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Toy Story 4 新キャラクター説明の和訳 + 予告編の考察

さて、アメリカ時間3月19日朝、Toy Story 4の最新予告編が発表されました。


Toy Story 4 | Official Trailer

Toy Story 4の最新予告編と同時に発表された新キャラクターの詳細について、ディズニーから発表されたプレスリリースに掲載された説明が、PixarPostやSlashFilm.comに再掲載されていたので、その部分をメモ用に和訳しました。

キャラクター詳細の和訳の後に少しだけ今回の予告編についての考察メモを記しています。

 

参考記事:

www.pixarpost.com

www.slashfilm.com

 

Gabby Gabby (ギャビィ・ギャビィ) 

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Gabby Gabby

GABBY GABBY, an adorable, talking pull-string doll from the 1950s. But unfortunately for her, a manufacturing defect in her pull-string voice box has left her sounding anything but adorable. She has spent more than 60 years forgotten in the depths of a jam-packed antique store—her only companions are a band of voiceless ventriloquist dummies. Gabby Gabby knows someone will want her if only she can find a working voice box to repair hers.

 

ギャビィ・ギャビィは、1950年代のプルストリング人形(ウッディと同じ紐を引っ張って喋る人形)。
しかし残念ながら彼女のプルストリングスの音声ボックスには製造欠陥があり、決して可愛くはない音しか出ない。
彼女は60年もの間、ごちゃごちゃとしたアンティークショップの奥深くに忘れられていた。
彼女の唯一の仲間は、喋ることのない腹話術人形の子分の一団。
ギャビィギャビィは自分を修理することのできる音声ボックスさえ見つけられれば、きっと自分は誰かに欲しがってもらえるようになるはずだと思っている。

 

Duke Caboom (デューク・カブーン)

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Duke Caboom

DUKE CABOOM is a 1970s toy based on Canada’s greatest stuntman. Riding his powerful Caboom stunt-cycle, Duke is always prepared to show off his stunt poses with confidence and swagger. However, Woody learns quickly that Duke has an Achilles heel: He has never been able to do the awesome stunts advertised in his own toy commercial. For years, Duke has been sitting in an antique store, constantly reliving the failures of his tragic past.

 

デューク・カブーンは、カナダの偉大なるスタントマンを基にした1970年代のおもちゃ。強力なカブーンスタントサイクルに乗り、デュークは常に自分のスタントを見せびらかす準備ができていて、自信があり威張っている。
ところが、ウッディはすぐに彼が「アキレス腱(弁慶の泣き所)」を持っていることに気づく。それは彼が彼自身のおもちゃのコマーシャルで宣伝されている凄いスタントができたことが一度もなかったというこよ。彼は何年もの間、アンティークストアの棚の上で座って、頻繁に自分の悲劇的な過去の失敗を何度も思い出させられてきている。

 

 

Giggle McDimples (ギグル・マクディンプルズ)

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Giggle McDimples

GIGGLE MCDIMPLES is a miniature plastic doll from the 1980s Giggle McDimples toy line. Giggle is Bo Peep’s best friend. Small enough to perch on Bo’s shoulder, Giggle is Bo’s confidant, supporter and advisor. “Giggle is Bo’s Jiminy Cricket—we’re able to get insight on Bo through their relationship together,” says Cooley. “Giggle is definitely the smallest toy in the Toy Story universe. She’s been stepped on, vacuumed up, and probably put up a kid’s nose in her time.”

 

ギグル・マクディンプルズは、1980年代のギグル・マクディンプルズシリーズから登場したミニチュアのプラスチック製人形。
ギグルはボー・ピープの大親友。ボーの肩に乗っかれるほど小さいが、ギグルはボーの腹心の友で、サポーターありアドバイザーでもある。
監督のクーリーによれば「ギグルはボーにとってのジミニークリケットで、私たちは二人一緒の関係性を通してボーの深い理解を得ることができた」とのこと。
「ギグルは確実にトイ・ストーリーの世界の中で一番小さいおもちゃである。彼女は生きて来る中で、人に踏まれ、掃除機に吸われ、おそらく子供の鼻の穴の中に突っ込まれたことがあるだろう。」

 

Benson (ベンソン)

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Benson

BENSON is a classic, antique ventriloquist dummy, and Gabby Gabby’s right hand. He leads a small group of ventriloquist dummies that serve as Gabby's henchmen. With no person to give them a voice, these silent toys patrol the antique store with a looming quietness that is inherently unsettling.

 

ベンソンは古典的なアンティークの腹話術人形で、ギャビィ・ギャビィの右腕。
彼は少人数の腹話術人形の集団を率いてギャビィの子分として仕えている。
誰も彼に声を当てることがないため、この無音のおもちゃたちは迫り来る静けさとともにアンティークストアをパトロールしており、生理的な動揺を引き起こす。

 

予告編の考察メモ

なんだか少し見えてきましたね。

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私が予想していたようにボーの登場はウッディのピンチを助けるシーンで決定で良さそうですね。ラルフ2の流れから見ても「プリンセス(広義でディズニーの描く理想の女性像)」としての位置付けを考えると、男性の主人公を助ける側としての登場の仕方が一番しっくりくると思っていたので、そこについてはあまり驚きはりませんでした。

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ただ、TS2とTS3の間の時間軸におけるボーとウッディのお別れのシーンもしっかり回想で描かれるようであることが複数のショットからわかりますが、これは涙なしには見られないだろうなと思います。

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TS3の冒頭のこの一行に込められたウッディの想いがしっかりビジュアル化されるわけで待ちきれません。

 

 

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上記の説明を読む限りでは、カナディアンスタントマンのフィギュアのデュークカブーンは一作目で自分がスペースレンジャーだと思ってシドの家の2階から飛んで落ちて壊れてしまったバズを想起させます。きっとバズとの絡みがあるのでしょうね。

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また、ギャビィギャビィが欲しがっているのはウッディのボイスボックスでしょう。もちろん手に入れたところで、ウッディの声しかしないはずなのですが、それでもいいのかどうかは不明です。

人気がなくてディスカウントになっても売れ残り続けたプロスペクター、忘れられて代わりを買われてしまったロッツォもどちらも悲しい過去をもっていましたが、製造欠陥のせいで60年者間忘れられているギャビィギャビィはあまりに悲劇的です。
自分たちの製造欠陥からこじらせてダークサイドに落ちてしまう、というのはカーズ2でも描かれましたが、彼らは改心することなく倒されてしまいました。
善悪が相対化する時代においてピクサーはこの新たな敵対者たちをどう描きどう処理するのか楽しみです。

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また喋らないで無音で近づいて来る腹話術人形が集団でいるというのはこれはもうホラーですね。クワイエットプレイスとかそのあたりの映画も意識したシーンがでてくるのかな?ホラー嫌いとしてはすこし不安です。笑
(あとこのシーンフォーキーバラバラにされてますよね、大丈夫なの?)

 

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ボーに連れられてウッディが訪れるジュークボックスの中の「Lost Toy」たちのパーティでは、ピクサー初期の短編TinToyのおもちゃや、『ニセモノバズがやってきた』こと『Small Fly』に登場した人気のない売れ残りミールトイの一人の鷹のおもちゃまで登場しており、単なるカメオ出演にとどまらず、しっかりバックグラウンドが描かれる可能性もあり、そのあたりも楽しみです。

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そして今回の予告編で印象が変わったのがフォーキー。

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このシリーズの中で、自分を「trash」だと表現するのは彼が初めてではありません。
ロッツォがそうでした。でもそれとは少し意味が違うわけです。

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ロッツォのロジックでは、おもちゃは置き換え可能で、いずれは飽きられて手放されて捨てられる、だから自分の意思で未来を決めて、永遠に新しい子どもたちが入ってきて遊び続けてもらえる保育園こそが永遠の命を得られる天国。それ以外の道においては究極的には何処かのタイミングで捨てられるゴミである、という考えでした。

フォーキーの場合はそもそもおもちゃとして持ち主が手にしたのではなく、持ち主の手によって作られた命であることがこれまでのどのおもちゃとも違います。
予告編を見る限り、この時点でボニーにとって一番大事なおもちゃはフォーキーになっています。自分の作ったおもちゃが大切になるのは子どもにはあることだと思う一方で、フォーキーは自分はサラダやスープをすくってそのあとは捨てられるモノなんだと自分で言っています。

アンディは確かにクリエイティヴで、既存のおもちゃを想像力を働かせて物語の中で役割を演じさせて遊ぶことにおいては長けていましたが、彼が作ったおもちゃは確かに一度も登場しませんでした。

持ち主と作り手が同じ、という場合のおもちゃのあり方や、持ち主との関係という点ではこれまで全く触れられてこなかった部分であり、同時にどうなったら「trash」なのかという点にも大きく関わってきます。

それはGabbyGabbyのように欠陥だったら生まれつき「trash」なのか。
飽きられたら、忘れられたら、失くされたら「trash」なのか。
ロッツォもボーも自分で自分の運命を決めるという点では共通していますが、その人生を人間からの愛を受け続けるために恐怖政治を行って自分だけ幸せに生きるのか、それとも人間との関係ではなく自分自身の人生を謳歌するために生きるのかという点で大きく描き分けられていて興味深いですし、ここまで多様な生きかたを知った上でウッディはどういう選択を取るのか。

そしてフォーキーはどのような決断をするのか、いろいろな可能性が膨らむ2分間の予告編でした。

 

 

その他 メモ

この下は今回の予告編に関するちょっとしたメモです。

謎1 ダッキー&バニーの絡み方

 

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このショットでは、ボー、ウッディの後ろにダッキー&バニーとデューク・カブーンもいるが、今回の予告編ではダッキー・バニーの絡み方が全然ほのめかされなかったのでこれがどういう場面なのかは謎である。

 

謎2 ボニーが連れてこなかったおもちゃたち

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Road tripに連れてきたおもちゃのメンバーはおそらく

元アンディ)ウッディ、バズ、ジェシー、ブルズアイ、レックス、ハム、スリンキー、ポテトヘッド夫妻

もとからボニー)ドーリー、バターカップ、トリクシー、フォーキー

と思われる。

となると留守番しているのが、

元アンディ)エイリアン

もとからボニー)プリックルパンツ、お豆さん兄妹、トトロ、チャックルズ

ということになる。

 

プリックルパンツとエイリアンが残っているところあたりから想像つくのは、TS3のエンドロールであった芝居のシーン。もしかしたらお家で留守番している間に、プリックルパンツ劇場の次の演目の練習でもしているのかもしれない、などと想像力が働きます。お豆とトトロ、チャックルズはわかりませんが、プリックルパンツとエイリアン3人は予告編の最初のショットで確認できるので捨てられたり寄付されたりはしていないようで安心しました。

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謎3 アンディのデザイン

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これは、そういうものだと言われればそうかと納得するしかないんですが、TS3の回想(時系列的にはTS2のあと)とTS3の大学生アンディの間と思われるシーンのアンディの描写が今回の予告編に含まれていましたが、なんかデザインが不自然?な気がしました。

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まあアンディでないはずがないので、アンディであることに間違いはないのでしょうが、それにしてもこの間にフィットするはずの割にはすこししっくりこないかな?と感じたという程度のメモでした。