2/19 かなり重要な新情報更新:イデュナの唱える呪文はJoik(ヨイク(サーミの歌))そして出身はNorthern Nomads(北方遊牧民ーおそらくサーミ)であることが発覚(詳しくは赤字で追記)
はじめに
(右からイデュナ、ブルダ、ウェーゼルトン公爵、クリストフ、ヤングアナ、アナ、エルサ 略)
この記事は、「Broadway Frozenから Frozen II を予想するヒントを読み解く」という記事より、エルサとアナの母イデュナ女王についての分析のみ抜粋した記事になります。
元記事は3万字あり長すぎるということで、この抜粋記事を用意しました。
記事の構造
もとの記事では、@moonboat_srさんがツイートされた、3つの予想と希望について紹介しながら、それを切り口に、
- <エルサの魔法>と<オラフ>
- <イデュナ女王>と<トロール>
- <アナ>と<魔法>
- <エルサ>と<両親>
- <オーロラ>と<“The Sky Is Awake”(お空が起きてる)>
の5つの観点から、F1とブローズンを横断的に分析しながら、考察しています。ブローズンを20回以上観劇しているからこそわかる私の視点を踏まえ、F2についていろんな想像や妄想を巡らせる姉妹ファンにとって少しでもヒントになればと思って書きました。
が、非常に長くなってしまったためこの記事では、エルサとアナの母イデュナ女王に特化した2つ目と4つ目の観点のみに絞って紹介しています。
全てきになるという方は、上のリンクから元記事をお読みください。
用語定義
【F1(または「映画版」「アニメ版」)】(F2がでたのでこうする):Frozen:2013年公開の映画(公開年は米国に合わせるので2013ということで。)
【アナ雪】:アナと雪の女王:私がこの用語を使うときは「吹替版」のそれを指す。基本的に私は、吹替版と原語版を別物として扱う。なぜなら吹替版はあくまで吹き替えの訳をつけた人の解釈が反映され、さらに日本語でしか表せないニュアンスが含まれている時点で原語版そのものの日本語バージョンと捉えることはできないと考えるから。
【DCAフローズン】:Frozen: Live at the Hyperion(アナハイムにあるDisneyland ResortにあるDisney California Adventure のハイピリオンシアターで2016年5月より行われている映画により忠実で全長約60分という短縮版のミュージカル形式のショー。Frozenの監督で脚本家のジェニファー・リー、作曲のロペス夫妻も関わっているが、基本的に新曲はない。新たに追加されたアレンジや、既存の曲を別の形で利用している部分はある)
【ブローズン(または「舞台版」)】:Frozen: the Broadway Musical (2018年3月よりブロードウェイSt.James Theaterで上演している映画版Frozenをベースに、Frozenの監督で脚本家のジェニファー・リーが脚本に、作曲のロペス夫妻は新曲を作曲という形で関わっている。DCAフローズンと制作期間は被っていると思われるも公開はこちらの方が後であり、DCAはむしろブローズンと差別化されているはずである。)
【F2】:Frozen II:2019年公開予定の続編
<姉妹の母:イデュナ女王> と <トロール>
つづいてお母様イデュナ女王の話題へ。これ、この記事のメインディッシュです。
まず @moonboat_sr さんはツイートの中で、ティザートレーラーの中盤に登場した謎の新キャラクターの少女について、イデュナの幼少期かもしれないし そうでなくてもイデュナさんの出身族の一人ではないかという予想をしています。
姉妹がオラフをつくるのも「オラフ」の名も、なにか昔からの決まりごとなんじゃないかな。
— moon🌙アレンデリアンに戻ります (@moonboat_sr) 2019年2月14日
イデュナさんは釣りが得意で姉妹に教えてるんだよね。
あの落ち葉の前の女の子はイデュナさん自身かもしれないしそうじゃないかもだけど、イデュナさんの出身族(?)ではないかな。
この辺りは事実確認が難しいのですが、ヒントになりそうなブローズンで追加された要素を確認していきましょう。
まずオープニングナンバー「Let the Sun Shine On」に早速ヒントが二つあります。
1)「some things we can't do in public」
「Let the Sun Shine On」はオープニングナンバーなのでアンサンブルのパートが語りとして説明をしている部分が冒頭に設けられています。
[Ensemble]
Elsa was a special child / From her first frozen tear
Her magic filled her parents' hearts / With so much love and fear
エルサは特別な子だった / 最初に流した凍った涙から
両親の心は彼女に対する愛と恐れであふれていた
[Queen Iduna]
"Elsa, no! What did we say?"
「エルサ、ダメよ!約束したでしょ?」
[Elsa]
"Magic must stay secret"
「魔法は秘密にしてなきゃいけない」
[Queen Iduna]
"And there's just some things we can't do in public"
「私たちには人前ではやっていけないことがあるのよ」
[Anna]
"Like, run naked in the breeze"
「そよ風あびながら裸で走ることとかね!」
[Queen Iduna & King Agnarr & Elsa]
"Anna!"
「アナ!」
これは何がヒントかと言うと「there's just some things YOU can't do in public」でも成り立つはずです。当然サラッと聞き流してしまえば、「we」は「ロイヤルファミリー」を指し、ロイヤルとしてやってはいけないことがある、と言う風に読むことができましょう。しかし、これ以降のヒントをみていくと単にそれだけではない気がしてきます。
(もちろんアナは裸で走りまわっちゃダメだけど。笑)
2)「A family with secrets to keep」
そして1度目のサビを挟んで、続く語りの部分でこのようにアンサンブルが付け加えます。
[Ensemble]
Once there was a family / With secrets to keep
As rulers in a land where / Respect for the crown runs deep
かつて隠すべき秘密(複数形)をもった家族がいた
王家への尊敬が深く浸透している王国の統治者として
こちらももしエルサのことだけでよければ「a secret」でも良いはずです。しかしわざわざ「secrets」と複数形になっております。これはエルサの魔法以外にも秘密がある可能性をほのめかしています。「we」と「secrets」は皆さんもサントラで確認できるのでぜひ耳を澄まして聴いてみてください。歌詞と和訳と描写はこちらの記事参照。
3)イデュナのペンダントとHidden Folks
「Let the Sun Shine On」を経て「A Little Bit of You」の最後に起きる事故。その直後、駆けつけてくるアグナル王とイデュナ女王。イデュナ女王は状況を察すると、追いかけてきて何か対応しようとする召使いたちを追い払うようアグナルに指示します。
窓を開け始めるイデュナ。アグナルはイデュナが何をしようとしているのかわからず尋ねると、「Hidden Folks を呼ばなくちゃ」とイデュナさん。開いている窓に向かって呪文を唱え始め(これをJoik:ヨイクと言うらしい)ると、イデュナさんの首についているペンダントが緑色に光り始めます。次の画像は公式のパンフレットより。
アグナル王は何もできず、ただただ凍っていくアナをだいて戸惑っています。イデュナがヨイクを終わると、外には黄色く光る無数の目が。
ヨイクを終えた後、Hidden Folksが入ってくるのを待つ間、イデュナはエルサの手を取り、自分の胸についている緑色に光るペンダントに当てさせます。
二人だけ窓から姉妹の寝室に入ってきます。それがパビーとブルダです。画像の左がパビー、中央がブルダ。
(ちなみにオリジナルキャストのパビー役Timothy Hughesさんは2月17日を持ってFrozenを去られましたが、映画「グレイテスト・ショーマン」にサーカスのメンバーで出演していますので探してみてください。)
ブローズンではトロールではなくHiddenFolksとなっているのはアニメチックな可愛いキャラクターではなく、より神秘的な生物として描きたいからなのでしょうか。尻尾が生えていて、眉が濃くつながっており、イデュナさんのペンダントと同じようなクリスタルを胸に1つ〜複数つけてます。
入ってきたパビーはイデュナにこう言います。
パビー:「A Queen who knows our call?」(私たちの呼び方を知っている女王か?)
イデュナ:「I'm a child of Northern Nomads*」(私は北方遊牧民の子どもよ) 【※Frozen Jr.という米国の学校向けの短縮版ブローズンの台本で答え合わせができました。その台本はコピーライト的に貼るとまずそうなので、リンクを置いておきます。この台本の17ページに掲載されています。なおこの台本とブローズンは言い回しやセリフを言うキャラクターなど大きく異なる部分も多いですが単語レベルでは参照して良さそうです。)】
ブルダ:「Now you're Queen. Good for you.」
(それが今じゃアレンデールの女王様? やるじゃないの(ここで大体会場ウケる))
イデュナ:「Our daughter is hurt.」
(娘が傷を負ったの)
で、この魔法は生まれつきか?というあの映画の会話に入っていきます。
ではこのシーンを映画と比較します。F1では、魔法を受けたエルサに対し即座にに対応するのはアグナル王。彼が図書室へ行って古くから伝わると思われる資料を取り出してきてそこに挟まっている地図を持ち出し、馬でトロールのいるリビングロックの谷へ向かうということになっています。
ではなぜ、わざわざイデュナさんが「Northern Nomads:北方遊牧民」の子孫であることを告げるのか、そしてなぜイデュナは「Hidden Folks」たちが持っているのと同じ光クリスタルのペンダントを持っているのか。なぜエルサに触らせるのか。そしてなぜ彼らを呼ぶことのできる呪文を知っているのか。これらの設定はF1からわざわざ変更・追加されているわけです。
ここで @moonboat_sr さんのツイートの続きを見てみます。
イデュナさんたちは自然とより近しい民族で、それこそその中には自然とか四季とかと繋がりの深い、それらと意思疎通したり操ったりできる人もいるのかもしれない。
— moon🌙アレンデリアンに戻ります (@moonboat_sr) 2019年2月14日
てかそもそも「人」じゃないかもだけど。
アナ雪でのトロールの描かれ方はとても面白い。従来の凶暴でまぬけな化け物というよりは、知恵があって人とも適度な距離を保てる存在。
— moon🌙アレンデリアンに戻ります (@moonboat_sr) 2019年2月14日
もしかしたらイデュナさんたちはその親戚とか、彼らと人の中間、ニンフみたいな立ち位置なのかも。
これらは非常にブローズンにおけるイデュナさんの描かれ方と合致しているように思えます。北方遊牧民の子孫であると言うことは「人」ではありそうです。しかし、少なくとも「自然とより近しい民族」であることは確かになりました。
もちろんF2はブローズンの続きではなくあくまでF1の続きですので、F2であらためて描写が必要になる点は多いと思いますが、ジェニファー・リー監督やロペス夫妻がわざわざこのように脚本を変え、この呪文を唱える時の新曲(これはCDに入っていないので劇場でしか聴けない)を用意していることからも、十分にF2へ入れる要素と関連している可能性はあるはずです。
ちなみにエルサのアイスパレスを訪れて、For the First Time in Forever Repriseの最後で心に魔法をくらってしまったアナの髪の毛が白くなっていることに気づいたクリストフは、イデュナが使ったのと同じ呪文を唱えて、「HIdden Folks」を呼び、「Fixer Upper」のシーンが始まります。(映画と異なり、クリストフは幼少期のアナの治癒を目撃しているわけではないので、多分僕の「家族」が助けてくれるはずだ、といって穴を連れて行きます。そして「パビーが直したのみたことある」と言うのはブルダが言います。)
「Hidden Folks」とクリストフの関わりについては、映画とまた少しだけ変えられていて、それはパビーたちがアナの魔法を取り除くシーンが寝室で行われるため、幼少期クリストフが目撃するというシーンがないためです。パビーがアナの魔法を取り除いてさって行く時、ブルダがこういうのです。
ブルダ:「Call on us anytime. We love children. Raised a few strays ourselves」
(いつでも頼りにしてね。子どものこと大好きなの。2、3人身寄りのない子を私たちで育てたことあるの。)
と。もちろん映画の時系列であればこの時点で、クリストフについて「raised」と過去形になっているのはおかしいです。しかし、クリストフの年齢は舞台では明かされていないこと、またクリストフがアナを治癒してもらいに行く時アナに「自分とスヴェンが他に頼る人がいなくなった時、拾ってくれたんだ」とHidden Folksのことについて説明をします。そして、ブローズンでは他に幼少期クリストフの描写がないことから、この「a few strays (浮浪児、迷子、身寄りのない子ども)」のなかにクリストフが含まれているという解釈がいちばん都合が良さそうです。そのように考えると、クリストフのように Hidden Folks に育てられた子どもたちは Hidden Folksを呼ぶ呪文を知っている可能性が高いです。
と思っていたのですが!この記事の下書き段階を共有しながら @moonboat_sr さんと議論をした翌日 2月17日にクリストフ、オラフ、ハンス、パビーのオリジナルキャスト最終公演を観に行った際に、私が今まで気づいていなかった些細な演技に目が止まりました。
4)イデュナと手袋
先ほど紹介した、「Let the Sun Shine On」の一節、「Once there was a family / With secrets to keep」が歌われる時、イデュナはアグナル王と肩を寄せ合いながら、手袋を抑えています。ここまで書き忘れておりましたが、イデュナは登場時から手袋をしていて、それを事故後にエルサの手につけさせます。
手袋といえば、F1ではハンスも手袋をしており、アナを裏切るときだけ手袋を外すという描写から、「手袋=秘密」というセオリーがフローズンファンには一般に浸透していると思われます。しかし、ブローズンのハンスは手袋をしていません。このことからブローズンにおいて「手袋」というアイテムが重要になる登場人物はエルサとイデュナに絞られています。(例外として山登りするときのアナの手袋はありますが、それは実用性をもっての手袋ということで加味しません。)
そして、「Do You Want to Build a Snowman」で再び登場するときイデュナは別の手袋をつけていることに気づきました。
さらに掘り返すと、事故後にエルサがパビーによって未来を見せられ「自分のことを人々がモンスターを見つめる目で睨んでくる」と歌う際に、イデュナは手袋をした自分の両手を見つめながら眉をひそめて首を横に振ります。
ほかにも、「Do You Want to Build a Snowman」曲中にアグナル国王がエルサに「Conceal, Don't feel」を教えるときや「There will come a day you have to stand before your people without them」(手袋を外して国民の前に立たねばならない日(=戴冠式)がくるんだぞ)と言うときなど事あるごとに手袋をした自分の手を気にしている演技をしていることに気がつきました。
どうしても舞台だと映画と違って見る場所が多く、ついつい喋っている登場人物ばかり目で追ってしまうため、この辺りは何度も見ていたにも関わらず見逃しておりました。
5)イデュナはクリストフ同様トロール(ないしHidden Folks)に育てられた?
私はてっきり「Call on us anytime. We love children. Raised a few strange ourselves」の「a few strays ourselves」はクリストフについての説明だと思っていましたが、 @moonboat_sr さんからこれにイデュナが含まれるのでは、と言われました。それを頭において舞台を観に行くと、それが多いにありえそうだということにある演技から気づきました。
このセリフを言うときブルダはイデュナの手を取って言っており、言い終わった後にイデュナは微笑んで「Thank you.」と言います。
その直後、間髪入れずに、アグナルの方へ振り返って「She can learn to control it. I'm sure of it.」(この子なら必ず制御できるようになるはず。絶対よ。)
アグナルが「Give me your gloves. Put these on Elsa.(略)」という流れになります。
ブルダとの会話の直後に、イデュナはエルサが魔法をコントロールできるようになる、と言い切れるわけです。
確実に言えることをまとめると...
- イデュナさんが何らかの形で、パビーたち Hidden Folks に関係がある(クリスタルのペンダントを持っている、呪文を知っている)
- 少なくともその先祖である「Northern Nomads」のことは Hidden Folks たちは認識している
- イデュナはもともと王族ではなく北方遊牧民の子孫であるため、Hidden FolksでさえアレンデールのQueenになるとは思っていなかった=どこかの段階でアグナルに嫁ぐことでアレンデール王家に入っている(ただし少なくとも人である)
- Hidden Folks は複数人の血縁のない(おそらく人間の)子どもを育てており、その子どもの一人であるクリストフはイデュナ同様呪文を知っている
<ここまでが言語化されている、あるいは視覚的に表されていること。
これ以降ははっきりと言及されないが、ほのめかされること。> - イデュナはブルダたちHidden Folksに育てられた可能性が高い(「Raised a few strays ourselves」)
- イデュナは魔法を使える可能性が高い(常につけている手袋、エルサの魔法についてアグナルのとる行動に対する反応、コントロールできるようになると言い切る発言)
- イデュナがつけているペンダントは何らかの魔法を抑える機能がありそう(事故直後のエルサに触れさせる)
- しかしペンダントはイデュナの魔法専用である可能性がある(エルサの魔法がそれで完全に抑えられるならそれを譲渡すれば良いはずだが、エルサには譲渡されない)
- 唱えているのがJoikであることやノルウェーの北方遊牧民であることから、サーミである可能性が高い
- クリストフもこのJoikを知っていて、サーミはトナカイを遊牧するのでクリストフも同じ北方遊牧民出身だった可能性がある
- さらにブローズンの舞台を囲っている柱には、トナカイと雪の結晶の象形文字?のような模様が彫られていることもわかっています。(画像参照)これらはFrozenの世界観独自のものなのか、元の文化に関係しているのか、私にはわかりません。サーミの文化に詳しい方、ぜひご協力をお願いしいます。
当然これらのことはあくまでブローズンではの話であって、例えばF1で登場したエルサとイデュナに共通して見られるブローチなどは一切登場していません。映画からブローズンになる過程でアグナルからいデュナに役割が変更された部分も、あくまで舞台版での話であり、これによって一昨目が改変されるわけではなく、何もはっきりとは言い切れません。ただし、脚本家と作曲家が同一で、続編の制作期間とかぶせて制作していた舞台版で、上記のような設定変更をわざわざ行っていることを元に考えると、@moonboat_sr さんのおっしゃるようにイデュナさんが何らかの形でトロールに関係していて、魔法とも関連性がある可能性は非常に高いとみてよさそうでしょう。
<エルサ> と <両親>
そして @moonboat_srさんが続けるのは再び両親の話。
前作で未消化なのはやっぱりパパママの「アンサー」だと思うのね。
— moon🌙アレンデリアンに戻ります (@moonboat_sr) 2019年2月14日
短編で姉妹は失われた時間(過去)と新しい家族の形(未来)を自力でつくり出したけど、何故こうなったのか(出生や魔力、両親の死の真実)と、娘として「私たちが選んだこの道でいいのよね?パパとママは喜んでくれてる?」っていう二つの意味の「アンサー」ね。
— moon🌙アレンデリアンに戻ります (@moonboat_sr) 2019年2月14日
まず、新しい家族の形(未来)については以前自分がツイートしていたのでそれを引用します。
関連してフローズンについて述べるなら、アナ・エルサ・オラフ・クリストフ・スヴェンの5人を「家族」として描いているのは素晴らしい提案。姉妹にこそ「血縁」はあるが婚姻も実質的な親子関係も存在しない。それでも彼らは「家族」。
— westergaard II @NYアレンデリアン (@westergaard2319) 2018年5月23日
ハンスが求めたのが「結婚」というカタチだったことが引き立つのだ
前に @LSAarendelle さんが、オラアド冒頭でユールの鐘を強調してたのに最後にはI don't need the bells to ringになることについて書かれてたが、要は「大事なのは "カタチ" じゃない」っていうのが一貫したメッセージなんだろうな〜。
— westergaard II @NYアレンデリアン (@westergaard2319) 2018年5月26日
アナも当初はいわゆる「真実の愛」っていうカタチを求めてた。 https://t.co/IVZ4GXgh04
そのことについて、ハンスに裏切られだんだん凍り付いていく中で歌うアナのソロ曲 "True Love" では、"I was looking for a fairy tale" (私が探し求めてたのは「おとぎ話」だったのね)って自分で歌うアナ。映画よりも、一段大人なアナだなって思う瞬間はやっぱりここ。https://t.co/QFVnW2pgKV
— westergaard II @NYアレンデリアン (@westergaard2319) 2018年5月26日
ちなみに "True Love"はブローズンで追加されたアナのソロ曲。ハンスに裏切られて、一人部屋に残されてだんだん凍りついていくアナが自分の最期を悟りながら歌うバラード。
@moonboat_srさんがおっしゃる「2つの意味の『アンサー』」
- 何故こうなったのか(出生や魔力、両親の死の真実)
- 娘として「私たちが選んだこの道でいいのよね?パパとママは喜んでくれてる?」
これらにつながるヒントがブローズンにないか、少しずつ検証していきましょう。
ブローズンではエルサがF1よりも両親について気にしていることがはっきりわかる描写が多く追加されています。
先ほど紹介したシーンで、アグナルがイデュナの手袋をエルサにつけさせることは説明しました。
アグナル:「Put these on. Keep it (magic/power) inside.」
映画と同様に、王は召使いを減らし、エルサと他の人との接触を最小限に抑え、アナとも隔離すると宣言します。
ブローズンではそれに対しイデュナが反対します。
イデュナ:「No! They're sisters! We can't expect them to stay away from each other!」
ここから再び歌に。(これもサントラに入っておらず劇場のみ。またこれも Monster のプリプライズに当たる部分。)
[エルサ]
Mother, it's how it has to be
(お母さま、きっとこうしなくちゃいけないのよ)
What's best for her is best for me
(アナにとって最善の選択なら、それは私にとっての最善なの)
Father, I'll do as you say
(お父さま、言われた通りにするわ)
[アグナル]
We'll help you to control it, I know we'll find a way
(お母さま、きっとこうしなくちゃいけないのよ)
[イデュナ]
Only until we gain more ansers in hand
(でも離れ離れになるのも、もっと別の答えが見つかるまでのことよ)
We'll find a way back
(一緒に方法を探しましょう)
[イデュナ&アグナル]
To be a family again
ここで四人は手を取り合おうとしますが、エルサはアナが差し出す手を握れずに走って去ってしまいます。
そしてDo You Want to Build a Snowman中に亡くなった両親は、フィナーレで舞台脇に再登場するDCAフローズンのとは異なり、カーテンコールまで2度と登場することはありません。しかし、エルサが度々「Father」「Mother」と呼びかけるかたちで言及されます。
まず、戴冠式を乗り切った直後。天井の方を見上げてエルサが笑顔で次のセリフを言います、
[エルサ]
Father, I did it! (無邪気に笑う)
曲としては Dagerous to Dream の最中。詳しくはこちら。
つづいてエルサが両親について言及するシーンは、「Let It Go」。
ブローズンのうち公開されている数少ない本編映像にabcのThe VIEWという番組で放映された映像です。ちなみにこんなに各所全てで歓声があがることは稀です。おそらくテレビの演出なのではないでしょうか。
ここでは「Father」「Mother」と言う言葉こそないものの、「Heaven knows I tried」という歌詞があるのは皆さんもご存知かと思います。私はこの「Heaven」が両親を指していると解釈しています。
それは「Heaven Knows I tried」が枕詞となって、アグナルに仕込まれ劇中なんどもエルサが唱えるあのマントラ「Don't let them in, don't let them see, be the good girl you always have to be, Conceal, don't feel, don't let them know」が導かれるからです。がこれはF1の時点でも言えることでした。
ブローズンで加わったさらなるヒントは、エルサの衣装にありました。戴冠式エルサのあの衣装、ブローズンではアナの口によってはっきりイデュナが着ていたドレスだったことが明かされます。それに気づいた時の私のツイートがこちら。
ブローズン 今日気付いたことメモ 03
— westergaard II @NYアレンデリアン (@westergaard2319) 2018年10月4日
エルサの戴冠式ドレスはイデュナの物だったらしい!
式の後アナがエルサのドレスを指してIt's mother's dress! And it perfectly fits you!って。手袋もドレスも母のもので、マントも戴冠式でつけられるから、レリゴーで吹き飛ばすことはそれらからの解放を象徴
となるとこの間 @1cVam さんと話していた、Heaven knows I've triedのheavenは、ますます両親のことを指すと解釈できそうかななんて思ったり。
— westergaard II @NYアレンデリアン (@westergaard2319) 2018年10月4日
ちなみにブロードウェイ版では、レリゴーの際ティアラは外しません。ウィッグの都合なのかもしれないけど。
「Let It Go」の終盤で、エルサが変身した時もともときていた戴冠式ドレスが消える件については、最近シュガラオでプリンセスに助けられたラルフがドレスを着た時、中の服が消えることとも関連して再び話題になりましたが。
ブローズンでは「Let It Go」の演出も異なる部分が多くあります。
まず、F1では最初のサビに入る直前の「Well now they know」で父アグナルからもらった手袋を飛ばし、最初の「Let it go」で有名なあの魔法を出しますが、ブローズン「Let It Go」ではサビの最初の「Let it go」でアグナルがつけさせた母イデュナの手袋を飛ばします。魔法はまだ使いません。
またF1では魔法を使い始めてすぐ「Can't hold it back anymore」でオラフwithoutニンジンを作りますが、ブローズンではその演出もありません。そして後ほど、オラフはニンジンまでついた状態でアナたちの元に現れます。これは「Let It Go」がF1の時系列と異なり、第一部の最後に移動されたことで、それよりも先にオラフが登場しなくてはならないことが関係していると思われます。
ただ、アレンデールの紋章の入った重たい長いマントをCold Never Botherd Me Anywayとともに吹き飛ばすところはF1もブローズンも同じです。
また、最後に変身するタイミングも「And I'm rise like a break of dawn」ではなくその手前の「Past is in the past」のあと最後のサビの「Let it go」の前の裏拍になっています。これは音楽的な盛り上がりと変身のタイミングを合わせることが関係しています。ここではほぼ必ず拍手が起こり「フォー」と歓声とともに会場全体が沸きます 笑。(Well, you know, this is broadway.)
さらに映画と異なるのはF1では「Past is in the past」で投げるティアラを投げません。これはブロードウェイショーの多くはマイクがウィッグについていることが関係していると思います。ただ髪の毛は一本三つ編みに手で直します。
つまりLet It Goが母イデュナから授かった「手袋」「ドレス」からの解放のように描かれている、ということが示されます。映画では父親に教わったマントラ「Conceal, Don't feel」からの解放が強調されますが、ブローズンでは衣装を通して母イデュナからの解放も描かれるのです。
つづいて、両親について言及があるのは、アイスパレスに訪ねてきたアナの心臓に魔法を直撃させてしまって混乱する中、ハンスたちが攻めてきてそれに応戦するシーンで歌われる「Monster」の最中。
こちらがその一節。
[エルサ]
Was I a monster from the start?
私は生まれつきモンスターだったの?
How did I end up with this frozen heart?
どうしてこの凍りついた心になってしまったの?
Bringing destruction to the stage
世界に破壊をもたらし
Caught in a war that I never meant to wage
関与する予定のなかった争いに巻き込まれて
Do I kill a monster?
モンスターは私自身で殺すしかないの?
Father
お父様
You know what's best for me
私にとっての最善を知ってるはずよね
If I die, will they be free?
私が死ねば、みんなは自由になるの?
Mother
お母様
What if after I'm gone
もしも私が逝った後
The cold gets colder and storm rages on?
寒さはさらに増して、嵐が強くなってしまったら?
ここでまた上を向いて両親に語りかけます。この時エルサは地面に跪いて、両手を合わせてすがるように上(おそらく両親のいる「Heaven」)を見ます。
もちろん二人は亡くなっていて、答えてはくれません。エルサは自分で答えを出します。
No, I have to stay alive to fix what I've done
ダメよ、私は生き続けて 自分のしでかしたことを解決しなきゃ
Save the world from myself
私自身から世界を救うの
And bring back the sun
そして太陽を取り戻すの
これが彼女の出した答えで、実際にこれを成し遂げます。そう、アナと一緒に。「together that's the key」という「A Little Bit of You」で歌われた言葉が全てのアンサーだったのです。
寄り道しすぎましたが、@moonboat_sr さんのおっしゃるエルサが両親に求める二つの「アンサー」に戻ります。
- 何故こうなったのか(出生や魔力、両親の死の真実)
- 娘として「私たちが選んだこの道でいいのよね?パパとママは喜んでくれてる?」
結局どちらもブローズンでは得ることはできていませんが、エルサとアナがそれぞれ自分が納得するかたちで見つけてそれに従い二人が手と手を取り合う(文字通り)ことで、凍りついた世界(と多分二人の関係性、と多分王家と国民の関係性)を解いていることがF1よりもわかりやすく描写されていることは確かであり、これらを加味すると、
両親との関係は1でレリゴーと大氷解を経て消化したと思ってるので、2で両親がメインには来ないと予想。
— ぽにょ (@1cVam) 2019年2月14日
でもブローズンで出てくるらしい、魔法がイデュナさんの故郷由来っぽいほのめかしは活かされる気がするので、魔法のルーツを辿る回想シーンとかで登場はしそう。
こちらのツイートで@1cVam さんのおっしゃるような意味での両親との関係性についてはF2で改めては言及されないパターンも多いにあるのではないかと個人的には考えています。
*記事を書き終わった後の追記*
記事公開前に@moonboat_srさんご本人に確認させていただいたところ、2つ目のアンサーについては次のように説明されていました。「」内はご本人のお言葉です。
「エルサの『呪縛』」=「パパママとのわだかまり」が「まだ解けていないと言う意味」ではなく「フローズンフィーバー(エルサプ)で姉妹が離れていた13年間を埋めようとしていたり家族の思い出(オラアド)で両親亡き後姉妹で新しい『アレンデール』『家族』『伝統』をつくっていくということについて、娘として、国を担う者として両親がどう思っているか」のアンサーのことを指しておられたそうです。
さてF2ではどのように両親との関係性が描かれるのか。
楽しみですね。
おわりに
ということでこのの記事では
以下の
- <エルサの魔法>と<オラフ>
- <イデュナ女王>と<トロール>
- <アナ>と<魔法>
- <エルサ>と<両親>
- <オーロラ>と<“The Sky Is Awake”(お空が起きてる)>
の5つの観点のうち
2と4について抜粋して紹介しました。これらを含む全ての内容は、以下の記事に掲載していますので、ご興味のある方はお時間のある時にお読みください。
この記事が、F2についていろんな想像や妄想を巡らせる姉妹ファンにとって少しでもヒントになればと願っています。
読んでいただいた方、ありがとうございました。
Frozen II 公開まで9ヶ月以上ありますが、公開までの間の謎解きは今しか楽しめませんので、公開されているヒントを集めながら考察して楽しんでいきましょう。笑