ikyosuke 作品分析

映画、ミュージカル、音楽、自分が好きなものを分析して語ります。

*Frozen Broadway* 19. True Love

19. True Love

位置付け

以外にもアナのソロ曲は映画本編にはなく、舞台でもこの一曲だけ。(まあ実質 Do You Want To Build a Snowman? はソロ曲みたいなものだけど、なんかあんまりソロ曲というイメージがない) 

さて、17. Kristoff Lullaby ののちに心を決めたクリストフはアナを抱いて城へ急いでいる中、18. Monster でエルサは自らハンスたちに降伏し、全員が城に戻って来ました。

クリストフはアナを守衛に引き渡すと、映画と同じように、スヴェンが無言でこれでいいのか?と問います。しかしクリストフは、「We DID the right thing.」と言い聞かせるように言って、アナを残してさって行きます。背景にはクリストフとアナのデュエットソング What Do You Know About Love? のメロディが寂しく演奏されています。

続いて氷かけているアナのいるところへハンスがやって来ます。

アナ: Hans, kiss me! Only an act of true love can thaw a frozen heart.
ハンス: A True Love's Kiss? If only there was someone out there who loved you.
アナ:You said you did!
ハンス:I lied! (←これ映画にないセリフ) As a thirteenth in line in my own kingdom...(以下略)

で、途中から歌に切り替わります。 これはサントラに入っていませんが3度目の「ハンスの歌」リプライズ

 

 

アナ: Hans, kiss me! Only an act of true love can thaw a frozen heart.
ハンス: A True Love's Kiss? If only there was someone out there who loved you.
アナ:You said you did!
ハンス:I lied! (←これ映画にないセリフ) As a thirteenth in line in my own kingdom...(以下略)

で、途中から歌に切り替わります。 これはサントラに入っていませんが3度目の「ハンスの歌」リプライズ

[Hans]

Once I kill Elsa

あとはエルサを殺して

And give you this ring

君にこの指輪をやれば

I'm King Hans of Arendelle

僕はアレンデールのハンス王だ

 

短すぎるのでCDに入らなかったのだと思いますが、コレ結構大事だと思っていて、
1回目 (5. Hans of the Southern Isles)Just Hans of Southern Isles

2回目 (12. Hans of the Southern Isles (Reprise))Prince Hans of Southern Isles

3回目 (無題だけどつけるなら (Rperise 2) ってとこ)King Hans of Arendelle
このように、回数を経るごとに、ハンスのアレンデールにおける立ち位置が変わって行く。しかもすべて自分からの「名乗り」であるというところがポイントで、それが同じメロディに乗せて歌われることで、どういう風にハンスが自身の位置付けを変化させていっているかがちゃんと描かれています。このあたりぜひ書籍『Frozen Heart』のハンスパートと並行してみていくと面白いです。

 

そして、ハンスが部屋に鍵をかけてアナを閉じ込めるとすぐに、ピアノのイントロが始まります。

 


Patti Murin - True Love (From "Frozen: The Broadway Musical" / Acoustic)

 

 

歌詞と対訳

 

[Anna] 

I've sat alone in this room before

前にもこの部屋に一人ぼっちで座ってたわね

Hours and hours on end

何時間も何時間もずっと

I know this delusional wish 

わかってる これは間違った希望だって

The door would open to reveal a friend

ドアが開いてそこに友達が現れるだなんてことは

 

 

I know this solitude

わかってる この孤独

I know this kind of cold

わかってる この種の寒さ

But I had faith in what the stories told

それでも私は信じてたの 語られる「物語」を

Of true love

真実の愛の物語

How I'd find true love

どうしたら真実の愛なんて見つけられるんだろう

 

 

And here I am in this room again

そうして再びこの部屋にいる自分

Just as lost and small

喪失感にみまわれ、縮こまってる

That lonely girl with a desperate heart

絶望している孤独な少女

Is who I am after all

結局のところ それが私

There's no escaping her

そこから逃れる道はなく

But now the dream is gone

でも今や夢も敗れ

Because I spent a lifetime counting on

だって私はそれだけを頼りに人生を過ごして来たんだもん

True love, true love

真実の愛

 

 

I was looking for a fairytale

私がみつけようとしてたのは「お伽話」

And dove headfirst into his

それで軽率にも彼の腕に真っ先に飛び込んだの

Turns out you can't find love

わかったの 愛は見つけられないんだって

If you don't know what it is

愛が何かもわかってないんだったら

 

  

 

And now it's clear

でももうはっきりわかった

I'll never leave this room

私はこの部屋からも出られないってこと

It ends as it began

私の人生はこうして終わるの、はじまりと同じように

With no one but myself to blame

責められるのはたったひとり自分だけ

I played my part in the play

私は自分の人生という劇の中で 自分の役割は演じきったわ

Dreaming got me here

夢みてたせいで こんなことになったの

And yet the dream won't die

でも それでも夢は完全にはなくならないの

I can't wish it away

どこかへ消し去るなんてできないの

No matter how hard I try

どれほど頑張って消そうとしても

True love

True love

True love

真実の愛

 

 

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Ralph Breaks the Internet (シュガー・ラッシュ・オンライン)考察 [ネタバレあり]

概要

この記事では、『Ralph Breaks the Internet(邦題:シュガー・ラッシュ・オンライン)』のネタバレを含みながら、そのストーリーをディズニーの「プリンセス・ストーリー」という文脈に位置付けた時にどのようにアップデートされているかを分析・考察していきます。

 

分析のアウトライン

1)友達(親友・バディ)像

  • 「信頼」があれば、離れていても大丈夫

  • 夢を応援してくれない、相手を束縛するのは「友情」じゃない

2)プリンセス像

 書き換えられる部分

  • 「夢」は変更していい

  • 「ホーム」には帰らなくてもいい

 温存される部分

  • 自分のハンドルは自分で握る:「夢=自由」

  • 「I wish song」を歌う でも歌えるのは自分の心からの望みだけ 与えられた使命ではダメ(Moana)

3)ヒーロー(=BIG STRONG MAN)像

  • 「You’re welcome」は危険のサイン(Moana)

  • 常に相手を幸せにするのが自分の役目だなんて勘違いすべきではない

4)ヴィラン

  • 誰もがヴィランに成りうる(Frozen・Maleficent)

  • 物語の構造としても「ヴィラン」は出てこない世界観(Moana)

5)魔法使い像

  • 衰退する「魔女」「魔法」「真実の愛のキス」(Brave・Frozen)

  • 都合のいい「魔法のような手段」は存在しない→問題には自分で地道に向き合うこと(Brave・Frozen)

 

(物語の大筋を既にご存知の方は、スクロールしていただいて「続きを読む」以降の分析のみお読みいただくこともできます。)

 

物語の大筋

まずはざっくりとストーリーを3幕に分けて、それぞれの段階でのラルフとヴァネロペの軸となる思考をまとめると次のようになります。 

初期状態

ラルフ:「ヴァネロペが一緒にいてくれれば他には何もいらない」<ヴァネロペ依存症>

ヴァネロペ:「シュガーラッシュは退屈、もっと自由で刺激のある新しい世界に行きたい」<典型的なプリンセス願望> 

ACT1

ラルフ:「ヴァネロペを喜ばせるにはハンドルを手に入れるしかない、そうすれば元の生活と元のヴァネロペが戻ってくるはず」

ヴァネロペ:「自分のホーム(=シュガーラッシュ)、自分のあるべき姿(=レーサー)を取り戻すためにハンドルを手に入れなきゃ」

ACT2

ラルフ:「ヴァネロペを喜ばせるにはハンドルを手に入れるしかない、そのためならどれだけ痛い目にあっても、どれだけネットで誹謗中傷されても構わない」

ヴァネロペ:「外に広がる広大な自由な世界を知ってしまった、自分の居場所は本当にシュガーラッシュなの?」 

ACT3

ラルフ:「ヴァネロペをシャンクに奪われてちゃう!居場所を勘違いしているヴァネロペを自分が救ってあげないと」

ヴァネロペ:「ラルフには言いづらい、だけど見つけてしまった自分の居場所、もう元いた場所には戻れない」

  

分析のアプローチ

この作品、とにかく扱っているメッセージが多すぎるので自分の中でも要素に分けて整理してみようと思いました。

 

劇場を出た直後のツイートで、私は次のように書きました。

「もともとヴィランズを別視点から見て、再定義しようというとこからスタートしたシリーズ

Ralph Breaks the Internetでは、プリンセス像、ヒーロー像、ヴィランズ像、魔女・魔法使い像といったディズニーが扱うメインのものを一斉に書き換えようという試みに見えた 大革命ではないけど、多分現時点での集大成か」

 

そこで今回は、

メインテーマであり全体を通して描かれる

1)友達(親友・バディ)像

に着目しながら、まずはストーリーをなぞり、その上で

2)プリンセス像(主な比較対象:モアナ)

3)ヒーロー像(主な比較対象:マウイ)

4)ヴィランズ像(主な比較対象:エルサ、マレフィセント、テ・フィティ)

5)魔女・魔法使い像(主な比較対象:『メリダとおそろしの森』の魔女)

がどのように従来の姿から書き換えられているかを分析していこうと思います。

また、描くかとみせかけて描かない、

6)子育てをする「理想の親」像

についても最後に少し触れようと思います。

  

1)友達(親友・バディ)像

- 依存から信頼へ:自分の中の「insecurity」の解消は自分でするしかない -

 

ACT1:

シュガーラッシュで起こることはすべて把握してしまって毎日同じことしか起こらないシュガーラッシュはつまらない、もっと刺激が欲しいと思い始めるヴァネロペ。

一方、悪役としてプログラムされたせいでみんなから嫌われていたが一昨目でヴァネロペを助けたことで、唯一自分を気にかけてくれる親友ができ、彼女と毎日いられるならそれ以上の望みは何もないというラルフ。

コースが3つしかないことに不満を言ったヴァネロペを喜ばせようと、新しいコースを作ったところヴァネロペは喜んだけど、プレイしていた子どもは状況がわからず壊れたと思い強くひねってしまい、さらに取れたハンドルを戻そうとしたオーナーがハンドルを壊してしまう。

ebayに代わりのパーツがあるが生産終了済みの商品のため高値になっており、オーナーはゲームを破棄することに決め、ヴァネロペたちシュガーラッシュの住人は無職かつホームレスに。

つまらなかったとは言え、生きがいだったレースを失い、これから毎日何を過ごして暮らせばいいのか、と途方にくれるヴァネロペ。

一方ラルフは仕事しないで毎日親友の自分と遊んで暮らせるなんてパラダイスじゃないか、と。

ラルフのスイッチを入れてしまうのは、次の会話。

ヴァネロペ:If I’m not a racer anymore, then what AM I?

ラルフ:You’re my best friend!

ヴァネロペ:That’s not ENOUGH!

 

本作のキーワードは「insecure」。この時点でヴァネロペは居場所・ホームを失い、また生きがいであった仕事を失った結果、自分が何者であるかわからなくなっており、未来も見えないため非常に不安定:insecure になっています。

一方ラルフは、現状に満足しないヴァネロペを喜ばせようと思った結果、さらにヴァネロペを追い込んでしまったことに負い目を感じつつも、自分の親友であるだけでは足りないと言われたことで、彼女が何を求めているのか理解できず不安定:insecureになっています。

毎晩仕事帰りにヴァネロペと飲みに行くタッパーのバーでも、タッパーに「Insecure なのはどっちだよ。(むしろお前だろ?)」と言われる始末。

 

「ヴァネロペを喜ばせるにはハンドルを手に入れるしかない」と考えたラルフはヴァネロペを連れて新しく設置されたWIFIルーターを通ってインターネットの世界へ。

ebayに着いた時には、ハンドルの入札終了まであと30秒というところ。金額であることを理解せずにありえない額まで釣り上げてしまったラルフ。落札したものの支払いの手段がない二人は、24時間以内にお金を用意する方法として、ゲームのアイテムを奪ってきて売る商売をしているJPスパムリーのアドバイスで、Slaughter Race というオンラインレースゲームに忍び込み、ボスキャラであるシャンクの車を奪おうとしますが、捕まってしまいます。

シャンクは、ヴァネロペのレースの才能を褒めた上で、ネット上でお金を稼ぐもっといい方法としてBuzzzTubeを紹介してくれます。

BuzzzTubeにおいては、視聴者がハートを送るとそれがお金に換算されるという仕組みになっており、広告収入云々のないシンプルな仕組みになっています。BuzzzTubeのキュレーターを務めるアルゴリズムであるイエスの助けの元で、ラルフが出演する動画を撮り一気に再生回数が伸ばして一晩でハートを集めまくります。

ヴァネロペはそれを助けるために、ポップアップ広告を持って宣伝をして回ることにします。

でもラルフは動画を撮り続けなきゃいけないのでそれは離れ離れになることを意味します。

ラルフが言うには、「僕らは靴と靴下みたいに一緒じゃ無いと成り立たない関係なんだ!」ろ。

ヴァネロペは、「だからこそ一瞬くらい離れても大丈夫なんだ」と主張しますが、それに対しラルフは

「お前は kid (ラルフが通常ヴァネロペに対して使う呼び名としての意味と、子どもという文字通りの意味が重なっている)なんだから、迷子になったらどうするんだ?」と。

ヴァネロペが「じゃああんたは大人なの?」となじるとラルフは「少なくとも大きいし。」と。(BIG STRONG MANのフラグ)

結局イエスが専用のブラウザ(=乗り物)と、連絡を取り合うBuzzzFace?という正方形の折りたたみ式スマホみたいな端末を二人にくれる、ということでラルフは了承。

別れ際に、

ラルフ:We’ve never been a part for 6 years. I’m going to miss you.

ヴァネロペ:You’ll be fine. If your video goes viral we can get home! (この時点ではヴァネロペは、シャンクやSlaughter Raceに惹かれつつも、まだシュガーラッシュに帰ることがゴール。)

ラルフは見送った後で、イエスに行き先を確認するとゲーム地区に送ろうとしていることが発覚。

地図で目に入ったのは紛れもなく「Slaughter Race」。

ラルフは「危険だから」と言って「Family Friendly」なサイトの方がいい、なんなら事実上はプリンセスな訳だしこのお城のマークのとことかどうかな?ということで OhMyDisney.com へ行き先を変更。プリンセスたちの元へ導いてしまったのも実はラルフが原因を作っているという。

 

ここまでが前半。多分時間にしてもここまが半分くらいだったのではないかと思います。

このように本作の前半では、「現状に満足しない」親友ヴァネロペを喜ばせるために翻弄するラルフの姿が一貫して描かれます。

また、ヴァネロペのことを信用していない、一人前の一人の「大人」として扱っていない、どこかで保護してあげなきゃという思いが働いてしまっている様子が上手く描かれます。

ジェンダーも反映されていると思う一方で、いわゆる友達や恋人同士、また親子関係としても当てはまるような多様な読みが可能な描き方になっているのが秀逸。

 

ACT2:

ヴァネロペは OhMyDisney.com でラルフの動画へユーザーたちを導くポップアップ広告を持って宣伝活動をしていると、警備員であるストームトルーパーたちに捕らえられそうになる。逃げ込んだ先はプリンセスの楽屋。

警戒するプリンセスたちに対して彼女は自分が設定上のプリンセスであることを言いますが信じてもらえません、しかし彼女がプリンセスであると認めてもらえた要素が一つだけありました。それは、「力持ちで体の大きい男のおかげで問題が解決したと思われている」ことに対する反発心。

ヴァネロペを受け入れてくれたプリンセスたちは、シンデレラの友達であるネズミたちに頼んでヴァネロペが着ているのと同じ、ガウンよりも着心地の良さそうな部屋着に着替えます。アリエルがこういうシャツが着て見たかったという想いを Part of Your World に乗せて歌うと、スポットライトが当たり伴奏が流れてくるのを見て、ヴァネロペが質問すると、ティアナが「プリンセスが自分の夢を歌う時にはこうなるの」と。

本当に今欲しいものについて歌ってみたらと促されたヴァネロペが「ハンドル(Steering wheel)」の歌を歌おうとしても何も起きない。ムーラン、ポカホンタス、アリエル、モアナ、白雪姫、シンデレラが言うには「重要な水面を見つめていないと歌が出てこないかもしれない」と。

 

一方、イエスと一緒に動画を作り続けているラルフ。あと30分というところでアップロードが止まってしまい、間に合わないかもしれないと思ったラルフは、半ば強引にハートを集めに行きます。その途中で「コメント欄」という場所に足を踏み入れてしまいます。

そこで目にしたのは、ハートの数にも関わらず、「ラルフの動画はアホ」「馬鹿っぽい」「太ってて醜い」などたくさん書かれている誹謗中傷のコメント。

「ネットにおける一番大事なルールはコメントを見ないこと。これはあなたの問題じゃなくて彼らの問題だから(First rule of the internet, DO NOT READ COMEENTS. It’s not about you, it’s about them!)」となだめるイエスに対してラルフは「俺はもともと嫌われ者だったから気にならない。ヴァネロペが俺のことを好き(like)でいてくれるなら、他の人なんていらない。ヴァネロペがくれたこのハート(=「YOU’RE MY HERO」メダル)だけが本当に重要なんだ。(つまりBuzzzTubeのいいね=ハートは手段でしかなく、同様にコメントも別に重要な問題では無い、と。)」

このセリフは一見潔くて美しいようでいて、ラルフの不安定さを非常によく表しています。

「ヴァネロペが好きでいてくれる限り」といいつつも彼の本心は、「ヴァネロペがいつ何時も自分と一緒にいてくれる限り」なのでしょう。

 

この時点でラルフは必要だった額以上のお金をBuzzzTubeを通して稼ぐことを達成。

ヴァネロペにBuzzFaceで連絡を入れると、ヴァネロペは水面に向かって歌が出てくるのを待っているところでした。

嬉しい報告にヴァネロペは一瞬喜びますが、ラルフの「Finally our life goes back to normal!」というセリフで表情が曇ります。

本当に自分が望んでいることはなんなのだろうか、と考えていると自然と歌が口から出て来て、ラルフがなんて言うかは不安だけど、自分のいるべき場所は「Slaughter Race」なんだと確信。

 

無事にシュガーラッシュのハンドルの支払いは完了し、ゲームセンターに発送されることに。しかし約束したはずのヴァネロペの姿が見当たりません。ラルフが再び連絡を入れてもヴァネロペはシャンクと話し込んでいて気づきません。バイブレーションで落ちた反動で通話状態になってしまい、さらにヴァネロペ側はサイレントモードに設定されていたため、ラルフからだけ一方的に会話が聞ける状態に。

ここで再びラルフのスイッチを入れてしまった、ヴァネロペとシャンクの会話。

 

ヴァネロペ:「ラルフに言えないことなんだけど、正直ここに着た瞬間からシュガーラッシュよりも自分のホームだって感じたの。これこそ私の夢なの。何が起こるか本当にわからない。でもラルフの夢は毎日同じことをすること。」

シャンク:「私が何年も前に学んだことを一つ教えるなら、友達同士が同じ夢を見なきゃいけないっていう決まりはどこにもないってこと。生活が元に戻ったら、いつでもここに遊びにきていいよ。」

ヴァネロペ:「元に戻る(go back to normal)なんて望んでない。ここにいることこそが私の望みなの!」

言葉も出ないラルフはここで通話を切ります。

 

ACT3:

ラルフは、「ヴァネロペは俺の親友なはずだ。自分の知ってるヴァネロペは絶対に俺を見捨てたりなんてしないはず。ヴァネロペはシャンクに洗脳されたんだ。」と考えます。

ラルフの中では「Slaughter Race = ヴァネロペにとって確実に悪影響のあるゲーム」という位置付けなのです。

ウイルスで「Slaughter Race」の進みを遅くしてつまらなくさせればヴァネロペは帰ってくるだろうと考えたラルフは、最初にお金の稼ぎ方を紹介してくれたJPスパムリーに頼んで、ウイルスの手に入るダークネットへ向かいます。

ウイルスメーカーのダブルダンにゲームをつまらなくするようなウイルスを売ってくれるように頼むと、「アーサー」というゲームの中における不安定な(insecure)プログラムを見つけてそれを複製しまくる、彼の言うところの「insecurity virus」を紹介される。ラルフが確認するとゲームの中にとどめている限りは誰も傷つくことはないとダブルダン。

 

ヴァネロペは、「Slaughter Race」に残り、シュガーラッシュには帰らないことをまだラルフに伝えていません。シャンクに促されつつも、ラルフにその決断を伝えることで拒絶されるのではないかという不安から、踏み出せずに言います。それが彼女の心境をinsecureにしており、勝手にglitchする症状が発生しています。

そのため、ラルフが実際にアーサーを放ったところ、ヴァネロペのinsecureをコピーし始め、Slaughter Race内のあらゆるものがglitchし始めます。

ウイルスが検知されウェブサイトがリセットされようとしている中、異変を察知したラルフが間一髪でヴァネロペを助け出します。

この時点でラルフはヴァネロペにとってはある意味ヒーロー。

ラルフは自分がしたことを正直に説明しようとしますが、ヴァネロペに盗み聞きしたり、ウイルスを持ち込んだりしたことを咎められると、お前もシュガーラッシュや俺のことを見捨てようとした以上責任はあるじゃないかと怒鳴ってしまいます。

ヴァネロペはこんなことをするなんて酷いといって、「YOU’RE MY HERO」メダルをインターネットの奥底へ捨ててしまいます。

ヴァネロペを救出する際に破ったファイアーウォールの穴からアーサーがインターネットに抜け出し、ヴァネロペを失ったことで取り乱しているラルフのinsecurityを検知し、無数に複製し続けます。

この過程でラルフのクローンが大量に生成されインターネット中を破壊し始めます。

 

ヴァネロペと合流したラルフは、検索エンジンのノウズモアからアンチウイルス地区へクローンを導けば一瞬で全てを消去できると知らされます。

エスのパーソナルブラウザでクローンラルフたちを導きながらアンチウイルス地区へ急ぐ一行。

ラルフはゾンビのようにヴァネロペを追いかけ続ける大量のクローンを見ながら「こうしてみると自分がどれだけヴァネロペに固執して自暴自棄になっていたかがよくわかる」と呟きます。

 

でも最近のディズニー作品では当然そうであるように、他人の力を頼った解決方法はうまくいきません。

アンチウイルス地区にたどり着く直前で、クローンの大群に襲われてPinterestビルに突っ込みます。

ヴァネロペとイエスを逃してラルフが一人でクローンの大群が形成したジャイアントラルフと闘いますが、勝ち目はありません。

ラルフは振り払われて、ヴァネロペはジャイアントラルフに捕まってしまいます。

ジャイアントラルフはヴァネロペを捕まえると、インターネットの世界で一番高いGoogleの頂上に登り、満足そうにヴァネロペを眺めます。

ラルフが再び攻撃を仕掛けると今度はラルフを握りつぶそうとするジャイアントラルフ。

ヴァネロペはその状況に耐えかねて、「私の親友を殺さないで!私が唯一の友達になってずっと一緒にいれば満足なんでしょ?」と叫ぶ。

それを聞いたホンモノのラルフは、「そんなこと自分は望んでないはずだ!友達っていうのはそういうものじゃない!友達なら夢を応援してあげるべきだ!確かに彼女を手放すのは心が痛むかもしれない、でも大丈夫。どんなに離れても親友は親友でいられる、信用しあってさえいれば!」そうジャイアントラルフに言い聞かせます。

斯くしてラルフの心のinsecurity:不安が解消されると、ジャイアントラルフは心臓にあたる部分から消えていきます。

 

ジャイアントラルフが消えて足場がなくなったラルフ。

JPスパムリーが助けに来ますが、ラルフは重すぎて彼のポンコツなブラウザでは強度が足りずすり抜けてしまいます。

下で見ていたプリンセスたちがラルフを助けようと試みます。

モアナが波を作り、アリエルが螺旋状にかたちづくり、ジャスミンのカーペットに乗ったエルサが(まるでインクレディブルのフロゾンのように)凍らせて滑り台にし時間を稼ぐ。

その間に、ラプンツェルの髪の毛をオーロラが糸車で編み込んで、シンデレラのネズミたちがが複数のガウンを縫い付けることでパラシュートを作り、ベルがバットで打った白雪姫の毒林檎をムーランが四等分にしその爆発でパラシュートが開くようにします。完成したものをメリダの矢で飛ばして、白雪姫のガウンを着せることで意識を失ったラルフにうまく装着させ、ポカホンタスの起こした風でベッドのある場所に着地させます。

白雪姫のドレスを着たまま意識のない状態のラルフに対し、ティアナがカエルの姿のナヴィーンにキスをさせて目覚めさせます。

 

ヴァネロペは再起動したあとの「Slaughter Race」にコードも組み込んでもらい、死んでも再生するように設定してもらった上で、「Slaughter Race」を新たなホームにすることにします。

ラルフは、「割れちゃったけどそのおかげで半分ずつ持っていられる」といって、ヴァネロペが投げた際に割れてしまった「YOU’RE MY HERO」メダルの半分を渡します。二人はお互いが見えなくなるまで手を振り続けます。

 

ラルフは、ヴァネロペと過ごす時間が減った分、読書会に参加したり、他のゲームのメンバーを招いてパーティーをしたり、いろいろな人と関わるようになりました。

そして次の電話は、ヴァネロペがしてくるまで待つ、と。

これまでのディズニーにおけるバディものは、ピクサー作品も含めて一緒にいることがとにかく大事でした。それを離れていても信頼し合っていれば大丈夫というところに昇華させた点はバディものとしてのディズニー作品をアップデートさせた点であると言ってよいでしょう。

 

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ブロードウェイ・ミュージカル「キング・コング」レポート

これまでこのブログでは「Frozen the Broadway Musical」のみの分析記事を書いて来ましたが、今回はブロードウェイの最新作「King Kong」をレポートしたいと思います。


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第一幕

時は、1930年代、戦間期大恐慌時代のニューヨーク。
建設中の高層ビルがそびえ立つ空から、ビルの間を降りていきます。労働者たちがクレーンに捕まり降りてくる。
ステージは半円で、背景が全面LEDスクリーン。オープニングアクトから映像がすごい。もはや映画のようなカメラワークの背景にシンクロするように舞台上のアクターやプロップスが動いていく。

 

Queen of New York、すなわちブロードウェイのスターになることを夢見て出てきたアフリカンアメリカンの女性アンは、オーディションに落ちまくりストリートの生活。(それをブロードウェイのスターが演じてると言うのも笑える)
行き場もなく長居していたレストランで店員にひどい対応をされているところを助けてくれた売れない映画監督カールのオファーに応じて船に乗り込む。

 

船の舞台装置がまたすごい。ステージの一部が傾いて船になる。この動きと背景の海の映像が合わさって本当に航海しているかのよう。
なかなか島につかないことに苛立つ船長は、こんなの詐欺だと言って船員たちとともにカールを殺そうとするも、アンがそれを拒み偽物の爆弾をプロップスにして迫真の演技で船長らを脅し、カールの命と撮影プロジェクトを救う。もちろん彼女自身のデビューという目的達成のためではあるが。

 

ようやく島に着いて登場するリアルサイズのキングコング。舞台上のパペットなのに映画ばりのスリル感。
アンがキングコングに捕まったにもかかわらずカメラを回し続けるカール。しかし結局カメラは破壊されフィルムは失われる。そんな中、キングコングはアンを連れて走り去る。光の網で表現されるジャングルの中を駆け巡るスローモーション風の演出は舞台ならでは。

 

アンはキングコングの寝ぐらまで連れて行かれるも、怯えて何もできなくなるどころか、彼とコミュニケーションをとり、理解しようとし始める。襲ってきた大蛇から彼女をかばって戦ってくれて、怪我したキングコングをアンが治癒する姿は、美女と野獣で狼から助けてくれたビーストを介抱するベルの姿そのもの。キングコングは島の海岸で月を眺めながら、アンの歌を聴きながら眠りにつきます。
アンがベルと異なるのは、彼女は人間がここの島にいるべきではないと悟って、逃げ出す点。

 

一方フィルムを失ったカールはこのままでは島まで航海して来た分の投資をペイできないということで、キングコングを見世物として連れて帰ることを決意し、戻る。

 

カールらと遭遇したアンは、アンを助けるよりもカメラを優先したことを咎めた上で、キングコングが自分を追ってくる可能性があるから早く島を去ったほうがいいと提案するも、カールはキングコングは映画より舞台向きだ、と言う。(このあたりもメタ的な発言と捉えると結構挑発的で笑える)

 

アンが叫べばキングコングを誘き寄せられると考えたカールはアンを、これまで彼女の才能を見出さなかった世間への怒りを込めて叫べと促し、アンは叫ぶ、というか吠える(笑)カールの算段通りキングコングはやってきてガスによって睡らせられ捕まる。
何をしてしまったの?と問うアンに対し、カールは「我々はたった今世界を変えた」と答え、1幕終了。


 

第二幕

キングコングを連れてニューヨークに戻ったところからスタート。

カールは「これ以上に最高な『Beauty and the Beast』のストーリーはない」と大興奮。ここまでのパロディが意図的であったことがセリフによって明かされます。

一方アンはキングコングに間違ったことをしてしまったと謝ります。それでも「自分はずっとスターになりたかった。あなたもスターになるのよ。」と彼女はまだ夢を諦めていません。

 

続いてキングコングを見つけたストーリーを伝える劇中劇のリハーサルが行われます。
劇中劇に登場する監督役(その名も「Fake Carl」(笑)本当にこれでクレジットされてるから笑ってしまう)は、本物よりもmasculineなマッチョな男性が演じていて彼のheroicさが強調されています。対照的にアンは本人役で演じさせられていて、本物の監督は、アンはただ叫べばいいと指示します。よりheroicに描かれる監督役に対するfemininityの強調はコメディタッチで描かれるだけに非常に皮肉な演出。カールの構想では、アンが叫ぶとホンモノのキングコングを舞台に登場させて観客を驚かすという演出なのです。

 

アンは、キングコングのことを想うと、こんなことはできないと言って劇場を飛び出します。「代わりの女優はいくらでもいる。成功するためには今叫ぶしかないんだ」と無理無理カールに諭されて楽屋に戻り、舞台に向けた準備をしていると、船で声をかけてきてくれた監督の助手であるランピーがやってきて、再びアンに声をかけます。彼は、アンの中に感染症で亡くなった自分の娘と似たものを感じると言い、特にこの恐慌の時代人は成功することに取り憑かれて善を見失う、と語りかけます。

 

そんな中いよいよキングコングのお披露目の舞台が始まり、キングコング登場の合図であるアンの叫びのキューを監督が出します。
しかし彼女は、もうお金のために叫ぶことはできない、と言って舞台に手錠をかけて連れてこられたキングコングに対し、今こそ反撃すべきだと言います。
反抗した彼女をスタッフが連行すると、キングコングは彼女を助け出そうと手錠を破壊してアンを連れて劇場の外へ。
ニューヨークの街の中を駆け巡りエンパイアステートビルに登り始めます。
縦縞のスクリーンが降りてきてそこへ投射される窓の光がどんどん下へ降りていくことで、キングコングが登っていく様子が再現されます。

 

アンのせいでキングコングは逃げてしまい、劇場も破壊されたと落ち込むカールの元へ助手のランピーが現れ、もうこんな仕事は続けられないと告げる。カールはお前は頼る人がいなくなるだろうと言うと、「ひとりになるのはあなただ」と監督に告げて立ち去る。カールはこれ以降登場しない。

 

エンパイアステートの頂上(当時世界最高なのでようするに「Top of the World」)で2人は追いかけてくる警察や消防を見下しながら、アンは言います。
「みて、みんなが私たちに注目している。私はこうして注目されることを目指してきた。でもどれだけ名前を知られても顔を知られても、あなたが何者であるかは誰もわかってくれない。」
そして島での時と同じように月を眺めながら、アンは再びキングコングに歌いかけます。

 

すると当時の最新兵器である複葉機が近づいてきて、キングコングを周りから襲撃。ビルから落下。

エンパイアステートの頂上に残されたアンは、誰もあなたのことを忘れないだろうと歌います。



*********


まだサウンドトラックがでていないのと、歌詞が公表されていないのでこれ以上詳しい分析は現時点ではできませんが、ざっくりと覚えている範囲でのレポートでした。


*Frozen Broadway* 18. Monster

18. Monster

位置付け

ブローズン楽曲のなかで一番最初に公開されたナンバー Monster。

エルサが妹との再会の際に再び魔法で襲ってしまった後、映画では真っ赤に染まるアイスパレスの中で、Conceal Don't feel と自分に言い聞かせながら歩き回っているシーンが象徴的ですが、あのシーンと、ハンスたちが城に迫ってきて対峙するシーンの二つを一曲で再現したナンバーです。

エルサが自死までも考慮に入れるなかなか重たいナンバーですが、映画で表現されなかったエルサの苦悩が非常によく現れていて私はとても気に入っています。

曲の直前はハンスがアレンデール兵を先頭に、ウェーゼルトン公爵とその部下、加えてアレンデール国民の志願兵たちを引き連れてアイスパレスに向かうシーンからスタート。続いてアイスパレス内のエルサが、彼らの掛け声「End this Winter, Bring back Sumer, Keep your guard up!」を耳にするところからピアノのイントロが始まります。

 


Monster (From "Frozen: The Broadway Musical")

 

歌詞と対訳

 

[Elsa] 

It's finally come

ついに来る

Come to knock down my door

私の扉を打ち破りに

I can't hide this time

今回は隠れられなそうね

Like I hid before

これまでとは違って

 

The storm is awake

嵐はもう起こってしまい

The danger is real

危険は現実に

My time's running out

イムリミットは迫ってる

Don't feel, don't feel

感じないように 感じないように 

 

Fear will be your enemy and death its consequence

恐れが敵となり 死をもたらす

That's what they once said to me

いつかそう告げられたけど

And it's starting to make sense

その意味がわかってきた

All this pain, all this fear began because of me

この辛さ、恐怖は全て自分のせい

Is the thing they see

私はそう見られているの?

The thing I have to be

私がなるのを避けられないもの

 

A monster

モンスター

Were they right?

彼らは正しかったのかしら

Has the dark in me finally come to light?

私の中の闇が明るみに出るの?

Am I a monster full of rage?

私は怒りに満ちたモンスター?

Nowhere to go but on a rampage

行き場もなく ただ暴れまわるだけ

Or am I just a monster in a cage

それとも囚われのの身のモンスター? 

 

[Men] 

End this winter

冬を終わらせろ

Bring back summer

夏を取り戻せ

Keep your guard up

警戒を続けろ

 

[Hans] 

No harm comes to her

女王に危害は加えないぞ

 

[Men] 

End this winter

冬を終わらせろ

Bring back summer

夏を取り戻せ

Keep your guard up

警戒を続けろ

 

[Elsa] 

What do I do?

どうしよう

No time for crying now

泣いてる暇はない

I started a storm

私が引き起こした嵐を

Gotta stop it somehow

どうにかして止めなくちゃ

 

 

Do I keep on running?

ずっと逃げ続けるの?

How far do I have to go?

どこまで行かなきゃいけないの?

And would that take the storm away

逃げれば嵐はなくなるの?

Or only make it grow?

それとも酷くなるだけ?

I'm making my world colder

私は自分の世界を冷やし続けてる(犠牲にし続けてる)

How long can it survive

どこまで持ちこたえるかしら?

Is everyone in danger as long as I'm alive?

自分が生きてる限り みんなは危険に晒されるの?

 

Was I a monster from the start?

私は生まれつきモンスターだったの?

How did I end up with this frozen heart?

どうしてこの凍りついた心になってしまったの?

Bringing destruction to the stage

世界に破壊をもたらし

Caught in a war that I never meant to wage

関与する予定のなかった争いに巻き込まれて

Do I kill a monster?

モンスターは私自身で殺すしかないの?

 

 

Father

お父様

You know what's best for me

私にとっての最善を知ってるはずよね

If I die, will they be free?

私が死ねば、みんなは自由になるの?

Mother

お母様

What if after I'm gone

もしも私が逝った後

The cold gets colder and storm rages on?

寒さはさらに増して、嵐が強くなってしまったら?

 

No, I have to stay alive to fix what I've done

ダメよ、私は生き続けて 自分のしでかしたことを解決しなきゃ

Save the world from myself

私自身から世界を救うの

And bring back the sun

そして太陽を取り戻すの

 

[Elsa (Men) ] 

If I'm a monster (End this winter)

もし私がモンスターなら

And it's true (Bring back summer)

そしてそれが真実なら

There's only one thing that's left me to do (Keep your guard up)

私に残されたすべきことはたった一つ

But before I fade to white (End this winter, Bring back summer)

でも自分が真っ白になる前に

I'll do all that I can to make things right (Keep your guard up)

自体を戻すためにできることはなんでもやるわ

 

I cannot be a monster

モンスターになんてなれない

I will not be a monster

モンスターになんてならないわ

Not tonight!  (Monster!)

今夜は!

 

 

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*Frozen Broadway* 17. Kristoff Lullaby

17. Kristoff Lullaby

位置付け

アナの髪の毛が白くなり始めていることから異変を察知したクリストフが、小さい頃から世話になっているHidden Folk(映画でいうトロール)を呼び出し、映画と同じようにFixer Upper を一通りやったあとで、アナは倒れてしまう。

パビーはアナのHeartに魔法が直撃しているから難しいと言いながらも、それでもいいから試してみてくれと懇願するクリストフに促されパビーは魔法で取り除こうとする。

ここでは、Hidden Folkの歌(CDに収録されていない呪文のような歌)がパビーとアンサンブルらによって歌われるが、その途中で舞台全体がスローモーションになり、クリストフの心の中で思っていることが歌として表現されるのがこの曲。

 

歌詞と対訳

 

[Kristoff] 

What is this hollow kind of happiness I'm feeling?

いまオレが感じている空虚な幸せはなんだろう?

This type of terror is new

こんな怖さを感じるのは初めてだ

And the fact that I can hardly breathe is now revealing

自分の息が詰まるほどだということに今気付かされた

How much I've changed because of you

いったいオレはどれほど変わったんだろう 君のおかげで

 

 

You light the world for me

君はオレの世界に光を照らしてくれた

You live life fearlessly

君は何も恐れずに生きていて

Braver than the bravest of us do

俺たちの誰よりもずっと勇敢で

You trust, you hope, you dare

信じて、希望を持っていて、思い切りがある

You choose to feel and care

感じること、気にかけることを選び

I thought that I was strong till I bumped into you

オレは自分が強いと思ってた 君に出会うまでは

 

 

What do I know about love?

オレは愛の何をわかっているんだろう?

What do I know about love?

いったい愛の何をわかっているんだろう?

 

 

Everything I thought I did

オレがしたと思ったことはすべて

You've gone and changed it kid

君はすでにやっていて変えたものだ

You're what I know about love

 

君はオレが知ってる愛そのものだ

 

 

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*Frozen Broadway* 15. For the First Time in Forever (Reprise)

いよいよ ブローズンのサントラCDが日本に届き始めましたね。

最近更新できてませんでしたが、これからも対訳つけて、解釈を語っていくスタイルで気長に続けていきます。(2018年6月15日付のコメントです)

 

15. For the First Time in Forever (Reprise)

位置付け

For the First Time in Forever のリプライズですが、映画版からの変更点がかなり効いています。作品全体にまで影響、というとすこし言い過ぎですが、以下の3つが主な変更点です。

 

・歌自体が始まる前に交わされる会話が映画版より詳細になった

・映画版だとエンドロールでかかった Demi Lovato 版の Let It Go の一節が加えられた

・この時点でのアナとエルサの関係性を決定づける「I'll help you」が加えられた

 

ではまずは歌自体が始まる前に交わされる会話を(ところどころ省略しますが)できる限り再現してみたいと思います。

要所要所、キーになるところは英語で再現しますが、基本日本語でいきたいと思います。

赤字がブローズンでの変更・追加部分青字で途中挿入してあるのが映画版にしかないセリフや歌詞です)

 

[Anna]

 

エルサ? 見違えたわ。いい意味でね。

それに、ここ、信じられないくらいステキね!

 

[Elsa]

"I never knew I could create something like this."

自分にこんなものが創れるなんて、知らなかったわ。

 

ここのセリフ、実は映画版だと

"I never knew what I was capable of."

自分にこんなことができるなんて知らなかったわ。

なのです。

ブローズンでは、わざわざ "create" という言葉に変わっています。

この変更について私は、what I was capable of だと creationdistruction の両方を含んでしまうからだとみています。

この時点でエルサは自分の力がアレンデールに甚大な被害をもたらしているのは知らないということになっていて、このあとそれを知ることでまた取り乱してしまうという展開になることを強調するために、I never knew I could create soething like this(自分にこんなものが創れるなんて知らなかった)にしたのかもしれません。

 

 

[Anna]

ごめんなさい。あんなことになっちゃって。

 

[Elsa]

 

いいの。アナのせいじゃないから。

アナは知らなかったんだもの。

 

このあたりで60秒数え終わったオラフが入ってきて、

 

 

[Anna]

"He is a little bit of you and little bit of me.

We were so close, we could be like that."

オラフは、エルサのひとかけと、私のひとかけよね。

とっても仲よかったわ。きっとまた戻れるよね。

 

はい、きました! A Little Bit of You のフレーズです!

 

[Elsa]

 

いいえ。

"I wish I coud be close to you more than anything"

本当はそうしたいわ、何よりも願ってる。

でも、無理なの。

この髪の毛の白い一房、どうしてこうなったと思う?

 

映画では、ただ「無理なの。」とだけ言うエルサですが、

ブローズンでは、「本当はそうしたいわ、何よりも願ってる」と発言をします。

これすごい泣ける…

 

[Anna]

ママが、これは生まれつきだって。

 

[Elsa]

違う。私がやったの。

私、あなたのこと、殺しかけたのよ。

アナが6歳だった時。

 

エルサが自分の口で、あの事故のことをアナに伝えるのです。

さらに泣ける…

 

[Anna]

でも、もう子どもじゃないわ。

 

[Elsa]

"I dont know.

My powers are much stronger than they would be.

Im okay here. Alone."

それはどうかしら。

私の力もかつてよりずっと強くなってるわ。

私はここで大丈夫。たったひとりで。

 

[Anna]

"Alone?"

ひとりで?

 

この "Alone" というキーワードを発した後、エルサが続けて言う、私の大好きなセリフ

"Where I can be who I am without hurting anybody"

誰も傷つけることなく、私らしくいられる場所

がカットされてしまっています。

この一言はたしかにあまりにも直接的すぎます。

きっとこの一言を説明すべく、 Demi Lovato 版 Let It Go の歌詞が冒頭に加えられたのでしょう。

それでは歌詞と対訳です。

 

 

歌詞と対訳

赤字部分は、映画版からの変更・追加部分

 

[Elsa]

Standing frozen

凍りついて立ち尽くす

In this life Ive chosen

私が選んだこの人生

Please dont find me

だからお願い 私を探そうとしないで

The past is all behind me

過去は全て過ぎ去ったの

Leave me in the snow

私のことは雪の中に残して帰ってちょうだい

Let me go

私を自由にして

 

[Anna]

I don't wanna let you go

あなたを手放したくないわ

 

[Elsa]

I'm just trying to protect you

あなたを守ろうとしてるだけよ

 

[Anna]

You don't have to protect me! I'm not afraid!

守ってもらう必要なんてない!怖くないもの!

 

Please don't shut me out again, please don't slam the door

お願い私をまた閉め出さないで、扉を閉ざさないで

You don't have to keep your distance anymore

もう距離を置く必要なんてないの

'Cause for the first time in forever

だって、時間はかかったけど初めて

I finally understand

ようやく理解できたんだから

For the first time in forever

ほとんど永遠ぶりに

We can fix this hand in hand

二人で手を取り合って元に戻せる

We can head down this mountain together!

一緒にこの山を降りれるのよ

You don't have live in fear

怯えながら生きなくてもいいの

'Cause for the first time in forever

だって ほとんど永遠ぶりに

I will be right here

私がすぐそばにいてあげられるんだもの

 

[Elsa]

Anna, please go back home, your life awaits

アナ、お願い帰ってちょうだい、あなたの暮らしが待ってるわ

Go enjoy the sun and open up the gates

門を開いて陽の光を浴びられる人生を満喫して

 

[Anna]

"Yeah, but —"

えぇ、でも

 

[Elsa]

"I know"

わかってるわ

You mean well, but leave me be

優しいのね、でも私のことは置いてって

Yes, I'm alone, but I'm alone and free

そうよ、私は独り、でもだから自由でいられる

Just stay away and you'll be safe from me

ただ離れていてさえくれれば、私があなたを傷つけることはないの

 

[Anna]

Actually, we're not

実はそうでもないのよ

 

[Elsa]

What do you mean, "you're not"?

そうでもないってどういうこと?

 

[Anna]

I get the feeling you don't know

もしかして、エルサ知らないのね

 

[Elsa]

What do I not know?

なにを知らないっていうの?

 

[Anna]

Arendelle's in deep, deep, deep, deep snow

アレンデールは深い深いそれは深い雪の中に埋もれてるの

 

[Elsa]

What?

なんですって?

 

[Anna]

"You've kind of set off an eternal winter...everywhere"

エルサがアレンデール中を常’冬’ にしちゃったのよ

 

[Elsa]

"Everywhere?"

アレンデール中を?

 

[Anna]

"But it's okay, you can just unfreeze it!"

でも大丈夫よ、溶かしてくれればいいだけ!

 

[Elsa]

"No, I can't, I — I don't know how!"

いいえ無理よどうやるかわからない!

 

[Anna]

"Sure you can! I know you can!"

"I'll help you!"

できるはず!私にはわかるの!

助けになるわ!

 

[Anna / Elsa]

And for the first time in forever / Oh I'm such a fool, I can't be free!

こうしてほとんど永遠ぶりに /

あぁ、なんて愚かだったの 自由になんてなれないの!

 

You dont have to be afraid / No escape from the storm inside of me

怖がらなくていいの /  私の内なる嵐から逃れることなんて出来ないの

 

We can work this out together / I cant control the curse!

一緒に解決できるのよ / この呪いは制御できない

 

Well reverse the storm youve made / Ohh Anna, please, youll only make it worse! 

エルサが起こした嵐をおさめようよ / ねぇアナお願い、どんどん酷くしてるだけ!

 

Dont panic / Theres so much fear!

パニックにならないで / とっても怖い!

 

 

Well make the sun shine bright / Youre not safe here!

陽の光を輝かせるの / アナ、ここにいたら危険よ!

 

We can face this thing together / 

No!

一緒に向き合って / ダメ!

 

 

We can change this winter weather / I -

この冬を変えられるわ  / 私には

 

And everything will be all right / I can't!

そしたら何もかも大丈夫なんだから!/ 無理!

 

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*Frozen Broadway* 12. Hans of the Southern Isles (Reprise) 歌詞

12. Hans of the Southern Isles (Reprise)

位置付け

第一幕の最終ナンバー、Let It Go の一個前の曲で、ハンスの歌こと、05. Hans of the Southern Isles のリプライズです。

 

オラフと出会い、アナら一行がエルサの氷の城へ向かい始めた時、アナは凍りついたアレンデールを目にする。アナがアレンデールを心配するセリフを言うと、舞台は場面転換しアレンデールの町へ。

ハンスが映画と同じように、数人のアレンデールの衛兵と共にブランケットを配って歩いている。城門は開放され、ホットグロッグも用意されているとアナウンスするのも映画と同じ。

アレンデールの国民は映画よりもパニックになっており、「王女と女王はまだ戻らないのか?」、「女王は私たちを苦しめようとしているのか?」などハンスへ問います。

そんな中、ウェーゼルトン公爵はヒステリーを起こします。

 

公爵:「10年間も閉ざされた城の中で生活してきた姉妹が

何をしでかすかわからない。それに姉は魔法が使えるんだぞ?」

ハンス:「こんなやつの言うことは聞くな!」

ウェーゼルトン:「自分は公爵だ!」

ハンス:「僕は王子だ、しかもアレンデールを任されている。

お前を反逆罪で捉えることもできるんだぞ!」

 

そこへ、ノースマウンテンの麓で見つけたと言ってアナの戴冠式用ドレスを拾ってきた男性が現れる。

これは、アナがクリストフの持っていた予備の登山服に着替えた際に、アナから一時的に預かっていたクリストフが山へ投げ捨てたドレスなわけだが、そんな事情を知らないハンスはアナに何かあったと察し、探しに行くための義勇兵を募る。

しかし、ウェーゼルトン公爵はこれはモンスターの女王と、共に悪巧みをしている王女による罠だと言い出す。

こうしてハンスの歌のリプライズが始まります。

 

歌詞と対訳

 

[Duke of Wessleton]

"It's a trap!"

「これは罠だ!」

 

[Hans]

"Enough, please"

「もうたくさんだ、やめてくれ

"What the Queen's motivations are, I cannot say"

たしかに女王の動機は僕にもわからない

"But I assure you, Anna is pure and noble"

でもこれだけは保証する、アナが純粋で高潔だということは」

 

[Duke of Wessleton]

"Why should we listen to you?"

「どうしてお前の指示に従わなきゃいけないんだ?」

 

[Hans]

I'm only the thirteenth son of a king

僕はただの13番目の王子です

Nor am I your leader, only her fiancé

指導者ではありません、ただ彼女の婚約者なだけ

But my love for her has made something clear

でも彼女へ愛を抱いたことでハッキリわかった

We can't give into fear

僕らは、恐怖に負けてはいけない!

Not here, not today

今日、ここで終わるわけにはいかない!

 

We can't know how threatening

The road ahead will be

向かう先がどれほど危険かわからない

But put your faith in Anna

The way that Anna put her faith in me

それでもアナが僕に信頼をおいたように

君たちもアナを信じてみるんだ

 

I can't tell you what the princess sees in me

アナ王女が僕になにを見出したのかはわからない

But let me tell you what an honor it would be

でも一つだけ言わせてくれ

どれほど光栄なことか

If you could let me lead you through this time of trials

この苦難が終わるまで

皆さんが僕に指揮を取らせてくださるならば

You ask for a leader, a servant responds

リーダーが必要なら

この一人の奉公人が応えます

Trust Hans of the Southern Isles

サザンアイルズのハンスを信用してください

 

[Female]

"But what of the cold?"

「でもこの寒さは?」

 

[Male]

"What of the Queen?"

「女王は?」

 

[Female]

"What if she really is a monster?"

「もし本当にモンスターだったら?」

 

[Hans]

"Then she will be dealt with"

"And Anna and I will lead you back to Summer"

「もしそうなら彼女のことは適切に対処せねば

アナと僕は、君たちのもとへ夏を取り戻します」

 

[Duke of Wessleton]

"Go along with it!"

「協力してやれ!」

 

[Duke s Man]

He's more than the thirteenth son of a king

彼は13番目の王子にはとどまらない存在だ

 

[Female]

We're lucky he came along at our time of need

彼が今この場にいてくれて幸運だ!

 

[Male]

We'll never give in to fear and treason

我々は恐怖や裏切りには負けない

 

[Female]

Let's listen to reason

理由を聞き入れて

 

[All]

And follow his lead

彼の先導に続こう

 

[Hans]

Who will come with me?

僕とともに来る者は?

 

[Duke of Wessleton]

My men and I, my lord

私の部下と私が行こう

Yes Wessleton arises and offers up the power of his sword

ウェーゼルトンが立ち上がり、この武力で協力しよう

 

[Hans]

I call to your kingdom

アレンデール王国へ呼びかける

 

[All]

Our kingdom responds to Hans of the

我が王国は応えよう

Prince Hans of the Southern Isles

サザンアイルズのハンス王子の申し出に

 

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