westergaard 作品分析

映画、ミュージカル、音楽、自分が好きなものを分析して語ります。

【ゆめっち 熱唱】ミラベルと魔法だらけの家「Surface Pressure / 増していくプレッシャー」歌詞&和訳

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はじめに

『Encanto/ミラベルと魔法だらけの家』のミュージカルナンバーの対訳つけています。
今回は、ミラベルの姉で、フリエッタの次女ルイーサが自分のおかれた状況を語る「Surface Pressure/増していくプレッシャー」。

ルイーサは、日本語吹き替え版では、お笑いトリオ「三時のヒロイン」のゆめっちが声を当てているキャラクターです。

怪力のギフトを手にしたルイーサは、周りの人が持てないような重いものをなんでも軽々持ち上げるため、あらゆることで頼られていますが、実際には彼女は持てると期待されているから持てないはずがない、と自分をどんどん追い詰めていってしまっていますが、ミラベルから心配されるまではそのことを誰にも打ち明けられていなかったようです。

自分が出来ないで他に誰ができる?と問い詰め、自分自身に負荷をかけ続けている状況について、自覚的に語るのがこのナンバーになっています。

 

今回歌詞の歌詞翻訳を担当した高橋亜子さんは、つい数日前にこちらでインタビュー記事が出ているので掲載しておく。

www.felissimo.co.jp

また作品全体についてはこちらに軽く書きました。

 

ikyosuke.hatenablog.com

 

原語歌詞日本語対訳吹替歌詞

原語歌詞は斜体英字吹替歌詞(高橋亜子)は斜体日本語westergaardによる対訳は紫字


www.youtube.com

 

I’m the strong one,
I’m not nervous,
I’m as tough as the crust of the earth is.
私の強さは 地球の地盤と同じ

私は強いの 心配事なんてない
地球の地殻と同じくらいのタフさ

 

I move mountains,
I move churches,
And I glow ‘cuz I know what my worth is.
山だって動かす それが私の証

山々動かし 教会動かし
私が輝くのは 自分の価値を分かってるから

 

I don’t ask how hard the work is,
Got a rough, indestructible surface.
Diamonds and platinum, I find ‘em, I flatten ‘em.
I take what I’m handed, I break what’s demanded, but. . .
この手でダイヤモンド 砕くことだって出来る
みんなのためなら 何でもやる 作って運んで壊しまくる でも

やる仕事が どれだけキツいか尋ねない
原石のままの 割れない表面
ダイヤモンドやプラチナを 見つけて叩いて伸ばす
渡されたものは手に取るし 求められたものは何でも壊す でも

 

Under the surface,
I feel berserk as a tightrope walker in a three-ring circus.
心では まるでサーカス ずっと綱渡りしてるんだ

表面下では 手に負えない恐怖を感じてる
サーカスで綱渡りをする演者かのように

 

Under the surface,
Was Hercules ever like “Yo, I don’t wanna fight Cerberus?”
この胸の ヘラクレス 闘いから逃げていくんだ

表面化では
ヘラクレスも「ケルベロスとは闘いたくないな」って感じだったのだろうか?

 

Under the surface,
I’m pretty sure I’m worthless
If I can’t be of service.
でもわかる 逃げれば消える私の価値が

表面化では
わかってるの 役に立てないのなら 自分の価値ないと

 

A flaw or crack,
The straw in the stack
That breaks the camel’s back,
What breaks the camel’s back? It’s
このままじゃ いつの日か わずかな刺激で 崩れるかも

裂け目 割れ目 藁のように積み重なり
硬いラクダの背中を壊すものは? そう

 

Pressure like a drip, drip, drip, that’ll never stop, whoa,
Pressure that’ll tip, tip, tip, ’til you just go pop, whoa-oh-oh.
いつしかずんずん増してくプレッシャー うぉお
心がパンパンパンと弾けそう おおおお

ポタポタ止まらず垂れてくる プレッシャー
どんどん重さで傾く天秤が ひっくり返るまで

 

Give it to your sister, your sister’s older,
Give her all the heavy things we can’t shoulder.
任せて信じて 大丈夫
重たい荷物が持てなきゃ

お姉さんに任せな 年上だから
担げない重いものは全部 彼女に任せな

 

Who am I if I can’t run with the ball?
If I fall to. . .
私の価値はないの 負けない

もし持てないなら 私は何者なの?
もし負けたら

 

Pressure like a grip, grip, grip, and it won’t let go, whoa,
Pressure like a tick, tick, tick ’til it’s ready to blow, whoa-oh-oh.
それでもどんどん増してくプレッシャー うぉお
止まらずチクタク追いかけてくるの おおおお

グッグッと増して 消え去ることないプレッシャー
爆発するまでチクタクと 増していくプレッシャー

 

Give it to your sister, your sister’s stronger,
See if she can hang on a little longer.
任せて信じて大丈夫
もしつぶれたらその時

お姉さんに任せな 力持ちだから
もうちょい耐えられるはずだから

 

Who am I if I can’t carry it all?
If I falter. . .
私の価値はどこに? やらなきゃ

もし持てないなら 私は何者なの?
もしくじけたら…

 

Under the surface,
I hide my nerves, and it worsens, I worry something is gonna hurt us.
本当は家族を守れなく不安が募る

表面化では
神経を隠すの 状況が悪化して 私たちを傷つけるんじゃないかと心配

 

Under the surface,
The ship doesn’t swerve. Has it heard how big the iceberg is?
目の前に 現れた氷山から逃げ出したい

表面化では 船はすぐ曲がれない 聞いてる?ぶつかる氷山どれほど大きいか

 

Under the surface,
I think about my purpose.
Can I somehow preserve this?
この力 どこまで持つか自分に聞くの

表面化では
自分の目的について考えるの
このまま続けられのかと

 

Line up the dominoes,
A light wind blows,
You try to stop it topplin’ but on and on it goes.
ドミノ倒す 風を止める度 またもや次の風が

ドミノ並べ 風が吹いて 倒れるの止めようとするのが続く

 

But wait -
If I could shake
The crushing weight
もしも 重荷を 下ろしたら

でも待って
もし振りはらえたら この苛酷な重荷を

 

Of expectations,
Would that free some room up for joy,
Or relaxation,
Or simple pleasure?
喜びに満たされるのかな 胸の鼓動 身を委ね

他者からの期待ではなく 喜びに場所を譲れたら
あるいは息抜き それか単純に楽しさへと

 

Instead we measure
This growing pressure
空の果て それでもプレッシャー

測るのではなくて
この増え続けるプレッシャーを

Keeps growing,
Keep going,
重く 重く

‘Cuz all we know is. . .
襲ってくる

増え続ける 増え続ける
だって私たち家族がわかってるのは

 

Pressure like a drip, drip, drip, that’ll never stop, whoa,
Pressure that’ll tip, tip, tip, ’til you just go pop, whoa-oh-oh.
果てなくずんずん増してくプレッシャー うぉお
心がパンパンパンと弾けそう おおおお

ポタポタ止まらず垂れてくる プレッシャー
どんどん重さで傾く天秤が ひっくり返るまで

Give it to your sister, it doesn’t hurt and
See if she can handle every family burden.
任せて私は平気 たとえ曲がっても折れない

Watch as she buckles and bends, but never breaks.
No mistakes just
家族のためつぶれはしない 決して そう

お姉さんに任せな 傷つくことないから
家族の重荷 なんとかこなせるはずだから
折れ曲がっても 壊れはしないから
間違いなく ただ…

 

Pressure like a grip, grip, grip, and it won’t let go, whoa,
Pressure like a tick, tick, tick ’til it’s ready to blow, whoa-oh-oh.
いつしかどんどん増してくプレッシャー うぉお
止まらずチクタク追いかけてくるの おおおお

グッグッと増して 消え去ることないプレッシャー
爆発するまでチクタクと 増していくプレッシャー

Give it to your sister and never wonder
If the same pressure would’ve pulled you under.
任せて信じて大丈夫
これができなきゃ私の

お姉さんに任せな なにも考えず
プレッシャーがのしかかってきたら

Who am I if I don’t have what it takes?
存在価値ないでしょ?

背負うものないなら 私は何者なの?

No cracks, no. . . breaks,
負けない

ヒビなんてない 壊れやしない

No mistakes!
No pressure!
感じない プレッシャー

間違いない! ゼロプレッシャー!

 

 

 

 

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【大問題の吹替歌詞⁉】ミラベルと魔法だらけの家「All Of You / 奇跡はここに」歌詞&和訳

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はじめに

ミラベル、劇場公開終わっちゃいましたね。
そしてディズニープラスでの配信が始まりましたね。

劇場で見られなかった方、字幕上映がなかった地域の方も、観られるようになる日がはやくきたことは嬉しいことですが、コロナ禍で劇場公開期間が短いのが「あたりまえ」になって定着してきているのはハリウッドのビジネス自体が変化しているから仕方ないものではあるものの、なんだか悲しい部分もありつつ…

 

さて今日ご紹介するのは、ミラベルのラストのナンバー「All Of You / 奇跡はここに」です。
この曲、実は致命的な翻訳のミスが有るということで巷では話題になっていますよね。
この記事では、いつもどおり原詞、高橋亜子の吹替歌詞、わたしの日本語対訳の三つを並べた後で、その問題の件について書きたいと思います。

この曲登場人物が多いので歌詞部分が長くなりますが、歌詞を知ってるよという方はスクロールしていただいて、問題について述べる箇所まで行ってください。

ちなみにその「問題」というのは、ストーリー全体の落ちや、メッセージ自体を大きく歪ませてしまう可能性があるくらいの大きさの問題をはらんでいる「誤訳」で、もっと話題になってもいいのではないかと思っている程です。

それではまずは歌詞を。

原語歌詞&日本語対訳&吹替歌詞


www.youtube.com

 

原語歌詞は太い斜体英字吹替歌詞(高橋亜子)は太い斜体日本語westergaardによる対訳は細字

[Mirabel]
Look at this home,
We need a new foundation
壊れたら 建て直せばいい
みてこの家を 新しい基礎が必要ね

It may seem hopeless,
But we'll get by just fine.
大丈夫 家族がいる
希望がないようでも きっと大丈夫になる

Look at this family,
A glowing constellation
夜空に光る 星座のように
みてこの家族を まるで輝く星座ね

So full of stars,
And everybody wants to shine.
みんなが 輝いているよ
星々で溢れてる 誰もが輝きたがってる

But the stars don't shine, they burn,
And the constellations shift.
誰もがそう 大切な星
でもね 星々は輝いてるんじゃない 燃えているの
しかも星座だって変動するの

I think it's time you learn:
You're more than just your gift.
ひとりひとりが 宝物だよね
そろそろ みんな学ぶときだよ
自分は自分のギフト以上の存在であることを

 

[Abuela Alma]
And I'm sorry I held on too tight,
Just so afraid I'd lose you too.
家族を守るため してきたの 厳しく
ごめんなさい 私が固執しすぎたがために
ただあなたたちまでも(ペドロと同じように)
失うのを恐れすぎて

The miracle is not
Some magic that you've got,
The miracle is you, not some gift, just you . . .
The miracle is you.
でも奇跡は魔法じゃなく あなたたちよ
あなたたちこそ かけがえのない
奇跡は あなたたちの魔法ではない
奇跡は あなたたちであってギフトではない
あなたたちそのものが奇跡なの

[Abuela Alma, Julieta, Pepa]
All of you, all of you.
家族 家族
あなたたち皆が あなたたちのすべてが

 

[Camilo]
Okay so . . . we gonna talk about Bruno . . . ?
じゃあもう話していいのかな ブルーノ?
なら ブルーノのことを話す?

[Antonio]
That's Bruno!
あれ ブルーノ?
あの人がブルーノか!

[Bruno]
Yeah, there's a lot to say about Bruno:
ああ 話すこと沢山あるよ
ああ ブルーノについて沢山言うべきことがあるよ

I'll start okay,
まずはペパ
僕が話し始めよう

Pepa, I'm sorry 'bout your wedding,
Didn't mean to be upsetting.
That wasn't a prophecy I could just see you were sweating!
僕は謝りたい あれ予言じゃない
花嫁が緊張していたから
ペパ、結婚式のことごめん
動揺させようとしたんじゃない
あれは予言でもない
ただ君が緊張で汗かいてたのが見えただけ

And I wanted you to know
That your bro loves you so,
Let it in, let it out, let it rain, let it snow
"Let it gooo . . . "
彼の愛情伝えたくて だから雨も雪も関係ないよ
だから伝えたかった 彼が愛してるってのを
感情は隠しても 出してもいいし
雨にしても 雪にしても
”ありのままで”(レリゴーして) いいんだよって

[Félix]
That's what I'm always saying, Bro!
いつも愛してるって言ってるけど
だからいつもそうやって言ってるじゃないか!

[Bruno]
'Got a lotta 'pologies I got say:
Uh-

ごめんよ 本当に謝るよ
ああ ブルーノについて沢山言うことあるよ

[Julieta]
Hey, we're just happy that you're here, okay?
やっと 帰ってきてくれたのね
あなたがここにいてくれるだけで幸せなの わかった?

[Bruno]
But-
あ あの
あ あの

[Pepa]
Come into the light!
これからは
光の当たるところへ

[Bruno]
But-
でも
でも

[Agustin]
The triplets all unite!
みんなひとつだ
三つ子が全員揃った!

[Julieta]
And no matter what happens
もうどこにも
だからいつもそうやって言ってるじゃないか!

[Julieta & Pepa]
We're gonna find our way
行かないでね
ああ ブルーノについて沢山言う

[Dolores (to Camilo)]
Yo I knew he never left,
I heard him every day . . .

いつも彼の声 聞こえてた
ねえ 私 彼が去ってないの知ってた
毎日彼の声 聞こえてたし

[Townspeople]
Oh (oh), oh (oh)

[Abuela Alma]
What's that sound?
あの声は?
あの声は?

[Antonio]
I think it's everyone in town . . .
町のみんなが来たよ
町のみんなみたいだよ

[Townspeople]
Hey!
やあ!
やあ!
Lay down your loard (Lay down your loard)
We are only down the road (We are only down the road)

私たちも ここにいるよ
手伝うために やって来たよ
重荷(重責)を下ろしなよ
わたしたちも道を下ったすぐそこにいるんだから

We have no gifts, but we are many
And we'll do anything for you! 
奇跡は持ってないけど

力になるよ
ギフトは持ってないないけど 人数はたくさんいるよ
それにあなたたちのためになら何でもするよ

[Isabela (Townspeople)]
It's a dream when we work together as a team.
You're so strong . . .
(All of you, all of you . . . )

力を合わせる 素敵なことね
(みんな みんな)
夢だったの 一緒に力を合わせて働くことが
あなたとっても力持ちね
(あなたたち皆が あなたたちのすべてが)

[Luisa (Townspeople)]
Yeah, but sometimes I cry-
(All of you, all of you . . . )

泣けてきちゃうね
(みんな みんな)
そうね でも時には泣いちゃうこともある
(あなたたち皆が あなたたちのすべてが)

[Mirabel & Isabela]
So do I!
分かるわ

私も!

[Luisa]
I may not be as strong, but I'm getting wiser.
強さより賢さもっと
それほど強くはないかもしれないけど 賢くなってる

[Isabela]
Yeah, I need sunlight and fertilizer.
C'mon! Let's plant something new and watch it fly,
栄養 太陽 あげれば ほら みんな元気に育つわ

そう 必要なのは日射と肥料
さあ! 新しいもの植えて 育っていくのを見届けよう

[Isabela, Luisa & Mirabel]
Straight up to the sky!
明日に向かい

空に向かって真っ直ぐに伸びるのを!

[Isabela, Lusia, Mirabel & Dolores]
Let's go . . .
行こう

さあ育て!

[Mirabel & Abuela Alma]
The stars don't shine, they burn,
The constellations glow.
The seasons change in turn.
誰もが皆 命燃やし  季節は変わる

星々は輝いてるんじゃない 燃えているの
そうやって星座は輝く
そして季節は移ってゆく

[Julieta]
Would you watch our little girl go?
幼かったあの子が
見てよ うちの三女の行く末を

[Agustin]
She takes after you.
似てきた 君に
君に似てきたね

[Townspeople]
(Oh, oh, oh, oh . . . )

 


[Mariano]
(big sigh)

[Mirabel]
Hey Mariano, why so blue?
マリアーノ どうした〜の?
ねえマリアーノ どうしてそんなに落ち込んでるの?

[Mariano]
I  . . . just have so much love inside . . .
まだ彼女への愛が
ただ…まだ溢れ余る愛が…

[Mirabel]
Y'know, I've got this cousin too.
Have you met Dolores?

ほらほら 元気だして
ドロレスには会った?

私には こんな従姉妹もいるの
ドロレスとは知り合い?

[DoIores]
Okay, I'll take it from here, g'bye . . .
あとは私がやるわ
おけ、ここからは私が、じゃね!
You talk so loud,
You take care of your mother, and you make her proud.

あなたいつもママを気遣う優しい人 
あなたお母さんを気遣って 彼女の自慢の息子ね
You write your own poetry, evry night when you go to sleep.
And I'm seizing the moment, so would you wake up and notice me?

毎晩詩を書くあなたのつぶやき
いつも聞いてた 私に気付いて
毎晩寝る前 自分の詩を書くあなたの
その瞬間逃さないように聞いてたの
だから目を見開いて私に気付いて

[Mariano]
Dolores . . . I see you.
ドロレス 君しか見えない
ドロレス… いま君を見ているよ

[Dolores]
And I hear you.
あなたしか聞こえない
あなたのことを聞いてるわ

[Julieta]
YES!
やった!
よし!

[Townspeople]
All of you, all of you.
みんな みんな
あなたたち皆が あなたたちのすべてが

[Mariano]
Let's get marrie!
結婚しようよ
結婚しようよ

[Dolores]
Slow down.
慌てない
落ち着いて

[Mirabel, Abuela Alma & Townspeople]
All of you, all of you.
みんな みんな
みんなが みんなが

[Mirabel]
Home sweet home. I like the new foundation.
出来たよ 新しい我が家
心温まる我が家  新しい基礎 気に入ったよ

[Abuela Alma]
It isn't perfect
完璧じゃないけど
完璧ではない

[Mirabel]
Neither are we.
私たちも
それほど強くはないかもしれないけど 賢くなってる

[Abuela Alma]
That's true.
ええ そうね
その通り

Just one more thing, before the celebration:
それにもうひとつ 大切なことが
それからもうひとつ お祝いの前に

[Mirabel]
What?
なに?
なに?

[Bruno]
We  need a doorknob.
ほら このドアノブを
必要だろ ドアノブが

[Antonio]
We made this one for you . . .
ミラベルにつくったの
みんなでミラベルのためにつくったよ…

[Pepa, Dolores, Camilo & Félix]
We see how bright you burn,
その情熱と
あなたがどれほど輝いて燃えていたか 見てるよ/分かるよ

[Isabela & Luisa]
We see how brave you've been,
愛と勇気は
あなたがどれほど勇敢だったかを 見てるよ/分かったよ

[Julieta & Agustin]
Now see yourself in turn . . .
家族の誇り
さあ 今度は 逆に自分を見るんだ

[Bruno]
You're the real gift, kid. Let us in.
そう 君こそが奇跡だ
君こそが本当のギフトだ 僕らを中へ入れて

[Abuela Alma]
Open your eyes. Abre los ojos. What do you see?
さあ見て アブレ・ロス・オホス 何が見える?
目を開いて 何が見える?

[Mirabel]
I see  . . . me.
All of me.

私の未来が
見える そして分かる…私が  私のすべてが

 

問題はここに

問題①「I’m sorry」

問題の箇所ひとつめは冒頭のアルマ婆さんパート。

[Abuela Alma]
And I'm sorry I held on too tight,
Just so afraid I'd lose you too.
家族を守るため してきたの 厳しく

ごめんなさい 私が固執しすぎたがために
ただあなたたちまでも(ペドロと同じように)
失うのを恐れすぎて

まず、アルマ婆さんはここで「I’m sorry」と謝っている。これは非常に重要。

婆さんが自分の間違った認識を誤りだと認識して、謝罪することができるか、ストーリーの展開として非常に重要である。それにもかかわらず、高橋亜子の歌詞では、「ごめん」の一言も訳されていない。

もちろん音節数の制約がある中、要素の取捨選択が必要なのは確かであるがストーリーとこの作品のメッセージ性を理解していればそこは切らないはずだ。残念である。

 

問題②「Miracle is you, not some gift」
続けて、

[Abuela Alma]
The miracle is not

Some magic that you've got,
The miracle is you, not some gift, just you . . .
The miracle is you.

でも奇跡は魔法じゃなく あなたたちよ
あなたたちこそ かけがえのない

奇跡は あなたたちの魔法ではない
奇跡は あなたたちであってギフトではない
あなたたちそのものが奇跡なの

ここは良いだろう。さんざんこのストーリーで言われてきた、
A Gift just as special as you.「あなたと同じくらい特別なギフト」という認識を覆すための「奇跡はあなたであってギフトではない」という歌詞は重要だし、間違っていない。

この映画の冒頭のプロローグでアルマ婆はこう語っている。

[Abuela Alma]
Tonight, this candle will give you your Gift, mi vida.
Strengthen our communitiy, strengthen our home.
Make your family proud.
今夜 このキャンドルがあなたにギフトを与える。
コミュニティをより強くし、我が家をより強くする。
そして家族の誇りになる。
(略)
Whatever Gift awaits will be just as special as you.
どんなギフトであれ、あなたと同じくらい特別なはず。(対訳はwestergaardによる)

 

この言い方の前提には、ギフトがなければあなたは特別ではないというアルマ婆の価値観が露呈している。そしてこの価値観に縛られているため、マジカルメンバーのだれもがルイーサの歌に象徴されるようにプレッシャーを感じ、イサベラの歌のように選択の自由を望んでいたのである。

 

問題③ 「Just you」

The miracle is you, not some gift, just you . . .

ただこの歌詞の「just you」というところは訳出しにくいが抑えておきたいニュアンスのポイント。
今までアルマ婆さんが「あなたは大切」と言うときの「あなた(you)」には必ず、「ギフト(魔法)を持っているあなた」というのが含意されていた。しかし、魔法の存在にかかわらず、一人の人間としてのあなた自身が奇跡なのだという認識に変わったことがここで示される。しかしjustというニュアンスがないため、あまりこの差が伝わらなくなっているのは確かだ。とは言え、こんな問題は序の口でもっと大きな問題が待っている。

問題④ 「All of you」

[Abuela Alma, Julieta, Pepa]
All of you, all of you.
家族 家族
あなたたち皆が あなたたちのすべてが

またこれも大した問題ではなさそうに見えるが、All of you を「家族」と訳すのは、この後エンカントの人たち全員がやってきてそこも含めた All of you にフレームが拡大していくことを考えると適切とは言い切れない。残念ながら血縁主義ディズニーを吹替がより一層限定的なワードを繰り返すことにより強めてしまっていると言える箇所の一つだ。別にここでは「家族」かどうかは関係ない。そこにいる人たちすべて、という意味で All of youと言っているのだろう。

しかももうひとつの問題が大きな問題である。

「All of you」は、二つ意味がある。「you」を複数形ととれば、「あなたたちみんな」という意味になるが、「you」を単数形ととれば、「あなたのすべて(身も心も含めて)」という意味になる。

このダブルミーニングをふまえて、曲名となっているのだ。

 

この曲の一番最後のミラベルの歌詞を見れば単数形の形が使われているのが分かる。

I see  . . . me.
All of me.

私が見える。私のすべてが。と言っている。その意味で言えば、この曲のタイトルになっている All of You は All of Mirabel なのだろうとも読むことができる。

どちらにしても、
すべての人の(複数形の方)、その人のすべてを(単数形の方)リスペクトし、称賛する。その人の「才能」「ギフト」「役割」という部分だけをみて称賛するのではなく、その人をその人としてみろというのがこの曲のいちばん大事なメッセージだ。しかしそこはこのダブルミーニングを日本語でしかもたった3音節で再現することは不可能なので、放棄している。

まあここは仕方ないだろう。放棄する以上、ミュージカルナンバーとしては他の部分の歌詞でこの役割を果たさないといけないことになる。しかし、次の問題へ続く…

 

問題⑤ 最大の問題「家族の誇り

最大の問題はラストの(本来)感動的なパートである。
しかし、あまりに誤訳すぎて冷めてしまうくらいだ。

[Pepa, Dolores, Camilo & Félix]
We see how bright you burn,
その情熱と
あなたがどれほど輝いて燃えていたか 見てるよ/分かるよ

[Isabela & Luisa]
We see how brave you've been,
愛と勇気は
あなたがどれほど勇敢だったかを 見てるよ/分かったよ

[Julieta & Agustin]
Now see yourself in turn . . .
家族の誇り
さあ 今度は 逆に自分を見るんだ

[Bruno]
You're the real gift, kid. Let us in.
そう 君こそが奇跡だ
君こそが本当のギフトだ 僕らを中へ入れて

[Abuela Alma]
Open your eyes. Abre los ojos. What do you see?
さあ見て アブレ・ロス・オホス 何が見える?
目を開いて 何が見える?

[Mirabel]
I see  . . . me.
All of me.

私の未来が
見える そして分かる…私が  私のすべてが

 

 

最大の問題の箇所はどこか? ここだ

[Julieta & Agustin]

Now see yourself in turn . . .
家族の誇り
さあ 今度は 逆に自分を見るんだ

ここで「家族の誇り」は絶対に使ってはいけなかった。

この作品のメッセージ「家族の誇りになる」のではなく、生まれたときからすべての人の存在が奇跡としてリスペクトされその人はその人自身として見られるべきだというものである。

ミラベルは、「アルマ婆の呪い」によって、映画の冒頭からずっと一貫して「家族の誇り」になることに固執してきた。タイトルロゴを挟む前のヤングミラベルの最後の台詞であり、挟んだあとの成長したミラベルの最初の台詞でもある。
それが唯一彼女が「一人前の人間として見られる」ために必要だと考えて育ったのだ。
なぜならミラベルは「ギフト」がもらえなかったあの日から「見てもらえて」いなかったから。だから彼女の心の叫びはこう歌う。Open your eyes / 目を開いて(わたしをみて)」と(♪Waiting On A Miracle/奇跡を夢みて)。

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この物語のゴール地点となるのが「♪All Of You/奇跡はここに」のナンバーであることは、この日本語版タイトルをつけた人なら絶対にわかっているはずだしそのことを強調するためにわざわざ対応するタイトルにしたのだろう。

しかし残念ながら訳詞をつけた高橋亜子とそれにGOを出したウォルト・ディズニー・ジャパンのチームはこの曲の役割を分かっていない。

このナンバーは、「家族に生まれてきたからには家族の誇りになれ」という「アルマ婆の呪い」からミラベルが解放される、いや、というかむしろアルマ婆をはじめとするミラベル以外のみんなが「家族は家族の誇りになる必要がある」という認識を手放すことを示すものだ。だから「家族の誇り」というワードは来てはならないし、そもそも原詞には「誇り/proud」などというワードは1ミリも入ってない。

しかし高橋亜子はここで、しかもよりにもよってフリエッタとアグスティンに「家族の誇り」と歌わせてしまった。最悪だ。
フリエッタは、上手くミラベルの気持ちに寄り添ったかたちで声掛けできていなかった問題はあったにせよ、他の人とはちがって最もミラベルに対して適切な解はもっていた人として描かれていた。むしろアルマ婆の呪いから解放しようと試みていた。

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[Julieta]
You have nothing to prove.
あなたはなにも証明しなくていい。

You're just as special as anyone else in this family.
あなたは他の家族のメンバーと同じくらい特別だよ。

しかし、アルマの敷いた価値観にみんなが従っている中で、しかも「持てる」側であるフリエッタがいくらそれを言っても響くわけがない。

しかもよりによってその「家族の誇り」によってすり替えられ消されたフリエッタとアグスティンの歌っていたパートは

Now see yourself in turn . . .

今度は自分自身を見て と言っているのだ。つまり、これまで周りの人のことをよーく見て、それぞれの本音に気づいてきたミラベルが、自分自身に目を向けるように優しく言っているのだ。ここを潰して「誇り」などという扶養なワードに使ってしまったのは非常に惜しい。

むしろ必要だったキーワードは「see」だ。歌詞を見て分かるように明らかに繰り返されている重要なワードだ。ブルーノ以外全員が「see」と歌っている。

We see how bright you burn,
We see how brave you've been,
Now see yourself in turn . . .
You're the real gift, kid. Let us in.
Open your eyes. Abre los ojos. What do you see?

I see  . . . me. All of me.


その情熱と 愛と勇気は 家族の誇り
そう 君こそが奇跡だ
さあ見て アブレ・ロス・オホス 何が見える?
私の未来が

「see」もダブルミーニングをかけている。「見る」だけでなく「わかる」という意味でも使われる。もちろんこれを訳詞に反映するのはプロにも難しいだろう。諦めたのであれば他の箇所でその役割を果たせるような回収の仕方をすべきところだが出来ていない。残念だ。

ギャグみたいな言い方になるが、この映画は

ミラベルが(一人の人間として)見られるようになる映画だ。

すくなくとも映画の冒頭が「Abre los ojos(目を開いて)」で始まる以上、「見る」というキーワードは強調されねばならない。

なにせミラベルの「mira」は「見る」というスペイン語のワードであり、意図的にメガネのキャラクターにその名前をつけたということも既にバイロン・ハワード監督によって語られているのだから。

news.yahoo.co.jp

 

まとめ

ということで、色々書いたが、最大の問題は

「今度は自分のことをみて」という一番大事なフリエッタとアグスティンの歌詞を「家族の誇り」という最もここで入れてはならないワードにすり替えたことだ。

これによって、映画の根幹を揺るがしてしまっている。これが最大の問題だ。

 

タイトルは釣りのために「誤訳」と書いたが、おそらく翻訳した高橋亜子もわかっているのだろう。しかし、それでもこの選択をしたという意味であえて「誤訳」と言わせてもらった。

映画のメッセージを根本的に変えてしまいかねない以上、ここについてはしっかり指摘せざるを得ない。

だれも、家族の誇りになる必要はない。すべてのひとが今生きているその状態で尊重され、ひととして「みられる」世界になりますように。

 

そして翻訳者やこの訳詞にGOをだした某会社の方々へ

Abre los ojos.(目を開いて♥)

 

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劇団四季版 日本語歌詞 アナ雪 姉妹デュエット「あなたを失いたくない」I Can't Lose You 歌詞

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はじめに

この記事では、わたし westergaard が劇団四季の『アナと雪の女王』を観劇したときにメモしてきたものをもとに、劇団四季版の新日本語歌詞を書き起こし、原詞と比較するという記事です。

今回取り上げるのは、第二幕のアナとエルサの姉妹デュエットナンバーで、映画版には存在しない曲、「I Can't Lose You : あなたを失いたくない」です。

この曲は、オリジナルのブロードウェイ版にはなく、北米ツアー公演とその後のウェストエンド版から追加されたものです。ブロードウェイの刷新されたバージョンにも追加されましたが、その刷新版はコロナ禍で完全に閉幕してしまいました。

ブロードウェイのオリジナル版では、アニメーション映画と同じで「For the First Time In Forever (Reprise) : 生まれてはじめて(リプライズ)」が使われていました。

I Can't Lose You の原詞については当ブログのこちらのページでまとめています。

 

ikyosuke.hatenablog.com

 

劇団四季版のレリゴーや全体についての話などは、こちらでまとめていますのでご参照ください。⬇︎⬇︎⬇︎

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「I Can't Lose You」はアナ雪2の後に書かれた曲

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この「I Can't Lose You」は、その台詞が『Frozen II : アナと雪の女王2』の中で使われていることからもわかるように、アナ雪2の影響を強く受けている。

実際、作曲担当のロペス夫妻もそのことを認めている。アナ雪2制作中、両親の死を知りエルサがアナを再び魔法で遠ざける直前の対話のシーンのためにつくった曲があったとか。最終的にそこは監督ジェニファー・リーの判断によりミュージカルシーンにならなかったため、採用されなかったそうだ。アナ雪2の完成後、その曲のアイデアにインスパイアされるかたちで舞台版の「生まれてはじめて(リプライズ)」の代わりになる曲として「I Can't Lose You」を作曲したという。実際つくられていたデモリールが公開されたことはないので、どの程度音楽として似ているのかは明らかになっていない。

この話については、2020年2月に公開されたこちらのインタビューを参照のこと。

youtu.be

 

「Monster」歌詞(青字:劇団四季版歌詞)

歌詞はすべてブログ著者の聞き取った記憶に基づくもので、執筆時点では公式に発表されたものではありません。(2021/12/16)


www.youtube.com

(会話パート)

[ANNA]
No, Elsa wait! Don't go!
ダメよ エルサ 待って! 行かないで!

[ELSA]
I'm just trying to protext you.

私はあなたを守りたいだけなの

[ANNA]
You don't have to protect me. I'm not afraid!

守ってくれなくていい あたしは怖くない!

[ELSA]
What do you want, Anna?

何が望みなの アナ?

(ここから歌)

[ANNA]
This
Just you and I talking and chatting, and taking up space

これよ  ふたりでお喋りしたいだけなの

And you
You look so at peace which I did not predict after all that took place

でも  驚いたわ 穏やかな顔をしているのね

I'm sorry
I didn't know, I couldn't see
I knew you were hiding, but selfishly though you were hiding from me
許して あなたは いつでも
あたしから隠れてると 誤解してた

That's why I've come all this way
To look in your eyes and say
だからこの想い 伝えに来たの

I can't lose you, not again
I can't lose you like then
もう二度と あなたを 失いたくない

If you could see yourself the way I do
Then you'd see why I can't lose you
かけがえのない人なの もう離れたくないわ

 

[ELSA]
Wait!
I'm happy you came, but it's not safe to stay here and talk

待って! 逢えてよかった でもここはもう危険よ

Don't get close, this is all so brand new
Let me first learn to crawl before I try to walk
離れて こんなことは初めてなの どうすればいい?

I'm at home here
Up in the cold
Up in the air

ひとりで いるなら 平和よ

But it all turns to chaos nerar people I love and with how much I care
でも不安なの 大事な人がそばにいると

Please don't remind me to feel
Believe me, the danger is real

心揺れると 危険なことが起きる

 

[BOTH]
I can't lose you, not again
I can't lose you like then
もう二度と あなたを 失いたくない

 

[ELSA]
You don't know the things that I can do
Keep your distance, 'cause

離れているべきよ
わかって あなたを

[BOTH]
I can't lose you
守りたい

[ANNA]
You have to listen
I've come here to tell you
That everything's different now that I understand
ようやく分かりあえた 苦しまないで 一人きりで

[ELSA]
I know you mean well
But the air's getting colder
Just leave me alone
Let me get this in hand

その気持ち 嬉しいけれど 帰りなさい 吹雪になる

[ANNA]
And I'm here for you
We can fix this together
For once try trust me
I'm begging you now
あたしがいる 力合わせれば 立ち向かえる 信じてよ

[ELSA]
Don't you see I'm the storm?

And you make me worse?
I would fix it, but I don't know how!

この吹雪は 私のせい 止めたい でもどうしよう!

 

[BOTH]
I can't lose you
Try to see

守りたい あなたを

[ANNA]
Why can't you talk to me?

追い出さないで

[ELSA]
I'm trying to tell you that

失いたくない

[BOTH]
I can't lose you
Like before

守りたい あなたを

[ELSA (ANNA)]
As much as I wish, I can't  (It's my turn to) 

開けられないの (開けて)

[BOTH]
Open that door!

とびらを!

If you loved yourself the way I do
Then you'd see why I can't lose you!
もう二度と あなたを 失いたくないのよ!

 

(曲は終わり、会話パートへ)

 

[ELSA]
Goodbye Anna.
さようなら アナ。

[ANNA]
Goodbye? No!

さようなら? え 嫌よ

[ELSA]
You'll never lose me.
But you must leave me now!
あなたは決してわたしを失ったりしないわ
でも今は帰って

[ANNA]
Then what about the kingdom?

でもアレンデールはどうなるの?

[ELSA]
You'll make a great queen.
あなたは立派な女王になるわ。

[ANNA]
You can't just leabe it frozen!

国を凍ったままにしないで!

[ELSA]
Frozen?
凍ったまま?

[ANNA]
Do you know? You sort of set off an eternal winter everywhere.
知らなかったの。 エルサは永遠の冬を呼んでしまったみたい 国中に

[ELSA]
No!
え まさか!

 

このあとエルサは映画と同じようにアナの心を凍らせてしまいます。
このシーンはミュージカルシーンから分けられたことに寄ってよりシリアスに描けているように感じました。

来週12月24日にはいよいよ四季版のサントラ発売ですね!

 

今後もエルサとアナの関係性に関わるナンバーを中心に、同様の記事の作成を続けていきます。お楽しみに!

なお現時点で公開しているものは以下の通りです。

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【中毒ソング】ミラベルと魔法だらけの家「We Don't Talk About Bruno / 秘密のブルーノ」歌詞&和訳

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はじめに

『Encanto/ミラベルと魔法だらけの家』のミュージカルナンバーの中でもダントツで多く再生されている、「We Don't Talk About Bruno/ 秘密のブルーノ」。
メロディがあまりにも中毒的で、スルメソングとしての威力を全世界で発揮していることが、YouTubeの再生回数でもハッキリわかります。他の曲が軒並み1桁万回の再生数のところ、ブルーノのこの曲はすでに255万回(12月12日時点)。
ちなみにその次はルイーサの「Surface Pressure/増していくプレッシャー」 で148万回(12月12日時点)。


www.youtube.com

こちらの曲は、ミラベルが家の魔法が弱まってきていることの原因を突き止めるために、ブルーノについて探ろうとする場面での「ゴシップソング」。叔母ペパの家族のメンバーと、姉イサベラ、そして町の人達に、話すことがタブーとされている叔父ブルーノについて聞いて回るなかで、それぞれから聞いた情報がミラベルの中でこだましていく様子が、ミュージックビデオ的に表現されるナンバーだ。

ミラベルの物語の舞台はコロンビアでしたが、この曲はキューバを起源とする「チャチャチャ」という2拍子系のダンスリズムの曲になっているよう。

 

原詞とその対訳、そして高橋亜子さんによる公式の吹き替え歌詞を掲載し比較してみることのできる記事にしようと思う。
渡る世間には鬼ばかりの「長子」にしか聞こえなくなる藤田朋子さん演じるペパらが日本語で歌う吹き替え版はこちら。

www.youtube.com

今回歌詞の歌詞翻訳を担当した高橋亜子さんは、つい数日前にこちらでインタビュー記事が出ているので掲載しておく。

www.felissimo.co.jp

また作品全体についてはこちらに軽く書きました。

 

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原語歌詞日本語対訳吹替歌詞

原語歌詞は太い斜体英字吹替歌詞(高橋亜子)は太い斜体日本語westergaardによる対訳は細字

終盤の4つの歌が重なる部分はキャラごとに色を分けています。
Pepa & Félix / Camilo / Dolores / Isabela

※なお歌が重なったところに関しては、現時点ですべての歌詞が公式に発表されているわけではないため、聞き取りが難しく正確でない可能性のある部分があります。ご了承ください。

(2021/12/18 日本語歌詞がサントラ発売により明らかになったので更新しました)

 

[Pepa]
We don’t talk about Bruno, no, no, no
触れちゃだめ ブルーノ ノー ノー ノー

話さないの ブルーノのこと

We don’t talk about Bruno, but
触れちゃだめ ブルーノ でも

話さないの ブルーノ だけど

It was my wedding day
あれは 私の

あれはわたしの結婚式の日

[Félix]
It was our wedding day
あれは 僕らの

ボクらの結婚式の日

[Pepa]
We were getting ready
And there wasn’t a cloud in the sky
結婚式の日 とても晴れてた

準備をしてたときには雲ひとつなくて

[Félix]
No clouds allowed in the sky
晴れてたのにさ

雲はあっちゃいけなかった

[Pepa]
Bruno walks in with a mischievous grin
そこへブルーノが来た途端

ブルーノがいたずらっぽい笑みを浮かべてやってきて

 

[Félix]
Thunder!!
稲妻!!

雷が

 

[Pepa]
You’re telling the story or am I?
もう あなたが話せば

あんたが話すの?それとも私?

 

[Félix]
I’m sorry, mi vida, go on
ああ ごめんよ 君

ごめんよ さあ続けて

 

[Pepa]
Bruno says, “It looks like rain”
もうすぐ 雨が

ブルーノが言うの「雨のようだね」と

 

[Félix]
Why did he tell us?
ブルーノが言うのさ

なんでそんなこと言ったのか?

 

[Pepa]
In doing so, he floods my brain
雨が降ると言うの

そうして私の頭を雨でいっぱいにした

 

[Félix]
Abuela gets the umbrellas
みんな傘をさした

アブエラが傘をもってきてくれた

 

[Pepa]
Married in a hurricane
嵐の中で

ハリケーンの中で結婚したの

 

[Félix]
What a joyous day but anyway
僕ら式を挙げたよ

なんて喜ばしい日だろう なんにせよ

 

[Pepa & Félix]
We don’t talk about Bruno, no, no, no
We don’t talk about Bruno
触れちゃだめ ブルーノ ノー ノー ノー
触れちゃだめ ブルーノ

話さないの ブルーノのこと
話さないの ブルーノのことは

 

 

[Dolores]
Hey!  Grew to live in fear of Bruno stuttering or stumbling
ねえ! ブルーノ 怯えて暮らしてたの

ねえ ブルーノがぶつぶつ言ったりどもったりすることの恐怖感じながら生きてきた

I can always hear him sort of muttering and mumbling
呟き今も聞こえてくるの

いつも聞こえるの彼のつぶやきとか独り言とか

I associate him with the sound of falling sand, ch-ch-ch
落ちる砂のようなあの声 シーシーシー

その音まるで落ちる砂の音 チーチーチーっていう

It’s a heavy lift with a gift so humbling
おばあちゃんと家族の未来の

とても屈辱的なギフトで荷は重く

Always left Abuela and the family fumbling
Grappling with prophecies they couldn’t understand
重たい何かを抱えてるの
その予言 誰もわからなかった

いつも理解のできない予言を残して
アブエラと家族に手探りさせ格闘させるの

Do you understand?
あなたわかるの?

わかってくれた?

 

[Camilo]
A seven-foot frame, rats along his back
背中には ネズミたち

7フィートの長身 背中にはネズミたち

When he calls your name it all fades to black
闇の中へ 連れ去られる

彼に名前を呼ばれたら その名前は暗闇へ飲み込まれる

Yeah, he sees your dreams and feasts on your screams (Hey)
君の叫び声 待ちわびてる(ヘーイ)

そう 彼はキミの夢をみて 叫び声を餌食にしている

 

[Pepa, Felix & Camilo]
We don’t talk about Bruno, no, no, no
触れちゃだめ ブルーノ ノー ノー ノー

話さないの ブルーノのこと

[Dolores]
We don’t talk about Bruno, no, no
触れちゃだめ ブルーノ ノー ノー

話さないの ブルーノのこと ダメダメ

[Pepa, Felix & Camilo]
We don’t talk about Bruno
触れちゃだめ ブルーノ

話さないの ブルーノのことは

[Dolores]
We don’t talk about Bruno
触れちゃだめ ブルーノ

話さないの ブルーノのことは

 

[Townsperson 1]
He told me my fish would die, the next day, dead
死ぬと言われた魚 すぐ死んだ

彼に私の魚が死ぬと言われて、翌日死んだ

[Ensemble]
No, no
ノーノー

ダメダメ

[Townsperson 2]
He told me I’d grow a gut and just like he said
太ると言われたら ほら太った

彼に腹が出ると言われたら本当にそうなった

[Ensemble]
No, no
ノーノー

ダメダメ

 

[Townsperson 3]
He said that all my hair would disappear, now, look at my head
言われた通り 髪の毛抜けたよ

彼に髪の毛が亡くなると言われたけど、ほら見てこの頭を

[Ensemble]
No, no
ノーノー

ダメダメ

[Pepa, Dolores, Felix, Camilo]
Your fate is sealed when your prophecy is read

予言が運命を決める

予言が読まれたら運命が定められてしまうの

 

[Isabela]
He told me that the life of my dreams
Would be promised, and someday be mine
人生の夢が叶うと彼に言われたわ

彼は教えてくれた 私の夢みる人生は
いつか手に入ることが約束されていると

He told me that my power would grow
Like the grapes that thrive on the vine
ぐんぐん力育つと ブドウの木のように

彼は教えてくれた 私の力は強くなると
つるを伸ばして育つ葡萄のように

 

[Abuela Alma]
Óye, Mariano's on his way
ほら マリアーノが来る

ほら マリアーノが向かってるよ

 

[Dolores]
He told me that the man of my dreams
Would be just out of reach
ずっと夢見た人は 他の人を

彼は教えてくれた 私の夢見る男性は
手の届かないとこにいるだろうと

Betrothed to another
愛していると

それが別の人と婚約した

It’s like I hear him, now
声がするの

まるで聞こえるみたい 彼の声が

 

[Isabela]
Hey sis, I want not a sound out of you
ちょっと そばに近づかないでよ

ねえミラベル 何も余計なことしないでいてね

 

[Dolores]
It’s like I can hear him now, I can hear him now
彼の呟き 今聞こえる

まるで彼の声が聞こえるみたい いま彼の声が聞こえる

 

[Mirabel]
Um, Bruno
ブルーノ

えっと ブルーノ

Yeah, about that Bruno
ああ 知りたい ブルーノ

そう そのブルーノのことだけど

I really need to know about Bruno
知らなくちゃいけない ブルーノ

本当にブルーノのこと知らなきゃいけないの

Gimme the truth and the whole truth, Bruno
真実教えて ブルーノ

真実を教えてほしい 全部 ブルーノのこと

 

[Camilo]
Isabela, your boyfriend’s here (ha ha ha)
イサベラ 彼氏だよ ハハハ

イサベラ ボーイフレンドがきたよ

 

[Abuela Alma & Isabela]
Time for dinner
夕食よ

ディナーにしましょう

***

A seven-foot frame, rats along his back
背中には ネズミたち
7フィートの長身 背中にはネズミたち

It was my wedding day / It was our wedding day
あれは私の / あれは僕らの
あれはわたしの結婚式の日 / ボクらの結婚式の日

He told me that the life of my dreams
人生の夢が叶う
彼は教えてくれた 私の夢見る人生は

Grew to live in fear of Bruno stuttering or stumbling
I can always hear him sort of muttering and mumbling
ブルーノ 怯えて暮らしてたの 呟き今も聞こえてくるの
ねえ ブルーノがぶつぶつ言ったりどもったりすることの恐怖感じながら生きてきた
いつも聞こえるの彼のつぶやきとか独り言とか

***

When he calls your name it all fades to black
闇の中へ 連れ去られる
彼に名前を呼ばれたら その名前は暗闇へ飲み込まれる

We were getting ready and there wasn’t a cloud in the sky / No clouds allowed in the sky

結婚式の日 とても晴れてた / 晴れてたのにさ
準備をしてたときには雲ひとつなくて / 雲はあっちゃいけなかった

Would be promised, and someday be mine
と彼に言われたわ
いつか手に入ることが約束されていると

I associate him with the sound of falling sand, ch-ch-ch
落ちる砂のような あの声 シーシーシー
その音まるで落ちる砂の音 チーチーチーっていう

***

Yeah, he sees your dreams and feasts on your screams
君の叫び 待ちわびてる
そう 彼はキミの夢をみて 叫び声を餌食にしている

Bruno walks in with a mischievous grin
そこへブルーノが来た途端
ブルーノがいたずらっぽい笑みを浮かべてやってきて

He told me that my power would grow
ぐんぐん力育つと
彼は教えてくれた 私の力は強くなると

It’s a heavy lift with a gift so humbling
Always left Abuela and the family fumbling
おばあちゃんと家族の未来の 重たい何かを抱えてるの
とても屈辱的なギフトで荷は重く
アブエラと家族に手探りさせ格闘させるの

***

Thunder!! / You’re telling the story or am I? / I’m sorry mi vida go on
稲妻!! / もうあなたが話せば / ああごめんよ君が
雷が / あんたが話すの?それとも私? / ごめんよ さあ続けて

Like the grapes that thrive on the vine (vine, vine)
ブドウの木のようにね
つるを伸ばして育つ葡萄のように(つるを伸ばして)

Grappling with prophecies they couldn’t understand
Do you understand?
その予言誰もわからなかった あなたわかるの?
いつも理解のできない予言を残して わかってくれた?

***

[Abuela Alma]
Óye, Mariano's on his way

ほら マリアーノが来る
ほら マリーノが向かってる

***

A seven-foot frame, rats along his back
背中には ネズミたち
7フィートの長身 背中にはネズミたち

Bruno says, “It looks like rain” / Why did he tell us?
もうすぐ雨が / ブルーノが言うのさ
ブルーノが言うの「雨のようだね」と / なんでそんなこと言ったのか?

He told me that the life of my dreams
そういつかは
夢が叶う
彼は教えてくれた 私の夢見る人生は

He told me that the man of my dreams
もう私の夢が叶う
彼は教えてくれた 私の夢見る男性は

***

When he calls your name it all fades to black
闇の中へ 連れ去られる
彼に名前を呼ばれたら その名前は暗闇へ飲み込まれる

In doing so, he floods my brain / Abuela gets the umbrella
雨が降るというの / みんな傘をさした
そうして私の頭の中を雨でいっぱいにした / アブエラが傘を持ってきてくれた

Would be promised, and someday be mine
と言われたわ
いつか手に入ることが約束されていると

Would be just out of reach betrothed to another, another
叶う日など来ないかもね だけど
手の届かないところにいるだろうと そして別の人と婚約した 別の人と

***

Yeah, he sees your dreams and feasts on your screams
君の叫び 待ちわびてる
そう 彼はキミの夢をみて 叫び声を餌食にしている

Married in a hurricane / What a joyous day
嵐の中で / 僕ら式を
ハリケーンの中で結婚したの / なんて喜ばしい日だったろう

Mine, mine, mine, mine, mine
いいの いいの いいの いいの
私の手に 私の手に 私の手に 私の手に 私の手に

And I’m fine, and I’m fine, and I’m fine, I’m fine
いいの いいの いいの いいの
私は大丈夫 これで大丈夫 これで大丈夫 これで大丈夫

***

[Alma, Julieta & Agustin]
He’s here
彼だよ

彼が来たよ

[Felix, Camilo, Townspeople & Children]
Don’t talk about Bruno, no, no, no

触れちゃだめ ブルーノ ノー ノー ノー

話さないの ブルーノのことは

[Dolores & Pepa]
Not a word about Bruno
触れちゃだめ ブルーノ

ブルーノについては ひとことも

[Mirabel]
Why did I talk about Bruno?
知りたかったの ブルーノ

なんでブルーノの話なんてしたんだろう

[Dolores, Pepa, Felix, Camilo, Townspeople and Children]
Not a word about Bruno
触れちゃだめ ブルーノ

ブルーノについては ひとことも

[Mirabel]
I never should have brought up Bruno
触れちゃだめだった ブルーノ

ブルーノの話なんて持ち出すんじゃなかった

 

 

 

 

 

あまりすぐに書けないかもしれませんが、他のナンバーもぼちぼち対訳つけて記事にしていこうと予定しています。

 

ikyosuke.hatenablog.com

 

 

そのほか、劇団四季版『アナと雪の女王』の歌詞も書き起こしして、アニメーション版の吹替歌詞と比較していたりします。👇👇👇

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【新感覚レリゴー】ミラベルと魔法だらけの家「What Else Can I Do? / 本当のわたし」歌詞&和訳

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はじめに

『Encanto/ミラベルと魔法だらけの家』のミュージカルナンバーの対訳もぼちぼちつけていこうと思う。まず最初に取り上げたいのは、これまでのプリンセスの文脈を強く意識した、長女イサベラのレリゴーソング、「What Else Can I Do?/本当のわたし」。


www.youtube.com

こちらの曲は、完璧であることを求められつづけてきた、「花を咲かせる魔法」を持ったマドリガル家のアルマおばあちゃんの孫で、ミラベルの姉(長女)であるイサベラさんの歌うミュージカルナンバー。

イサベラはミラベルに気付かされるまで、自分が花を咲かせることしかできないと思っていたが、もっとたくさんのことができる可能性に気づくことになる。
家長である祖母から期待されていたのは、完璧な女性(結婚相手)として、”場に華を添える”ことを求められ、その期待に答え続けてきた彼女は、自分自身が「花を咲かせること」だけに終止する人生を送ってきた。他者から期待される「髪の毛には寝癖もつかない」「完璧な美人」でありつづけるために裏で努力していたことはすべて隠し、本音も言えずに生きてきた。そんな彼女がまさに「レリゴー」して、まるで「that perfect girl is gone」とエルサと同じように高らかに宣言する曲になっている。

しかしこのイサベラの「レリゴー」が本家レリゴーと異なるのは、妹がその場にいること。そして妹がいるおかげでレリゴーできるのだと、姉自身も自覚していてそれを歌うこと。そして妹と一緒に歌うデュエット曲(一応←)になっていることだ。

 

原詞とその対訳、そして高橋亜子さんによる公式の吹き替え歌詞を掲載し比較してみることのできる記事にしようと思う。
平野綾さん演じるイサベラが日本語で歌う吹き替え版はこちら。

www.youtube.com

www.youtube.com

今回歌詞の歌詞翻訳を担当した高橋亜子さんは、つい数日前にこちらでインタビュー記事が出ているので掲載しておく。

www.felissimo.co.jp

また作品全体についてはこちらに軽く書きました。

 

ikyosuke.hatenablog.com

 

原語歌詞日本語対訳吹替歌詞

原語歌詞は斜体英字吹替歌詞(高橋亜子)は斜体日本語westergaardによる対訳は紫字

(2021/12/18 日本語歌詞がサントラ発売により明らかになったので更新しました)

 

[Isabela]
I just made something unexpected

これはなに? 不思議ね

Something sharp
Something new

トゲも あるわ

たった今 思いもしなかったものを生み出した私
尖った何か 見たことのない何か

It's not symmetrical or perfect
But it's beautiful
これは完璧じゃない でも綺麗

And it's mine
What else can I do?
私も こんな風に

左右対称でも完璧でもないけど 美しい
しかも わたしが作ったもの
ほかに何ができるだろう?

 

[Mirabel]
Bring it in, bring it in
(Good talk!) Bring it in, bring it in
待って ハグをはやく ねえ ハグをはやく

ハグしよう ハグしよう
話せてよかった! ハグしよう ハグしよう

[Isabela]
What else can I do?
なれるかも

ほかに何ができるだろう?

[Mirabel]
(Let's walk!) Bring it in, bring it in
(Free hugs!) Bring it in, bring it in
さあ ハグをはやく ほら ハグをはやく

散歩しよう!   ハグしよう ハグしよう
フリーハグだよ! ハグしよう ハグしよう

 

[Isabela]
I grow rows and rows of roses
Flor de mayo
By the mile
色とりどりの薔薇を 咲かせて 着飾って

数えきれないほど沢山の
連なるバラを咲かせてきたの
何マイルも続くメイフラワーも

I make perfect, practiced poses
So much hides behind my smile
完璧なポーズとって 本音隠したけど

完璧であれるようにと ポーズの練習もしてきた
沢山隠してきたの わたしの笑顔の裏に

What could I do if I just grew what I was feeling in the moment?
育てたらどうなるの? 今の想いを

何ができるだろう?
もしわたしがその瞬間に感じていた想いを大事に育てたら?

 

[Mirabel]
Do you know where you're going? Whoa!

どこに行くのよ? わお!

どこに向かおうとしてるの? わお!

 

[Isabela]
What could I do if I just knew it didn't need to be perfect?
完璧じゃなくていいなら どうする?

It just needed to be? And they let me be?
あるがままで いいのなら

何ができるだろう? 自分が完璧でいなくてもいいと知ってたら
そこにいるだけでいいのなら? そうさせてもらえるなら?

 

[Isabela (Mirabel)]
A hurricane of jacarandas
咲き誇る ジャカランダ

Strangling figs (Big!)
ツタや(ツタ!)

Hanging vines (This is fine)
ブドウ(悪くないね)

ハリケーンのようなジャカランダの嵐
絞め殺しの木(おっきいね!)
ぶら下がる葡萄のつる(悪くないね)

Palma de cera fills the air as I climb
And I push through
What else can I do?
ヤシの木は空高く 突き抜ける 他にもっと

空を埋め尽くすロウヤシ
わたしが上まで登り遂げたら
ほかに何ができるだろう?

 

Can I deliver us a river of sundew?
咲かせようか 見事なサンデュー
Careful, it's carnivorous, a little just won't do
虫を食べるの 近づかないで

川のようなサンデューを生み出してもいいかな?
気をつけて 食虫植物だから ちょっと言うこときかないの

I wanna feel the shiver of something new
新しいなにかで震えたいの

I'm so sick of pretty
I want something true, don't you?
美しさより 真実が欲しい

身震いするのを感じたい 新しいことに挑戦して
カワイイものには 飽き飽きしてるの
それよりも自分に正直なモノが 欲しいと思わない?

 

 

[Mirabel (Isabela)]

<*このパートは "We Don't Talk About Bruno"
のイザベラパートのメロディ>
You just seem like your life's been a dream
Since the moment you opened your eyes
人生の夢が叶う 今がその時かも

まるで その目を開けた時から
あなたの人生は夢のようだと思ってたけど

(How far do these roots go down?)
(もっと自分らしく)

(この根っこはどこまで深く伸びてるんだろう?)

All I know are the blossoms you grow
But it's awesome to see how you rise
ぐんぐん思い育てて 羽ばたけたら素敵

わたしはあなたが咲かせた花しか知らなかった
でもこうしてあなたが生き生きと立ち上がるのを
見られるのはもっと最高ね

 

[Isabela & Mirabel]
How far can I rise?

Through the roof, to the skies
Let's go!
そうよ 空高く 飛び出していこう

どこまで高みを目指せるのかな?
屋根を突き破り 空に向かって さぁ行こう!

 

[Isabela (Mirabel)]
A hurricane of jacarandas (Whoo!)

咲き誇る ジャカランダ(ほー!)

Strangling figs (Go!)
ツタや(そう!)

Hanging vines (Grow!)
ブドウ(うわお!)

ハリケーンのようなジャカランダの嵐(うぉー!)
絞め殺しの木(行け!)
ぶら下がる葡萄のつる(育て!)

Palma de cera fills the air as I climb
And I push through
ヤシの木は空高く 突き抜ける

空を埋め尽くすロウヤシ
わたしが上まで登り遂げる

 

[Mirabel]
What else, what else?
いいね 次は?

他には? 他には?

 

[Isabela (Mirabel)]
What can you do when you are deeply, madly, truly in the moment?
深く本気の今の思い咲かせて

何ができる? 狂ったように心の底から深くこの瞬間に集中したら

(Seize the moment, keep goin')
(咲かせて みせて) 

(この瞬間を掴んで 掴み続けて)

What can you do when you know who you wanna be is imperfect?
But I'll still be okay
完璧じゃない生き方求めても 私は私

何ができる? なりたい自分が完璧じゃないとわかってたら
しかも それでいいんだと わかってたら

 

[Mirabel]
Hey, everybody clear the way,  Whoo!
そう あなたはあなた ふぉー!

さあ みんな 道を開けて!

[Isabela (Mirabel)]
I'm coming through with tabebuia
新しい生き方

さあ私が通るよ タベブイアの花咲かせながら

(She's coming through with that booyah!)
(新しい生き方)

(彼女が通るよ めっちゃかっこよく決めながら!)

Making waves (Making waves)
きっと(きっと)
波を起こしながら (波を起こしながら)

Changing minds (You've changed mine)
あるわ(あるわ)

心を変えながら (私の心も変えてくれた)

The way is clearer 'cause you're here, and well
I owe this all to you
What else can I do?
あなたがいれば見える この道こそ 私なの

あなたがそばにいるから 道は開けたの
これは全部あなたのおかげ
ほかに何ができるだろう?

 

[Mirabel]
Show 'em what you can do
すべて 見せて

見せつけて あなたにできること

[Isabela]
What else can I do?
私 もっと

ほかに何ができるだろう?

[Mirabel]
There's nothing you can't do
すべて できる

あなたにできないことなんてないよ

[Isabela]
What else can I do?
できるはず

ほかに何ができるだろう?

 

 

あまりすぐに書けないかもしれませんが、他のナンバーもぼちぼち対訳つけて記事にしていこうと予定しています。

 

 

そのほか、劇団四季版『アナと雪の女王』の歌詞も書き起こしして、アニメーション版の吹替歌詞と比較していたりします。👇👇👇

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ネタバレあり ディズニー【ミラベルと魔法だらけの家】初見の雑感

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はじめに

ゆっくり分析したり考察してる時間がいまないので、今日は短めに。ただ、初見の感想は二度と帰ってこないので、少しだけ書き留めておきたいと思い、帰宅(厳密には家に戻ってないけど)後すぐに書き始めました。

ネタバレありです。

 

端的に先に申し上げましょう。

ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの長編アニメーション映画として、記念すべき60作品目にふさわしい出来だったといえるでしょう。
子どもたちにもあいされるであろう魅力的でカラフルな画作り。
キャッチーでラテンのスピリットの宿った、ライミングの気持ち良いリン・マニュエル・ミランダの音楽と歌詞。

ストーリーとしても移民1世が抱える複雑な心境と、2世・3世との世代の違いによる心境のズレを捉えつつ、ピクサーや昨今のディズニー作品に疑問を投げかけながら、描きこぼされてきた部分をしっかりつつみこむ、いろいろなことに真摯に向き合った作品でした。

日本では残念ながらあまり商業的な期待がされていないようですが(なんなら配給をしているウォルト・ディズニー・ジャパン自体すらも)、作品としては(もちろん完璧ではないものの)素晴らしいできですので、是非劇場に足を運ぶべき一本だとつよくおすすめできます。

 

それではもう少しだけ詳しく。雑感を。

『モアナ』以来 5年ぶりの新作ミュージカル 

ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの作品としては、コロナ禍の大惨事になった『ラーヤと龍の王国/Raya and the Last Dragon』 以来の公開となった『ミラベルと魔法だらけの家/ENCANTO』。

ミュージカルとしてはコロナ直前の『アナと雪の女王2/FROZEN II』以来ですが、続編をカウントしなければその前のミュージカルアニメーション映画は2016年の『モアナと伝説の海/MOANA』以来ですし、作曲のリン・マニュエル・ミランダもWDAS的には『モアナ』以来のカムバックです。

Tangled(2010), Winnie the Pooh(2011), Wreck-It Ralph(2012), Frozen(2013), Big Hero 6(2014), Zootopia(2016), Moana(2016), Ralph Breaks the Internet(2018), Frozen II(2019), Raya and the Last Dragon(2021), Encanto(2021)と、2作に1本ほどのペースでミュージカルがきていて、結果としてはTangledのみアラン・メンケンが、 PoohとFrozenシリーズをロペス夫妻が、それ以外をミランダ氏が担当している感じになっています。

 

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プリンセスの文脈でみると?

特に、広義の「プリンセス」を扱う作品だけ取り出すと

50作品目のTangled(2010)はメンケンの作曲だったことからもわかるように、まさに第二黄金期のプリンセスたち(アリエル以降)の総集編(の初3DCG版)プリンセスでした。
その後は、Wreck-It Ralph(2012)、Frozen、Ralph2と(1)意識的にメタ的に従来のプリンセス像を脱構築する作品や、
(2)ムーランやポカホンタスで十分なし得なかった部分を「やり直し」ている Moana、Raya、Frozen2などといった作品が続いています。

本作、Encantoはその両方の流れを統合させたものとして位置づけられるでしょう。

制作陣をみてもそれは当然です。本作の監督はバイロン・ハワードとジャレド・ブッシュで、ハワードはボルト、ラプンツェルズートピアの監督。ブッシュはズートピアの共同監督と脚本を担当しています。ラプンツェルから10作品目にあたりますし、監督がズートピアなどを通していろいろ試したことを完全新作のプリンセスものに反映したといっても良いかも知れません。

 

ミラベルは決して身分的には「お姫様」では有りませんし、舞台は王国でも有りません。時代もハッキリ描いてはいません。そしてなにより「おとぎばなしフェアリーテイル」ではありません。もちろん、魔法は出てきますし、ミュージカルでありますから(90年代の)「ディズニーらしさ」満載に感じる作品になってもいます。

とはいえ、コロンビアが舞台で、50年前に何らかの侵略・侵攻でミラベルの祖母が故郷を追われたところから話が始まります。
フェアリーテイルではない、等身大な人間たちのドラマであり、これはどちらかというとピクサーがこれまで得意としてきたエリアでした。

しかしストーリーやキャラ造形(外見も内面も)をみれば明らかなように、明らかにプリンセスの文脈に据えられる作品です。

ルッキズム的でこんな言い方はしたくないのですが、WDAS作品の主人公としては、もっともメリダに近いみためのキャラクターでしょう。
彼女の「赤髪」とはわけが違いますが、それでも顔の形やカーリーな髪の毛、メリダには有りませんでしたがメガネをかけている見た目というのは明らかに意図的にこれまでなかったものを作り出そうとしている意図を感じさせます。

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そして女性版マウイやラルフのような怪力姉さんルイーサと、ラテン系ラプンツェルのような花咲姉さんのイザベラは、どちらも非常に戯画的で、どうなってるんだろうか?と正直ポスターを見ていた段階では非常に不安でした。

しかしこれらの戯画化は意図的に行われているもので、物語の中で脱構築されることが前提となったあえてのステレオタイプ的なキャラ造形(これは外見の話)だったことは、映画を見れば明らかですね。もちろんこれがズートピアで行われた各キャラの描かれ方と類似していることは言うまでもありません。

ルイーサは、長女としてできないことはないという扱いを受ける重圧こそが彼女の怪力に反映されていて、また完璧に華を添える女性としての美人な次女としてしか見られないイザベラももっと多様なことにチャレンジしたいと思っているその様子はまさに従来型プリンセスの文脈を継いでいます。それまでのプリンセスの総決算として作られたラプンツェルに衣装のカラースキームや造形がにているのは偶然ではないでしょう。

ピクサーブラッド・バードのインクレディブルズでは、家族内の特徴、おちつきのない少年、ひっぱりだこで柔軟なお母さんなどステレオタイプをそのままビジュアルとスーパーパワーに反映していましたが、本作ではむしろ他社からの期待がビジュアルとスーパーパワーに反映されているというところが、アルシュのアンチテーゼになっていたようにも感じます。

二人が「自分らしくいられない」と感じる「おしつけられた期待」に答える姿は、まさにエルサそのもので、特に魔法をもっているがゆえに頼りにされすぎて過労になっている姿は、スピンオフの絵本描かれていたエルサ以外のなにでもありません。(まあそれらのスピンオフ本の話はおそらく多くの人達には届いていないでしょうが)

少なくともアナ雪1の最後にしめされたエルサの「居場所」は、公共事業としてのスケートリンクをつくる労働でしたから、まさにルイーサはあの先エルサが魔法の力を「利用」されつづけたらどうなるかの未来として描かれているようにも読めました。

イザベラについては、劇中描かれたとおりですので、特に詳細に言及はしませんが、まさしく実は自由を求める「プリンセス」です。その彼女に気づきをもたらすのは男性ではなく、力を持たない妹のミラベルであるというところは、劇中で既にネタとしていじられていたようにまさしくエルサとアナの関係性を重ねている部分とも言えるでしょう。(もちろんエルサは結婚を強いられませんが)

両者のキャラそれぞれに書かれていた、期待される完璧な女性を求められることに苦しむミュージカルナンバーは、ミランダのデビュー作品「イン・ザ・ハイツ」をみている人には馴染み深いものだったはずです。いかにもミランダの作品に登場するキャラらしさが出ていたと感じたひとも少なくないでしょう。

 

ピクサーリメンバー・ミーと比較すると?

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本作は中央アメリカ、ラテンアメリカを舞台にした作品の一つであることは誰にでも分かるように描かれており、当然作る側も見る側もメキシコの死者の日を描いたピクサーの『リメンバー・ミー/COCO』を意識しないわけが有りません。
ストーリー的にも、家族の中の世代を超えた確執というテーマでドンピシャにかぶって、いや、かぶせてきています。

 

ここで詳しく書きませんが、リン・マニュエル・ミランダはプエルトリコにルーツを持ちながらニューヨークで生まれ育った自身の立場性を色濃く反映させた作品を手がけてきており、その中では移民の子孫として生きる人の世代間の想いのぶつかり合いや、居場所についての問題提起が数多くなされています。このあたりは特に最近映画にもなった『イン・ザ・ハイツ』を参照してください。

彼とディズニーの関わりとしては『モアナ』があったわけですが、当然彼は自分自身のルーツを反映させた作品を作りたかったでしょうから、ENCANTOの制作過程にも(アナ雪のロペス夫妻並みに)色濃く影響を及ぼしていることが予想されます。このあたりはまだ舞台裏が公開されていないので不明ですが、楽しみですね。

特に、COCOと比較した際に見えてくることは、人間関係の修復の描き方の丁寧さです。もちろん本作も、橋田壽賀子のドラマのようにころっと考えが変わったように見えてしまうシーンもなくもないので完璧では有りませんが、少なくともすべての悪の根源であるデラクルスを登場させてやっつけることですべて解決してしまったCOCOよりは誠実さの感じられれる展開でした。

これまでヴィランに頼りすぎてきたWDASは、2016年の56作品目のモアナを皮切りに、シュガー・ラッシュ:オンラインとラーヤにおいても明確なヴィランはおかずに来ていました。

アナ雪2でも、既に死んでいる祖父がヴィランとして描かれたわけで実際に登場人物の中に悪意を持った人が敵対するというよりはむしろ、現在の自分達の選択を考えさせられるという葛藤の根源として描かれたまでだったので新しかったとは言えます。

ラーヤでは、「病気」とされるものが「悪」になっていましたが、もちろん人ではないものの怪物のようなものが存在しているという設定はあるいみでヴィランを想起させるものでした。

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その点、本作ENCANTOには、まったくそのようなヴィランらしさを感じさせるものが登場しません。もちろん、おばあちゃんたちを故郷から追いやった征服者たちは当然悪役ですが、ミラベルの物語にはほとんど関係しません。

主人公ミラベルと対立するのは、家族を守るためといってプレッシャーを与え続けていたおばあちゃん自身です。しかし彼女もふつうに視聴していてヴィランらしさを感じることはなく、ただただ人間ドラマとして現実味のある対立であると感じられる描き方でした。

なんなら、み終わってこの感想を書き始めるまでヴィランのVの字も頭をよぎらないくらいに「自然に」ヴィランという概念を消し去っていたのではないかと思います。

 

ピクサーは、自分自身の選択の結果ありえた姿、もう一人の自分として、極悪人のヴィランを「サプライズヴィラン」として登場させることがいつしか「定番」となってしまいました。

当初は、世界征服を狙う極悪人や、主人公の命を狙う魔女 のような非現実的な、意図を持った絶対悪を描く「ディズニー作品」に対するアンチテーゼのように新しさを見せていたのでしょうが、むしろその描き方すらチープに感じられるようになってきた現代。

本作で描かれたミラベルと祖母の対立は、COCOでミゲルと音楽禁止のおばあちゃんの対立を、ミゲルが起こした音楽の軌跡とその軌跡を阻んでいた絶対悪のサプライズヴィラン、デラクルスのせいということで解決させてしまった雑な描き方に対する問題提起になっていて非常に良質だと思いました。

 

また、「魔法が戻ってしまうエンド」は、2016年のモアナのマウイや、ラプンツェル・ザ・シリーズの件以来いろいろ思うところはあるのですが、今回のは非常に納得の行くエンディングだったように感じました。

 

ラーヤより遥かにビジュアルがキャッチーでカラフルですし、ミュージカルなので、子どもたちの評価も高いのではないか?と期待されますし、この良質な60作品目が日本で記憶の闇に葬られることのないよう祈りつつ、閉じたいと思います。

 

冒頭で手短にといったのに、結局5000字書いちゃいました笑

 

あ、ちなみにアナ雪ネタのうちの一つは、英語でないと存在しない部分があるので、ぜひ吹き替えでなく原語版での鑑賞をおすすめします。

(吹き替えの方のサントラも聞いたところ、それもそれで非常によかったですが!)

 

追記:アルマおばあちゃんについてふせったーで書いたので こちらにも追記しておきます。

https://twitter.com/westergaard2319/status/1464597129729830912?s=20

本作の監督バイロン・ハワードは、ラプンツェルの監督もしていた。
イザベラがラプンツェル脱構築なのはみんな言ってる通りなんだけど、
アルマおばあちゃんは、マザーゴーテルのやり直しだと思うんよね。

マザーゴーテルは、自分の手にした「ギフト」である若返りの「魔法の花」としての機能のために、ラプンツェルを所有物として扱っていた。彼女に対して人権の尊重はないから、当然彼女の望みどおりに行動させたり、自由にさせることはない。

アルマおばあちゃんは、自分の家族を守るために、子どもたちに「ギフト」としての魔法を授けられた。
アルマおばあちゃんはマザーゴーテルとおなじで自分自身にスーパーパワーがあるわけではない。
家族を守るためであった「ギフト=魔法」なのに、そこが逆転して、ギフト(それがあることで権威になるから)のために家族がいるという状態になってしまう。
当然ギフトを持っていないミラベルのような人を大事にしないし、権威を傷付けかねないブルーノを追放したりする。
同時にパワーを持っている人たち(=家族であるルイーサやイザベラたち)の「自由」を奪い、ツール化/所有物化してしまっている。
まさしくゴーテルだ。ゴーテルがラプンツェルを「愛した」のは、そのツールとしての価値のためであって、アルマおばあちゃんの家族に対する「愛」もそれだった。
アルマおばあちゃんとミラベルの「ハグ」が、アンサーとして示されたのはそれこそが「真実の愛のハグ」。
アナ雪で「異性愛のキス=真実の愛」と思わせて、「じゃなく姉妹愛でした」っていう展開をパロって、「姉妹愛のハグ=真実の愛」と思わせて、「じゃなくておばあちゃんの子どもたちへの"真実の愛"」こそがアンサーでしたっていう二重の構造なのだろうと。

また、パワーのために、目的と手段が逆転してしまうというのはまさしく、愛する人を守るために力を求めたアナキンが、力のために愛する人たちを苦しめてしまっているダースベイダーになってしまう展開と重なる。ダースベイダーは結局目の前で自分の息子が苦しんでいるのを見てそれに気づきライトサイドに戻ってくる。
アルマおばあちゃんも、目の前で苦しんでいるミラベルをみて「ライトサイド」に戻ってくる。

なのでENCANTOは、アルマおばあちゃんこそが物語の主人公で、ダース・ゴーテルからライトサイドへ帰還する話だ。(雑だけど結構本気)

 

 

 

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11/21【ジョン・ラセター セクハラ告発4周年記念】当時の記事を振り返る特集

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はじめに

本日2021年の11月21日は、ピクサー・アニメーション・スタジオとウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの双方の「最高クリエイティブ責任者(Chief Creative Officer)」を2006年から2018年までの間勤めたジョン・ラセターがセクシュアル・ハラスメントにより告発された日から4周年を迎える日だ。

当ブログでは、この4周年を記念して、2017年11月の告発当時の Vanity Fair の記事を3本、全文和訳して紹介したいと思う。

事情を詳しくご存知でない方に少々全体像を説明すると、次のようになる。
ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオでアニメーターの職に付き、CGのアニメーションに可能性を感じてCG映画のプロジェクトを提案し取り組んだジョン・ラセターは、CGに仕事を奪われることを恐れた一部のアニメーターたちの反感を買いスタジオを追い出された。そして出会ったCGの技術開発者エド・キャットマルによって招待されてラセターが入った会社は、後にアップルコンピュータを退社したスティーヴ・ジョブズによって買収され「ピクサー」となった。そのピクサー黎明期から携わり、1995年公開の世界初のフルCGの長編アニメーション映画『トイ・ストーリー』の監督として名を挙げ、その後も最前線を走り続けた彼は、2006年のディズニーによるピクサー買収の結果、かつて彼を解雇したウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオとピクサーの両スタジオのアニメーションに関する全ての作品を監修し、そのクリエイティブな責任を負う立場となった。2013年の『アナと雪の女王』や2014年の『ベイマックス』、そして2016年の『ズートピア』と次々にヒット作をだし、ディズニーも生き返らせたかれは「現代のウォルト」と呼ばれ崇められた。

 

ニューヨークのブルックリンを拠点に性被害者を支援するアクティヴィストの黒人女性、タナ・バークが2006年から行ってきた活動のスローガンが「Me Too」であったが、2017年10月、ハリウッドの映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインによるセクシュアル・ハラスメントが公にされたことをきっかけに、俳優のアレッサ・ミラノの呼びかけによってソーシャルメディア上でのアクティヴィズムとしての「#MeToo運動」が加速した。

その流れの中で2017年11月にジョン・ラセターの長年のセクシュアル・ハラスメント等の不適切な行動が告発されたのだ。子ども向けのコンテンツの制作会社として、世界的に覇権を持つディズニーとピクサーの双方を統括する男性がそのような告発の対象となったことは世界に衝撃を与えた。

本記事の以下の部分においては、Vanity Fair が2017年11月21日当日とその翌日に公開した3つの記事を、当ブログ筆者の @westergaard2319 が和訳して紹介する。当時これらの記事を読んだ人は、四年前のことを思い出しながら、読んだことがない方は今この機会にぜひ目を通していただくことで、ピクサーやディズニーのこれまでの作品やこれからの作品に対して自分達がどのように向き合っていくべきか、子どもに見せる際にどのようなことを対話していくべきかについて考えるきっかけになるのではないだろうか。

 

記事1

Pixar's John Lasseter Takes a Leave of Absence After Citing "Missteps" in Vague Memo
ピクサーのジョンラセター休職に  曖昧な「あやまち」に関する社内連絡の後で
--The Pixar co-founder allegedly had a pattern of misconduct.
ピクサーの共同創設者が度重なる不適切行為で告発される
By LAURA BRADLEY (2017/11/21)

 

ディズニー・アニメーションの指導者にしてピクサーの共同創設者であるジョン・ラセターが休職することになったと。最高クリエイティブ責任者(CCO)である彼は、このことを火曜日に同僚に向けた社内連絡で明らかにした。
トイ・ストーリーモンスターズ・インクなどの映画でコンピュータグラフィックスによるアニメーションを普及させることに貢献したラセターは、自身が休職する正確な理由を曖昧にしたが、自身の指導者としてのあり方に「あやまち(missteps)」があったことを言及した。
彼には自身の不在を永続化させる意図はなく、6ヶ月以内に復帰することを誓った。
「私は我々のアニメーションスタジオが、クリエーターたちが他の才能あるアニメーターやストーリーテラーのサポートや協力のもとで自身の理想を探求しできる場所になることを常に望んできました。」とラセターは今回の社内連絡に書いた。
「この種のクリエイティブなカルチャーを維持するためには絶え間なく警戒し続けることが必要です。それは信頼と尊敬に基づいてつくられていて、そのチームの構成員が自分を大切にされていないと感じたら脆くなります。そうならないようにすることがリーダーとしての私の責任でありますが、現在私はこの点において力不足であると自覚している。」

 

 

記事2

Disney and Pixar Employees Detail Life with John Lasseter: Strip Clubs, Close Hugs and "Boxers or Briefs?"
ディズニーとピクサーの従業員がジョン・ラセターとの生活についての詳細を語る:ストリップクラブ、しっかりめのハグそして下着?
--John Lasseter is one of the most powerful figures in animation-nothing short of a living legend. With the 60-year-old taking a leave under the cloud of admitted "missteps," past and present employees of the company are telling their stories.
ジョン・ラセターはアニメーション業界における最も権力のある人物で、まさに生きているレジェンドにほかならない。この60歳が「あやまち」の疑いが立ち込め休職する中で、当該企業のかつてのそして現在の従業員たちがそれぞれの話を語っている。
By REBECCA KEEGAN AND NICOLE SPERLING (2017/11/21)

 

2010年3月、またしてもディズニー傘下のピクサー・アニメーション・スタジオが勝利を手にしたアカデミー賞授賞式の数日後、その最高クリエイティブ責任者であるジョン・ラセターは、ディズニーとピクサーの重役たちの間でやりとりされた緊迫した通話での話題になっていた。このことをVanity Fairにある情報筋の人が最近告げてくれた。
ピクサーウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ(WDAS)の社長エド・キャットマルや、WDASのプロダクションチーフのアンドリュー・マイルステイン、ディズニーの広報担当チーフであるゼニア・ムッチャや他数名を含むグループでの会話の中で、アカデミー賞のパーティでのラセターのふるまいについて話し合いがなされた。
伝えられたことによれば、そこでラセターはディズニーの女性従業員にフレンチ・キスをし、身体を愛撫したという。(その従業員は既にディズニーを去っていて、複数回にわたりコメントを求めたが返答してきていない。)
「その通話での話題は、「まじかよ、ジョンのことどうする?」だった」とその通話に参加していた関係者の一人がVanity Fairに告げた。
「ラセターは、常に監視しし続けなくてはならない、すぐにムラムラする(crazy-horny)13歳の少年なんです。しかしながら、ジョンにとって代われるナンバーツーはいません。彼がディズニー・アニメーションとピクサーの生きた心臓なんです。ほんとうに天才で、彼のやることは他の誰にもできないんです。」
ラセターは60歳の既婚者で、彼には5人の息子たちがいます。彼は20年以上にわたって、アニメーション業界の第一人者であり続け、次世代のウォルト・ディズニーだと例えられてきた。そしてアロハシャツと元気いっぱいのハグ、子どものような熱意でよく知られている。ピクサーの最初期の従業員のひとりとして、クリエイティブで商業的な強豪へと会社を成長させることに貢献し、最初の長編映画トイ・ストーリーを監督した。2006年にディズニーがピクサーを全株式取引により74億ドルで買収した時、ラセターはWDASでもリーダーシップを発揮することを期待され、実際にスタジオをルネッサンスへと導いた。
 

記事3

Pixar's Had a Problem with Women for Decades
ピクサーは数十年に渡り女性に関する問題を抱えてきた
--Now that John Lasseter has stepped away from the animation studio he built, following allegations of misconduct, it's time to take a second look at his boys' - club legacy.
ジョン・ラセターが、訴えられた不適切行為によって自身の創設したアニメーション・スタジオから退いた今、彼の「男性限定クラブ」の残した遺産について再考する機会がやってきた。
By YOHANA DESTA (2017/11/22)
 
火曜日、名高きアニメーション業界の指導者ジョン・ラセターは自身が数十年にわたって舵取りしてきたアニメーションスタジオであるピクサーを一時的に休職することを明らかにした。彼は"missteps" といって休職の理由をぼやかしたが、長年に渡る女性従業員への性的な職権乱用をしていたという話がすぐにメディアへと伝えられた。ひとつ前の記事にあるように「ラセターは常に監視しし続けなくてはならない、すぐにムラムラする(crazy-horny)13歳の少年」だと、内部の人間がVanity Fairに告げた。
別の関係者は、ラセターの非難の対象となっている行為が女性の同僚にも向けられていたと述べた。「そこにただいるだけで、女の子として扱われるんです」と元従業員は語る。
「こうして自分の立場を最小限のものへとされるんです。ピクサーで多くの女性がクリエイティブな面で成功していないのには理由があるんです。」
 
この企業の有毒とされる環境についてはより一層掘り下げる必要があるかもしれないが、これらの最初の主張は、ピクサーの評判とスタジオの女性アニメーターたちに対するサポートの歴史的な欠如と、女性主人公の物語に光を当てた。ラセターの事例によってあきらかになるように、ピクサーは長年ずっと古典的な「男性限定の社交クラブ(boy's club)」なのだ。
この2011年の Espuire に書かれたラセターのプロフィールは、打ち解けた男性中心の雰囲気であることに関してスタジオを称賛している。
 
火曜日にHollywood Reporterが、ラシダ・ジョーンズとウィル・マコーマックの脚本家ペアがトイ・ストーリー4から退いたのがラセターがジョーンズに対して「望まない誘いかけ」をした後であると主張した。
しかしジョーンズとマーコックはすぐにその主張を誤りだとする声明を出したと共に、これをピクサーの抱える表象に関するより大きな課題について指摘する好機であると捉えていることを明らかにした。
「私たちがピクサーを去ったのは望まない誘いかけによるものではなかった。それは真実ではありません。私たちはクリエイティブな、また何よりも重要な哲学的な相違からピクサーを去ったのです。」と彼らはThe New York Timesへの声明の中で言及した。
ピクサーにはたくさんの才能の持ち主がいて、私たちも彼らの作品の大ファンであり続けることに変わりはない。しかし、そこの文化では女性や有色人種の人たちがクリエイティブな面において同等な発言権を持てていない。」
 
またジョーンズとマコーマックが、この問題を取り上げた最初の二人というわけではない。ピクサーは1995年以来19本の映画を公開していますが、女性の主人公を物語の中心に据えられているのはそのうちのたった3本(『メリダとおそろしの森』『インサイド・ヘッド』『ファインディング・ドリー』)だけです。(インクレディブルズの内の二人も女性だが、どちらも作品のスターではない。)
New Statesmanが指摘するように、ピクサーの作品を通して109の主要な脚本のクレジットが存在しているが、女性や有色人種はそのうちのたった11人だけです。
 
 
女性キャラクターに焦点を当てた物語でさえ、その舞台裏では問題を抱えています。特に、結婚を望まないスコットランドのプリンセスについてのピクサーの映画『メリダとおそろしの森』で顕著であった。これは、女性キャラクターを主演させた最初のピクサー映画であり、同時に女性が監督した最初のピクサー映画でもあった。監督のブレンダ・チャップマンは、物語自体も自分で創り上げた。チャップマンは2015年、BuzzFeedに対し、2003年にピクサーへ入社した当時のスタジオのストーリー部門には女性が一人もいなかったと語った。彼女は自身がカーズの深みのない表面的な女性キャラクターを「修正」するために雇われたと言ったが、彼女の努力が意味のある効果を発揮するにはほど遠い作品であった。その後まもなくチャップマンは『メリダとおそろしの森』のプロジェクトに着手した。
 
制作の途中でスタジオはチャップマンを解雇し、クリエイティブ的な相違を理由に彼女をマーク・アンドリュースと置き換えた。この決定はアニメーション業界のある内部関係者に衝撃を与えた。「私からみれば、彼女は男性の監督とまったく同じように振る舞うこともできただろうが、それは違ったやり方で行われただろうと思う」と元ピクサーのアニメーター、エマ・コーツはBuzzFeedに語った。「とてもイライラさせる話です。こう実感して、誰もいないことに気づいたんです。ブレンダがいなくなった今、私が尊敬できるひとは誰もいません。男たちの真似をしたところで、彼らが得られるものと同じ結果を私が得られるようにはならないのです。」
 
「これ(『メリダとおそろしの森』)は私が創り上げた物語であり、女性であり母としての非常に個人的な立場から生まれてきたものでした」とチャップマンは映画の公開後にThe New York Timesに寄せたエッセイに記している。「それを取り上げられて、ダレカ別の人に渡されることは、とてもいろいろな度合いにおいて本当に苦痛なことでした。」
 
彼女は続けて「ハリウッドのボーイズクラブ」に立ち向かったにもかかわらず、物語に対する彼女のビジョンが結局実現することになったのだと言及した。
「時々、女性がアイデアを表に出すと撃墜されますが、本質的に同じアイデアを男性が表現しただけでそれが広く受け入れられるということがあります。」と彼女は書いている。「高い地位に十分な数の女性幹部がいるという状況になるまで、こういったことは起こり続けるでしょう。」
 
メリダとおそろしの森』以外では、ピクサーはたった2つの他のものがたりにおいてしか女性の主人公は描かれていません。ひとつは自分の感情を受け止められるようになる少女についての心温まる長編作品『インサイド・ヘッド』、そして『ファインディング・ニモ』の大ヒットした続編である『ファインディング・ドリー』だ。
 
それでも、チャップマンは部分的であったとしても、ピクサー映画を監督した経験のある唯一の女性である。『インクレディブル2(後の『インクレディブル・ファミリー』)』や『トイ・ストーリー4』など、スタジオの今後の映画には女性の監督がついていません。2015年に、ラセター自身が直接スタジオの性別や人種の平等の欠如について直接取り組み、スタジオが「女性や多様なエスニシティのキャラクターたち("female and ethnic characters")」の映画をより多く製作していくと約束していたにもかかわらずである。
 
「私たちが取り組み始めた時、アニメーションのせかいは概して男性によるものでした」と彼は言った。「しかし、より多くの女性やより多くの世界中からの人々がこの業界で働き始めてきたのを見てきました。これはとても刺激的(エキサイティング)なことです。」
 
しかしながら、今回のラセターに対する新たな申立は、なぜアニメーションが、特にピクサーが、「概して男たちによるもの」でありつづけたのかについていくつかの理由をほのめかしている。仮に従業員や元従業員の言っていることが真実なのだとしたら、スタジオは確実に女性アニメーターやクリエーターたちにとって居心地のよおい環境であるようには思えない。T.H.R.の報告によると、ピクサーの女性たちはラセターからの望まないキスを避けるためには正しいタイミングで顔の向きを変えることを余儀なくされている。また、彼女たちは「ザ・ラセター」という彼が彼女らの脚に手を置かないようにするための動きを創り出したともいう。
 
自身の一時的な休職を公表した社内連絡において、ラセターはそういった特定の申立について対応しなかった。しかしながら彼は、同僚の一部が「軽視され、不快に感じていること」について自覚があることを言及した。また「私は望まないハグや、何らかの方法、形式、やり方での行き過ぎたと感じられたしぐさを受け取ったことがある人に対して特に謝罪したいと思います。」と述べた。
 
 
 
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