だけのために燃えてくれない?

 

[Jasmine]
Shine down
光を降り注がせて

 

[Aladdin]
Shine down
光を降り注がせて

 

[Jasmine & Aladdin]
Till I find my way to you
私があなたへ通ずる道を見つけるまで

 

[Aladdin]

At the edge of the sky
空の端っこで

There's a moon hanging high
月が高くにぶら下がっている

When you're lost you can try the view
道を見失ったとき 視界を開くチャンスをくれる

 

[Jasmine & Aladdin]

'Cause it waits for you there
だってそこで待っているんだもの

And if you see it too
もしあなたにもそれが見えるなら

 

[Jasmine]

I can find my way
こうして見つけられるの

 

[Aladdin]

I can find my way
こうして見つけられるの

 

 

[Jasmine & Aladdin]

I can find my way
私の進む道

To you
あなたへと通ずる

 

こんな素晴らしい曲を本編にもエンドロールにも使わず、後日ネット公開のみだなんて。。。

なんて贅沢なんだ。

 

 

 

 

トイストーリー4 サウンドトラック劇中登場順に整理 シーン一覧

はじめに

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この記事ではトイ・ストーリー4のオリジナルサウンドトラックとして収録されている曲が、それぞれどのシーンでどのように分割されて使われているかを私が干渉した記憶を元に書き起こしていきます。

そもそもサウンドトラックは映画に使われた順番で収録されているんじゃないか?というツッコミが来そうですが、実はそうでもないんです。

ピクサー作品のサントラはすべての曲目を英語でタイトルで順番に並べることができるくらいには暗唱していますが(無駄な知識)、使われていない部分が収録されている場合、順番が入れ違っている部分、一つの曲が分割されて何箇所かで使われている場合、大事なシーンなのにその音楽が収録されていない場合などもあり様々です。

 

完全に出来上がった作品に対して音楽をつけているのではなくシーン単位で音楽を用意していき、それを編集の段階でシーンの入れ替えなど行う過程でカットされたりしているのだということが推測できます。

また、サウンドトラックの収録と販売のプロセスと、映画の最終編集が同時変更で行われていることも推測できます。そうでなければ最終盤で使わなかった曲はカットしたり、ギリギリで追加した曲も入れられるはずだからです。

その見えないために答えがはっきりわからないプロセスについてはともかく、今回はまずサウンドトラックの収録順リストを提示してから、その後私なりにトイストーリー4にシーン番号を振ったのでそれに合わせてサウンドトラックの何曲目のどの辺りが使われているかを見ていくことにします。

一つの曲で複数のシーンをカバーしている曲については、秒数で区切ることもできたのですが、一つの曲で3シーン以上が含まれていることはほとんどなかったので、「前半/後半」くらいのざっくりした分け方になっています。ご承知おきください。
ざっくりしてますが、みなさんもサントラ聞けばわかるくらいにははっきり分かれています。

 

サウンドトラック曲リスト

♫01 You've Got a Friend In Me/君はともだち

♫02 I Can't Let You Throw Yourself Away/君のため

♫03 The Ballad of Lonesome Cowboy/孤独なカウボーイのバラード

♫04 Operation Pull Toy/オモチャ引き上げ作戦!

♫05 Woody's Closet of Neglect/ウッディは置き去り

♫06 School Daze/はじめての幼稚園

♫07 Trash Can Chronicles/ゴミ箱に帰りたい

♫08 The Road to Antiques/アンティーク・ショップへの道

♫09 A Spork in the Road/先割れスプーンは手がかかる

♫10 Rubber Baby Buggy Butlers(前半)/ギャビー・ギャビーと腹話術人形(前半)

♫11 Buzz's Flight & a Maiden(前半)/どうする? バズ(前半)

♫12 Ducky, Bunny & Tea(後半)/ダッキー&バニーは名コンビ(後半)

♫13 Moving at the Speed of Skunk(前半)/スカンクで飛ばせ!(前半)

♫14 Bo Peep's Panorama for Two/世界は広い

♫15 Three Sheeps to the Wind/奪われた羊たち

♫16 Sneaking and Antiquing(冒頭)/アンティーク・ショップに潜入!(冒頭)

♫17 Recruiting Duke Caboom/デュークにお願い

♫18 Prepping the Jump/いざジャンプ

♫19 Let's Caboom!/レッツ・カブーン!

♫20 Cowboy Sacrifice/すべてはボニーのために

♫21 Operation Harmony/ハーモニーに愛されたい

♫22 Duke's Best Crash Ever/デュークの華麗なるクラッシュ

♫23 Gabby Gabby's Most Noble Thing/ギャビー・ギャビーの夢

♫24 Parting Gifts & New Horizons/別れと旅立ち

♫25 The Ballad of Lonesome Cowboy (Soundtrack Version)/孤独なカウボーイのバラード(サウンドトラック・バージョン)

♫26 Plush Rush!(前半)/ふわふわアタック!(前半)

 

 

映画のシーン一覧

S01) おもちゃ引き上げ作戦:RC救出とボーとの別れ
アンディのおもちゃ達 @アンディの家
♫04 Operation Pull Toy/オモチャ引き上げ作戦!

 

S02) プロローグ:アンディの成長とボニーへの譲渡
アンディのおもちゃ達 @アンディの家、ボニーの家
♫01 You've Got a Friend In Me/君はともだち

 

S03) ボニーに遊んでもらえないウッディ
ボニーのおもちゃ達 @ボニーの部屋
♫05 Woody's Closet of Neglect/ウッディは置き去り

 

S04) ボニーの幼稚園オリエンテーション
ボニー、ウッディ、フォーキー @幼稚園
♫06 School Daze/はじめての幼稚園

 

S05) フォーキーの紹介
ウッディ、フォーキー、おもちゃ達 @ボニーの部屋
♫07 Trash Can Chronicles/ゴミ箱に帰りたい

 

S06) ロードトリップ
ボニー、ウッディ、フォーキー、おもちゃ達 @RV
♫02 I Can't Let You Throw Yourself Away/君のため

 

S07) フォーキーの投身
ボニー、ウッディ、フォーキー、おもちゃ達 @RV
♫08 The Road to Antiques(前半)/アンティーク・ショップへの道(前半)

 

S08) フォーキーにおもちゃの人生を説くウッディ
フォーキー、ウッディ @ハイウェイ
♫09 A Spork in the Road/先割れスプーンは手がかかる

 

S09) アンティークショップの中へ
フォーキー、ウッディ @グランドベイスン
♫08 The Road to Antiques(後半)/アンティーク・ショップへの道(後半)

 

S10) ギャビーギャビーとベンソンとの出会い
フォーキー、ウッディ、ギャビー、ベンソン達 @セカンドチャンスアンティー
♫10 Rubber Baby Buggy Butlers(前半)/ギャビー・ギャビーと腹話術人形(前半)

 

S11) バズの追跡
バズ、ジェシー、おもちゃ達 @RV
➡︎ バズ @カーニバル
♫11 Buzz's Flight & a Maiden(前半)/どうする? バズ(前半)

 

S12) ボー・ピープとの再会
ウッディ、ボー @公園
♫11 Buzz's Flight & a Maiden(後半)/どうする? バズ(後半)

 

S13) ビリー、ゴート&グラフとの再会
ウッディ、ボー、ビリー、ゴート、グラフ @公園
♫16 Sneaking and Antiquing(後半)/アンティークショップに潜入!(後半)

 

S14) ギグル・マクディンプルズとの出会い
ウッディ、ボー、羊たち、ギグル @公園
♫10 Rubber Baby Buggy Butlers(後半)/ギャビー・ギャビーと腹話術人形(後半)

 

S15) アンティークショップへ出発
ウッディ、ボー、羊たち、ギグル @公園
♫13 Moving at the Speed of Skunk(前半)/スカンクで飛ばせ!(前半)

 

S16) 私のハーモニーは完璧
ギャビー、フォーキー @ギャビーのキャビネット
♫12 Ducky, Bunny & Tea(後半)/ダッキー&バニーは名コンビ(後半)

 

S17) ダッキーとバニーとの出会い
バズ、ダッキー、バニー @スターアドベンチャー
♫12 Ducky, Bunny & Tea(前半)/ダッキー&バニーは名コンビ(前半)

 

S18) スカンクでの移動
ウッディ、ボー、羊たち、ギグル @カーニバル
♫13 Moving at the Speed of Skunk(後半)/スカンクで飛ばせ!(後半)

 

S19) ボーが見せる広い世界
ウッディ、ボー、羊たち、ギグル @カルーセル
➡︎ バズ @セカンドチャンスアンティーク入り口
➡︎ ウッディ、ボー、羊たち、ギグル、バズ、ダッキー、バニー @セカンドチャンスアンティーク屋上
♫14 Bo Peep's Panorama for Two/世界は広い

 

S20) 釘付け
ジェシー、ドーリー、おもちゃ達 @RV
♫このシーンの音楽は収録なし

 

S21) アンティークショップ潜入
ウッディ、ボー、羊たち、ギグル、バズ、ダッキー、バニー @セカンドチャンスアンティーク店内
♫15 Three Sheeps to the Wind/奪われた羊たち

 

S22) ダッキーとバニーの妄想
バズ、ギグル、ダッキー、バニー @セカンドチャンスアンティーク棚の上
♫26 Plush Rush!(後半)/ふわふわアタック!(後半)

 

S23) ギャビーに報告するベンソン
ギャビー、フォーキー、ベンソン @ギャビーのキャビネット
♫16 Sneaking and Antiquing(冒頭)/アンティーク・ショップに潜入!(冒頭)

 

S24) ピンボールマシンへ
ボー、ウッディ @ピンボールマシン
♫16 Sneaking and Antiquing(前半)/アンティーク・ショップに潜入!(前半)

 

S25) デューク・カブーンの紹介
ボー、ウッディ、デューク @ピンボールマシン
♫17 Recruiting Duke Caboom/デュークにお願い

 

S26) ジャンプ作戦の準備
ボー、ウッディ、ギグル、デューク、バズ、ダッキー、バニー @棚の下▶︎棚の上
♫18 Prepping the Jump/いざジャンプ

 

S27) 作戦実行
ボー、ウッディ、ギグル、デューク、バズ、ダッキー、バニー、ギャビー、ベンソン達@棚の上▶︎ギャビーのキャビネット
♫19 Let's Caboom!/レッツ・カブーン!

 

S28) ギャビーとウッディの対話
ウッディ、ギャビー、ベンソン達 @閉店後のセカンドチャンスアンティー
♫20 Cowboy Sacrifice/すべてはボニーのために

 

S29) バズがおもちゃのルールを破って喋る
バズ、おもちゃ達 @RV
♫このシーンの音楽は収録なし

 

S30) ボーがウッディの元に戻る決心をする
ボー、羊、ギグル、デューク、ダッキー、バニー @カルーセル
♫このシーンの音楽は収録なし

 

S31) ボイスボックス移植手術・ハーモニーに貰ってもらえないギャビー・ボー再合流
ウッディ、ギャビー、ボー @閉店後のセカンドチャンスアンティー
♫21 Operation Harmony/ハーモニーに愛されたい

 

S32) フォーキーの伝言とジェシーの思いつき
バズ、フォーキー、ジェシー、おもちゃ達 @RV
♫このシーンの音楽は収録なし

 

S33) 再びスカンクでカーニバルへ
ウッディ、ギャビー、ボー、羊、ギグル、デューク、ダッキー、バニー @カーニバル
♫このシーンの音楽は収録なし

 

S34) カーナビ作戦と観覧車からのジャンプ
バズ、トリクシー、おもちゃ達 @RV
ウッディ、ギャビー、ボー、羊、ギグル、デューク、ダッキー、バニー @観覧車
バズ、トリクシー、おもちゃ達 @RV
♫22 Duke's Best Crash Ever/デュークの華麗なるクラッシュ

 

S35) 迷子の子を見つけたギャビー
ウッディ、ギャビー、ボー、羊、ギグル、デューク、ダッキー、バニー @カーニバル
♫23 Gabby Gabby's Most Noble Thing/ギャビー・ギャビーの夢

 

S36) ボニーは大丈夫
ウッディ、バズ、ボー、ジェシー、おもちゃ達 @カルーセル
♫24 Parting Gifts & New Horizons/別れと旅立ち

 

S37) クレジットシーン
♫02* I Can't Let You Throw Yourself Away(インストゥルメンタルバージョン)/君のため(インストゥルメンタルバージョン)* 【収録はされていない】
♫26 Plush Rush!(前半)/ふわふわアタック!(前半)
♫03 The Ballad of Lonesome Cowboy/孤独なカウボーイのバラード

 

未使用曲
♫25 The Ballad of Lonesome Cowboy (Soundtrack Version)/孤独なカウボーイのバラード(サウンドトラック・バージョン)

 

 

 

 

トイストーリー4:「3のエンディングが素晴らしいことはわかってるけど…」監督&プロデューサーインタビューの書き起こしと和訳

トイストーリー4の製作についての監督とプロデューサーへのインタビュー動画

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現在ディズニーデラックスで視聴できるスペシャルコンテンツにあるトイストーリー4の製作に関するインタビュー動画のなかから一部分だけ私が抜粋して原文を書き起こし、独自に和訳しました。

というのは、ディズニーデラックスの方で視聴できる動画にはすでに和訳された字幕だけがついているのですが、字幕という媒体の限界によって少しはしょられている部分もあるので、一度本人たちの喋っている英語の原文を書き起こした上で字数にとらわれずしっかり理解したいと思い、和訳してみました。

 

インタビューの書き起こしと和訳(抜粋) (フル版はディズニー・デラックスで!)

監督:ジョシュ・クーリー(JC)
プロデューサー:マーク・ニールセン(MN)、ジョナス・リヴェラ(JR)

 

1)4作目製作のプレッシャーについて

JC
We love Toy Story 3, and I love Toy Story 3, its ending is amazing, and there was a lot of pressure coming into do the fourth one, right off the gate.
僕らはトイストーリー3が好きだし、僕も個人的に好きだし、あのエンディングは素晴らしいよ。だから4つ目のをやることになったとき、最初からすごいプレッシャーはあったんだ。
Like, how do you go from there?
いったいあそこからどこへもってくんだ?ってね。

And so that was a question, but we had an idea with Woody that can make a story go even further.
そう、だからそれはすごい問題だったんだ。けど僕らにはアイデアがあったんだ。ウッディについてならこの物語をもっと先へ持っていけるだろうって。

The end of Toy Story 3 is the end of Woody’s time with Andy.
3作目の終わりは、ウッディにとってアンディとの時間の終わりだ。

Now he’s with the new child Bonnie, and it’s beginning of the something new.
今や彼は新しい子どもボニーといる。それこそ新しいことの始まりなんだ。

 

 

2)4作目製作で気をつけたことについて

JR

We want Toy Story 4 to feel brand-new, like it’s something you’ve never seen before, and yet that is familiar enough that it feels like an organic continuation of the first three.
僕らは、トイストーリー4をまったく新しいものに感じて欲しかったんだ。今まで見たこともないっていうか。でも同時に親しみやすくしたかった。前3作からの自然なつながりの延長に感じられるくらい十分にはね。

And I think that the biggest challenge was the balancing.
だから僕が思うに、最大の挑戦はそのバランスを保つことだったんだ。

We know the audience got a feeling that 3rd film had such a beautiful ending.
僕らもわかってるさ、3作目が美しいエンディングだとオーディエンスが思っていることは。

So we tried to engineer it forward, that was a misdirection for us set up a new beginning.
だから僕らはなんとかして前に進めようとしたんだ。あれはある種のミスリーディングで、実は新しい始まりのための準備だったんだ、って。

 

MN

There’s also a lot of love for these characters, Buzz and Woody, within the crew within the studio, we care about these characters as much as anybody.
もちろん僕らクルーやスタジオの中には、バズやウッディへのあふれんばかりの愛情もあるよ。僕らは他の誰にも負けないくらいこのキャラクターたちのことを気にかけているからね。

The crew really rolling around the story to do everything they could to make it the best thing as possibly be.
うちのクルーたちはほんとうに頭を悩ませて思考を巡らせてこの物語を可能な限り最高のものにするためにできることはなんでもしたさ。

 

 

3)作品のメッセージについて

JC

The story is about transition.
今作は「トランジション:変化」についての物語なんだ。

Woody go from Andy’s room to Bonnie’s.
ウッディはアンディの部屋からボニーの部屋へ行く。

It’s a whole new situation for him.
彼にとってまったく新しい状況だよ。

Bo Peep has gone through a transition.
ボーピープは変化を経てきた。

Forky, trash becoming a most important toy.
フォーキーはゴミから最も大事なおもちゃになった。

Everybody go through things differently but we all kind of experiencing the same thing as a whole.
それぞれが違う形でこの変化を経験するわけだけど、僕らはみんななんらかのかたちで似たようなことを全体としては体験するんだ。

 

 

4)ウッディとフォーキーの関係について

MN

It’s not easy but Woody’s job is kind of make sure that Forky be there for Bonnie the way that he wishes he could be.
簡単なことではないが、ウッディの仕事はフォーキーが確実にボニーのそばにいてあげるようにすることなんだ。彼がそうできたらいいと思っているようにね。

 

 

5)ボーピープ関係について 最近のプリンセスの傾向を意識したのか? 

JC

We went back and look at Toy Story 1 and 2, to see how Bo acted in the original films.
僕らは、ボーが元の映画でどういう風に振舞っていたかを確認するために、1作目と2作目を見返したよ。

And she was always a really strong character, she wasn’t in the foreground but she was always off to the side and whenever Woody had a problem, he would approach her and kind of confess his feelings about what’s happening with Andy or the room and she would give him advice that actually would help.
彼女はいつも本当に強いキャラクターだった。彼女は前には出てこないんだけど、常に横にいて、ウッディがなにか問題を抱えた時には、彼からアプローチしていって彼の思いを打ち明けて、それがアンディのことであっても部屋のことであっても、それで彼女は彼に役に立つアドバイスをしていたんだ。

And it was interesting to see that, and we realized that all we need is kind of bring her to the surface.
とっても興味深かったし、私たちが必要なのはただ彼女を表面へ持ってきて見せればいいだけなんだって気づいたね。

And so, she is the same character but she’s been through a lot more a life than Woody has ever been through.
だから、彼女はおんなじキャラクターだ。だけど彼女はウッディが経験してきたよりももっと多くのことを経験してきているんだ。

She’s made of porcelain but she’s not afraid to break.
彼女は陶器製だけど壊れることを恐れていない。

And she’s more independent and strong, but she’s the same character.
それに彼女はより自立していて強いけれど、それでもおんなじキャラクターだ。

So we looked at how characters can be independent but also we didn’t want to make a completely new, different character, different Bo, so she’s still same Bo.
だから僕らはたしかにキャラクターをより自立させるにはどうしたらいいか考えたけど、完全に新しい、違うボーを描こうとは思わなかった。ボーはこれまでと同じだよ。

Just a little bit more present.
ただちょっとより存在感が増してるんだ。

 

 

6)4作目を作ろうと考えた最大の理由

JC

Bo Peep.
ボーピープが最大の理由だったね。

At the very beginning of this project, the code name for us internally was “Peep.”
このプロジェクトの発足当初、内部でのコードネームは「ピープ」だったんだ。

That was kind of a seed.
それが「種」だったね。

Where was she? Where she had been? What she’s been doing?
ボーはどこにいたのか?どこへいってたのか?何をしてたのか?

And that was kind of the beginning of the story and it can develop from there.
それこそが物語のはじまりだったし、そこから生まれてきたんだ。

So I say it was kind of a . . .
だからいわば、それが。。。

 

JR

She was the driver.
彼女こそが「ドライバー:原動力」だった

 

JC

The driver for the whole thing.
そう、すべての「ドライバー:原動力」。

 

JR

Toy Story at Pixar is the legacy of the studio.
ピクサーにおいてトイストーリーはスタジオのレガシーだ。

There was a bit of a challenge to this one.
だから今作にはちょっとチャレンジングな部分もあった。

Because, 3 was so good and so beloved.
なにせ、3作目はとっても素晴らしくて、愛されている。

It started to feel like, we love challenges, we love risks.
だからこう思うようになったんだ。僕らは挑戦が好きだし、リスクが大好きだって。

And it almost seemed like a bigger story challenge to prove that.
そしてこれこそ(僕らがリスクや挑戦が好きであることを)証明するのに適した、より大きな物語の挑戦だろうって感じたんだ。

I don’t know but we just get inspired by, that felt worthy.
わからないけど、僕らはそれに刺激されて、そこに価値があると感じたんだ。

Because we love these characters so much, and we wanted to show what would happen after Andy.
だって僕らはこのキャラクターたちがとっても好きで、だから僕らはアンディを離れた後どうなったのかを見せたかったんだ。

What would their world be like?
彼らにとっての世界はどうなるのか?

What would Woody’s purpose turn into?
ウッディの目的はどう変わっていくのか?

What would change it, who would change it? 
何が変えるのか?誰が変えるのか?

Where was Bo?
ボーはどこにいたのか?

All of these questions floated around us.
こういうあらゆる疑問が僕らの中に浮かんできた。

And just felt like... It was just more challenge that really motivated us and the crew.
これこそが僕らや他のクルーのモチベーションになるようなチャレンジだったんだ。

 

おわりに

このインタビューを見ると、クーリー監督たちがどれほど3作目までのストーリーを大事にしながら、さらにその先を私たちオーディエンスに見せようとしていたかが伝わってきます。
同時に彼らが、自分たちのストーリーテラーとしてのプライドをかけてチャレンジした成果物として私たちに提示してきていることも伝わってくるようです。

また、ウッディがフォーキーにある種自分の「身代わり」をさせているという構図や、ボーピープがウッディが経験してきたこと(すなわち私たちが3作目まででみたこと)を超えるような経験をしていることがはっきりと言及されているのも貴重な情報です。

さらに、ボーピープはキャラクターが変わったのではなく、あくまで前面に押し出されただけだということもはっきり言及されています。

 

このことについては私も別の記事

彼女自身の変貌は新しく何かを身につけたのではなく、自身が持っていたものへの見方を変えることで構成されている。(中略) スカートの生地を裏返してマントにする、というのは、もともと彼女が自分の内側に持っていた内面的な強さを外に出したということをビジュアル化していると捉えることができる。

と書きましたが、認識の変化でありキャラクターすなわち人としてのあり方自体の変化ではない、ということが巧妙に表現されていると思っています。

 

また作品のテーマが「transition: 変化」であり、ウッディがアンディからボニーへ手渡された変化と同じかそれ以上の変化を、ボーピープの変化とフォーキーの変化と並列に扱っているということもこれではっきりわかりました。

特に、フォーキーがゴミだったのに突然おもちゃになったという変化は見落としがちです。

フォーキーはゴミからおもちゃになった、というのは当然我々も承知していますが、いまのおもちゃとしての人生があるのと同様に、その前にゴミとしての人生があった(?)という想定もしっかりしなくてはいけないなと思いました。

 

ウッディがいかにフォーキーに自分の価値観を押し付け(?)ているかについては劇中で使われるこの曲「I Can't Let You Throw Yourself Away」の歌詞に非常によく現れています。

ikyosuke.hatenablog.com 

とはいえ、この曲がインストルメンタル版になってエンドロールでも使われていることから、このウッディなりのおもちゃとしてのフィロソフィーは否定されることなく、別の形で生き続け、ボーたちとの活動の根底に流れていることも示されていると考えています。

 

 

フォーキーとボーについてはまだまだ語られていないことが多いので、年末から少なくともアメリカではサービスの始まる「Disney +」で配信されることが決定している「Forky Asks a Question」と「Lamp Life」というフォーキーとボーそれぞれの短編シリーズを観られるようになるのが楽しみです。

 

 

ちなみに、私が書いたトイストーリー4の考察においては、これまでウッディがどのような「transition」を経てきたのかを、トイストーリーという作品の中における「3層のストーリー」の構造というのに着目してまとめてみました。

 

ikyosuke.hatenablog.com

 

 

 

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