westergaard 作品分析

映画、ミュージカル、音楽、自分が好きなものを分析して語ります。

日本の「ディズニー」における「レインボー」の "政治性脱色化" ?!(ディズニーストアとディズニーリゾートのレインボーグッズの間の決定的な違い)

 

はじめに

小学校の3年生までの授業で、性的指向性自認に関する話題を取り上げることを規制する」法案、通称「Don't Say Gay Bill (ゲイと言ってはいけない法案)」がフロリダで可決され、それに伴ってディズニー社(広義)内で色々な事件が立て続けに起こってきた。挙げ句の果てにはフロリダ州は、ウォルトディズニーワールドに対して特別に認めている「自治権」を剥奪する法案を通してしまうなど騒がしい。

そんな中迎えた4/22-24の東京レインボープライドの週末。コロナ禍なのもあって2年ぶりにパレードが物理的に開催されることになる。

当ブログの筆者 westergaard は、4/22金に東京ディズニーランドと舞浜イクスピアリのディズニーストアに行って、双方の「レインボーグッズ」なるものを見てきたが、両者にかなり顕著な差が見られたということで、この週末に際して一本書いておかねば、ということになった。

もちろん前提としてPRIDEやLGBTQ+に関する政治的な運動を「利用」する商品化がいかがなものかという問題があるのは認識しているが、その商品化されたビジネスをする上で、どのように振る舞っているかというのをこの記事の焦点としたい。商品化の時点でダメだという一辺倒な切り捨て方は、まずここでは一旦はしないことにする点、ご承知いただきたい。

時は5年遡る。

 

東京ディズニーリゾート:2017年のレインボーシャツ / 当時の海外パーク

2017年4月下旬、パークで販売されたのが、5キャラ分のシャツを並べると虹がかかるというレインボーTシャツだった。このレインボーシャツには、いわゆる日本の文脈における虹の認識としてひろく共有されているような「7色」で虹が描かれていたし、PRIDEやLGBTQ+コミュニティの象徴のカラーとしてのレインボーであることが明記されてはいなかった。
しかし、これが発売されたのは2017年の4/21金で、その年の東京レインボープライドは4/29から開催だった。偶然にしては出来過ぎている。

mezzomiki.jp

そもそも2017年時点で、海外のディズニー直営パークスにおいてはPride Monthが祝われており、ピンバッジをはじめとする公式のPRIDEグッズが展開されていた。

www.popsugar.com

アメリカのディズニーランドでは1990年代から GAY DAYS が、ディズニーランドパリでは2014年から MAGICAL PRIDEが、それぞれ非公式に祝われてきた。

イベント自体は非公式だったが、それでも多少なりともレインボーカラーのグッズがPRIDEと関係する形で展開されることも増えていき、2018年には公式でPRIDEのためのレインボーからのミッキーのイヤーハットが販売され、2019年にはディズニー系列のテーマパークで初めて公式にLGBTQコミュニティーを祝うイベントを開催するに至った。その後もディズニーの公式グッズ販売サイト shopDisney や Disney Parks ではPRIDE月間には多くのレインボーグッズが出て、その収益がLGBTQ+コミュニティの支援につながるキャンペーンが展開されるようになってきていた。

www.orlandosentinel.com

www.mic.com

www.huffingtonpost.jp

 

日本のディズニーストア:2021年のPRIDE Collection

日本のディズニーストアは、東京ディズニーリゾートを運営しているオリエンタルランドとは(今は)全く関係なく、ウォルト・ディズニー・カンパニー(米国本社)の日本法人ウォルト・ディズニー・ジャパンが展開する実店舗だ。

日本のディズニーストアでは、2021年に初めて、グローバルで展開する LGBTQ+コミュニティへの支援の動きの一環として、THE WALT DISNEY COMPANY PRIDE COLLECTIONを初めてリリースした。日本では売り上げの一部が、認定NPO法人『虹色ダイバーシティ』に寄付をされることもプレスリリースで報じられた。

prtimes.jp

しかし、実際の店舗では、「RAINBOW COLLECTION」として看板が掲げられ、小さくLGBTQ+コミュニティの支援へ寄付がなされるということが表記されているだけであった。つまり基本的には「レインボーカラーなグッズ」として訴求しているのがあくまでメインで、それが「PRIDE」に関係しているかどうかは細かい説明まで読むか、文脈を既に知っていない限り店頭でのゲストには伝わらないようになっていた。

またSNS上では、次のように発信していた。

確かにここには「Pride Collection」と明記はしているものの、「レインボーカラーがとっても鮮やか」という表現で、あくまでレインボーなグッズであり、LGBTQ+コミュニティとの関係性については全く触れられていない。絵文字の選び方も「虹」のアイコンであり、「レインボーフラッグ」のアイコンではないものが使用されている。

このグッズが展開されていた2021年4月には、ツイッター上でこのことや実店舗での説明の不足についての指摘が一定数見られた。批判のポイントは、LGBTQ+コミュニティへの支援というある種政治的な意味合いが「脱色化」されていることだった。そういった人権に関する政治的な話はサニタイズし、「純粋無垢な」レインボーカラーの鮮やかなグッズですよ、という風に見せていることが、PRIDEグッズとして展開している意義を骨抜きにしてしまうのではないかという指摘だ。もちろんPRIDEに関係なく「レインボーからの鮮やかなグッズ」として買った人の落としたお金の一部も寄付されることになっていたとしても、だ。

 

日本のディズニーストア:2022年のPRIDE Collection

1年後の今年、ディズニーストアとオンラインのshopDisneyで扱われる2022年のプライドコレクションの取り扱い方には少し変更が加えられた。

まずツイッターでの発信が変更されて、LGBTQ+の社員が中心となって企画されている(これは米国本社でのことだろうが)ことが明記され「すべて人が自分らしく、輝ける世界へ」というメッセージが添えられた。(ただし相変わらずレインボーロゴはあくまで虹でありレインボーフラッグのアイコンには変更されていないし、また寄付についてはこのツイートだけでは、サイトに飛ばない限りわからない仕様だ。)

 

寄付先となる組織がかなり詳細に紹介されているし、https://twdcpridecollection.com/apac/twdcpridecollection_japan_ja.pdf

購入用のWebページにおいても明確に「すべての人が自分らしく、輝ける世界へ」と書き(これが十分かどうかは議論の余地があるが)、明確にLGBTQ+コミュニティへの支援の一環であることがわかるようにページトップに文章が添えられている。

shopdisney.disney.co.jp

また店頭においても、2021年の「RAINBOW COLLECTION」という政治性を脱色化した書き方ではなく、はっきりと  PRIDE COLLECTION であることが伝わるような表記に変更されていた。

また、商品の横に添えられたインフォメーションボードは前年よりも大きくなり、説明の文章こそそこまで詳しくなったわけではないが、アクティヴィズムと連動していることがひと目でわかるような画像が添えられるようになったことは変化した点だ。

また、この画像は2021年の様子の画像と同じ、東京ディズニーリゾートのある舞浜のイクスピアリ内のディズニーストアで撮影したものだが、同じ店舗でも扱う面積が前年より大きくなっているのもひと目でわかる通りだ。販売初日2022年4月22日、東京レインボープライド2022の初日に撮影したものだ。

前年のSNS上の批判がどの程度の影響力を持ったかは不明だが、このようにディズニーストア実店舗とウェブショップ、そしてSNSでの広報において、政治性の脱色度合いが多少ではあっても確実に薄くなったことが見受けられた。

 

東京ディズニーリゾート:2022年のレインボーグッズ

一方、同じに日にインパークして撮影した東京ディズニーランドの最大のお土産店、グランド・エンポーリアムの様子がこちらだ。

そう、またしてもPRIDEと関係あるとは書かれていない、けれども謎にレインボーなグッズが「たまたま」4月後半に販売されている。こちらの販売日はストアのPRIDE COLLECTIONの発売の前日、2022年4月21日にリゾート内で発売された。東京レインボープライド2022のまさに前日だ。

グッズを寄りで見てみる。

ご覧の通り、またしても5年前のシャツと同じだ。

  • PRIDEと関係あるとは全く言及されていない
  • 寄付とも関係ない
  • レインボーフラッグの6色ではなく、あくまで虹の7色である
  • けれども「たまたま」東京レインボープライドの直前に発売された

最後の画像のメインアートを見てもわかるように、正直言って「Tokyo Disney Resort」の文字の収まりからいっても、帯になっているリボンのデザインは6色の方が良さそうなデザインだ。笑

 

もちろんキャラの数が7だから7色にしたのだし、虹は日本では7色が普通だから7色なんだ、ということもできるしそれは自然なことだ。また虹色はハッピーな色で、鮮やかな色のグッズを出すことと、PRIDEなんて必ずしも関係ないのだし何でもかんでもLGBTQ+に結びつけるんじゃない!という意見も当然あるだろう。

だったら、年中売ればいいのではないか? 別に4月に合わせる必要ないよね?というのも一方で言えないだろうか。

 

ここには大きな問題が潜んでいる。

 

第一に、2021年のストアと決定的に違うのは、2021年のストアが「寄付はする」けど「売り場で明記しない」だった一方で、2022年のディズニーリゾートは「寄付もしない」し「あくまで関係ない」としつつも「PRIDEグッズかのように見えなくもない」という状況であることだ。

 

もちろんこれは「PRIDEグッズではない」から「寄付をしないこと」が責められる正当な理由はないし、「売り場で明記しない」ことも責められる根拠は全くない。それでも、パークを出てイクスピアリのストアに行けば、あるいはパークに来る前に地元のストアによれば、そこではPRIDEグッズとしてLGBTQ+コミュニティへの寄付が行われる「ディズニーグッズ」が展開されているのだ。時を同じくして、「たまたまレインボーなグッズ」がパークで並べられていて、別にそうであると名言はしていなくても「まるでPRIDEグッズかのように見える」ものが完全に政治性を脱色した形で置かれている状況には、問題意識を覚えずにはいられない。

 

しかし同時にこの状況は、「PRIDE」や「レインボー」が「強い政治性を持つもの」として見られている日本の文脈の表れだ、とも捉えられる。
パークが「まるでPRIDEに被せているかのように見える」にもかかわらず「あくまでPRIDEとは関係ない」としながらもレインボーグッズを展開することの背景にある意図がはっきり明かされることはないが、推察するに、「現実の世界の政治問題を持ち込みたくない」というロジックがどこかの意思決定で働いている可能性がある。つまり、少なくともOLCの考えの中では「PRIDE」や「レインボー」に「政治っぽさ」があることが含意されていて、その政治性を持ち込みたくない、というロジックが働いているとする。そうなるとむしろ「PRIDE」や「レインボー」は過度に脱色化されているわけではないという、認識があるということになるわけだ。

何でもかんでも消費の対象にして/されてしまうという意味で「PRIDE」や「レインボー」自体が「政治的に脱色化されている」ことが批判されることのあるアメリカなどの文脈とは、ここが異なるのかもしれない。

どちらにしても、レインボーグッズをこのタイミングで出すのにもかかわらずPRIDEとまるで関係ないようなフリをしつつ、しかも実質的にはなんら支援をするわけでもないOLCは、このレインボーを象徴として掲げ、現行の社会制度や社会的認識において虐げられている自らの人権について主張するこの政治的な運動を嘲笑い、そこにフリーライドして利益を上げようとする行いとして批判的に見られても全くもって仕方がない行為であることを、OLCのいち消費者としてここに指摘しておきたい。

また消費者の声の影響がどこまであるかはわからないが、一年で取り組みの姿勢を変えたウォルトディズニージャパンの運営するディズニーストア並びにshopDisneyについては今後も今年のようなスタンス、あるいはさらにもっと踏み込んだ形でPRIDEに取り組んでいくことを期待したい。

 

 

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アカデミー賞授賞式 特別パフォーマンス版 We Don't Talk About Bruno 歌詞・和訳!

はじめに

良くも悪くも異例の自体が連発した第94回アカデミー賞授賞式が米国時間2022年3月27日の夜に行われた。

長編アニメーション賞は、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの記念すべき60作品目の『ENCANTO / ミラベルと魔法だらけの家』が受賞した。

そして今回の授賞式での楽曲パフォーマンスとして、ノミネートされていたわけでもなかったが(日本など一部地域を除いて)世界的に大ヒットし、2013年の「Let It Go」を上回るヒットとなったアンサンブルソング「We Don't Talk About Bruno」が披露された。


www.youtube.com

そもそもこの曲がノミネートされなかったのは、ディズニー側がこの曲のヒットを予測できず、そもそもノミネート候補として提出していなかった背景があったという。(詳しくはコチラ https://variety.com/2022/awards/news/we-dont-talk-about-bruno-encanto-oscars-1235147940/ )提出していたのは同様にパフォーマンスが行われたもう一曲、Dos Oruguitasのほうだ。こちらも惜しくも賞は取れなかったが作品を象徴するナンバーで、Sebastián Yatraによるパフォーマンスは本編用のレコーディングのものほぼそのままのような歌声を世界中に生で届けてくれた。

もっとも、作曲家のリン=マニュエル・ミランダが、家族がコロナ陽性のために念の為に出席が不能になったという話は残念極まりないことであるが。

 

さて、物議を醸しているのは、We Don't Talk About Bruno が、「世界中のファンたちが望んだ通り」にパフォーマンスされなかったことだ。

もともと当初発表された際には、Adassa(ドロレス), Stephanie Beatriz(ミラベル), Mauro Castillo(フェリックス), Carolina Gaitan(ペパ) そして Diane Guerrero(イサベラ)というオリジナルの声を当てたキャストたちが歌うということだったので、誰もが映画のあの通りのバージョンを生歌で披露してくれるのだろうと思っていた。

しかし、実際にはペパとフェリックスの1ヴァース目を、CastilloとGaitanで歌い始め、そこにAdassaとBeatrizとGuerreroが加わる形で歌った後は、Megan Thee Stallionによるラップパートがしばらくつづき、その後 ドラマーのSheila E.の演奏がフィーチャーされながら、 Becky G と Luis Fonsiが入場してきて最後を飾るという構成になっていた。

Megan やBecky G、Luis FonsiやSheila E.ファンなら、かれらがヒット曲ブルーノを歌ってくれたという大サービスとして受け取っただろうが、すべてのエンカントファンがかれらを知っているわけではないだろう。

またMeganがラップし始めて以降、変更されていた歌詞が聞き取れなかったという人もいるだろう。ということで、本記事では歌詞の内容の和訳と、かれらが何者なのか、どんな関係があったのかを軽くまとめたいと思う。

歌詞だけパッと見たい方は、ざっとスクロールして下へ!!

(ちなみに、今の所映画版を実際のキャストが全員で生で歌ったことのが確認されているのはフランス版だけだ。これは映画公開前か公開時のイベントとして行われたもののようで、フランスではこの曲のヒットが予見されていたかのようだ。残念ながら、その動画は消されてしまい、2022年3月末現在視聴できなくなっている。)

 

ゲストとして歌ってたあの人たちは何者? ブルーノと何の関係があるの?

まず一人目

Megan Thee Stallion(メーガン・ジー・スタリオン)はラッパーでヒップホップミュージシャン。2020年にはビヨンセをフィーチャーした「Savage Remix」や、カーディBと出したシングル「WAP」で全米ナンバーワンヒットを記録したアーティストだ。


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彼女は自身の主張によれば、祖母が基本的にメキシコ人だ(basically Mexican)としていて、それゆえ彼女がブラックメキシカンである、ということになっている。つまりENCANTOで描かれたコロンビアがそうであったように、ラティーノの中のミックスルーツのアーティストで近年注目を浴びた象徴的なひとりとして抜擢されている可能性が高い。

またラップをブロードウェイに持ち込み、その功績からディズニーアニメーションへもラップミュージカルを持ち込むことになったリン=マニュエル・ミランダの功績を考えればディズニー作品の曲のパフォーマンスでラッパーが起用されるということの意義も大きいように思える。

ちなみにドロレスの声を努めた Adassaは、レゲトン(Reggaeton)シンガーであるとされている。レゲトンとはレゲエ+メガトンでヒップホップやレゲエ、R&Bベースの曲にスペイン語のラップが乗るスタイルで、80年代から90年代にアメリカのヒップホップから影響を受けたプエルトリコ人が生み出したとされている。まさにプエルトリコ出身のリン=マニュエル・ミランダソングのルーツのひとつだろう。ちなみにディズニー関係でいうと、ズートピアのガゼル役のシャキーラレゲトン歌手であると分類されることがある。

Becky G.(ベッキー・G)は、シンガーソングライターで、英語とスペイン語の2言語で歌うポップ歌手であるとともにラテン歌手でもある。


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2014年の「Shower」が大ヒットし、Billboard Hot 100で16位を記録したことで有名になった。2016年からラテン音楽もリリースするようになり数々のコラボ曲で中南米の国々でも特に良い反響を得ていたという。とにかくラテン系のポップ音楽の世界における期待のスターであるというのが抜擢の理由だろう。ちなみに彼女の両親もまたメキシコ系アメリカ人だ。

Sheila E.(シーラ・Eはドラマーで、70年代から活躍していた長いキャリアのアーティストだ。父親はメキシカンでラテンパーカッション奏者であるという。


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母親はフランス系とアフリカンのクレオールでシーラ自身もまたミックスルーツのラティーノだ。

Luis Fonsi(ルイス・フォンシ)が選ばれた理由は明確だ。
彼もまたプエルトリコ出身で、2020年10月に初めて再生回数が70億回を突破したミュージックビデオとなった「Despacito」をリリースした事で有名だ。スペイン語の曲としては1996年以来はじめて Billboard Hot 100 で1位となった曲であり、結果振り返ってみれば「ブルーノ」がヒットする背景となった、アメリカにおける「ラテンポップ」ブームの土壌を整えていたアーティストと言っても良いほどだ。


www.youtube.com

 

ということで共通しているのは、ミックスルーツのラティーノか、ラテン系アメリカ人の二世といったエスニックバックグラウンドや、ラテン音楽やラテンポップのスター的存在といったところだ。つまりブルーノそのものをパフォーマンスするよりも、これまで存在していたにもかかわらず、これほどまでに大々的な社会現象になるほどにまでフィーチャーされることがそうそうなかったラテン系音楽のアーティストたちをブルーノの世界的(日本は除く)ヒットを機に取り上げてセレブレートしよう!という意図が背景にあったようだ。

このことはここ数年のハリウッドの変化を見ていれば納得のいくことであり、社会的な文脈を踏まえている妥当な選択であろう。

ということで、「この人だれ?ブルーノとなんの関係があるの?」と思った方はぜひかれらの楽曲もYouTubeなどで聴いてみると、より一層ENCANTOの音楽のルーツを知ることができるのではないだろうか。

 

変更の加えられた 歌詞・和訳

[Carolina Gaitan (Pepa)]
We don't talk about Bruno, no, no, no
We don't talk about Bruno
(触れちゃダメ ブルーノのことは)
We don't talk about Bruno, no, no, no
We don't talk about Bruno, hey! But!
It was my wedding day
(触れちゃダメ ブルーノのことは ヘイ!でも
 あれは私の結婚式の日)
 

[Mauro Castillo (Félix)]
It was our wedding day
(結婚式の日)

[Carolina Gaitan (Pepa)]
We were getting ready
And there wasn't a cloud in the sky

(準備してたときは 雲ひとつない晴れだった)

[Mauro Castillo (Félix)]
No clouds allowed in the sky
(雲ひとつない晴れじゃなきゃいけなかった)

[Carolina Gaitan (Pepa)]
Bruno walks in with a mischievous grin
(そこにブルーノがニヤリと現れて)

[Stephanie Beatriz (Mirabel)]
Thunder!!
(雷ドッカーン!!)

[Carolina Gaitan (Pepa)]
You telling this story or am I?
(あんたが話すの?それともわたし?)

[Mauro Castillo (Félix)]
I'm sorry, mi vida, go on
(ああごめん きみが続けてよ)

[Carolina Gaitan (Pepa)]
Hey!
(ヘイ!)


[Adassa (Dolores)]
Bruno says, "It looks like rain"
(ブルーノが言うの「雨のようだね」と)

[Stephanie Beatriz (Mirabel)]
Oh, why did he tell us?
(もう なんでそんなこといったの?)

[Adassa (Dolores)]
In doing so, he floods my brain
(そうして私の頭は 雨のことで溢れた)

[Stephanie Beatriz (Mirabel)]
Abuela, get the umbrella
(ばあちゃん 傘をもってきた)

[Diane Guerrero (Isabela)]
Married in a hurricane
(ハリケーンの中での結婚式)

[Mauro Castillo (Félix)]
What a joyous day, but anyway
(楽しかったけど まあなんにせよ)


[ALL]
We don't talk about Bruno, no, no, no
We don't talk about Bruno
(触れちゃダメ ブルーノのことは)

[Carolina Gaitan (Pepa)]
Hey!
(ヘイ!)

[Megan Thee Stallion]
Every day all the kids wanna hear "Bruno"
(毎日 子どもたち「ブルーノ」聞きたがる)
Bruno this, Bruno that, it's a new "Let It Go"
(これもブルーノ あれもブルーノ まさに新レリゴー)
Oh my god, Lin, you see what you have done?
(まじかよ リンさん ナニしでかたかわかってる?)
On Hollywood's biggest night, best in all of cinеma
(このハリウッドの大事な夜に 映画界の最高の夜に)
Magic everywherе, stars everywhere
(魅力に溢れ スターに溢れ)
I need to see Oscars, Zendaya over there
(オスカー像みなきゃ ゼンデイヤもいるし)
Oh, no, we got three hosts
(あら まあ ホストは3人*もいるし)
※今年のホストは3人とも女性:レジーナ・ホール、エイミー・シューマー、ワンダ・サイクス
These women are the best and they killing all the jokes
(彼女らは最高 どのジョークもキマってる)
So many nominees, all of them are nervous
(たくさんの候補者 誰もが緊張)
I've seen all the envelopes, they're behind the curtains
(受賞者の書かれた紙の入った封筒みたよ カーテンの向こうに)
Party like a hottie, got Versace on my body
(いかした女性らしく盛り上がって ヴェルサーチの服身につけて)
I ain't talkin' bout, yeah, I'm talkin' all money
(話してるのは そう カネのこと)
Believe I'm up next, I'm coming for that gold
(信じて私の次の出番 その金ピカ目当てで来てやるの)
You can add it to my shelf, Academy Award
(うちの棚に加えなきゃ アカデミー賞を)
Oh no, it's time for the show
(あら まあ ショーの時間だったわ)
Young Tina Snow, don't talk about Bruno (Ah)
ティナ・スノー* もブルーノには触れないよ!)

※メーガンが2018年に出してトップ10にランクインしたミックステープのタイトルが「ティナ・スノー」だった

 

[Becky G and Luis Fonsi]
We don't talk about Bruno, no, no, no
We don't talk about Bruno
(触れちゃダメ ブルーノのことは)

Where everyone can unite (And I see Denzel)
(誰もが一つになれる場所)デンゼル・ワシントンさんがそこにいるね)
It's finally Oscars night (Shout out to Lin-Manuel)
(ついにオスカー授賞式の夜)(リン=マニュエルに向かって叫べ)
Three women host now that's the way (They would make any full pay)
(3人の女性ホスト こうでなくっちゃね!)(ギャラはしっかり払われるだろう)
<赤字箇所は、音楽が大きすぎて聞き取りに自身がありません。なお情報提供ありがとうございました Twitter @peppermint0108 さん>

We're here to celebrate Oscars
(We're here to celebrate Oscars)
(オスカー授賞式をお祝いしよう)

We're here to celebrate Oscars
(We're here to celebrate Oscars)
(オスカー授賞式をお祝いしよう)

Academy Award
Celebrate tonight!
アカデミー賞を 祝おう今夜!)

 

 

 

*********************


ということで、ブルーノの曲が頭の中から離れないという「症状」をお持ちのみなさんには、とっておきの特効薬をご紹介してこの記事を終わりにしたいと思います。
その名も ENCANTIX です。(※ジミー・キメル・ライブのネタ動画です笑)

youtu.be

 

【ゆめっち 熱唱】ミラベルと魔法だらけの家「Surface Pressure / 増していくプレッシャー」歌詞&和訳

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はじめに

『Encanto/ミラベルと魔法だらけの家』のミュージカルナンバーの対訳つけています。
今回は、ミラベルの姉で、フリエッタの次女ルイーサが自分のおかれた状況を語る「Surface Pressure/増していくプレッシャー」。

ルイーサは、日本語吹き替え版では、お笑いトリオ「三時のヒロイン」のゆめっちが声を当てているキャラクターです。

怪力のギフトを手にしたルイーサは、周りの人が持てないような重いものをなんでも軽々持ち上げるため、あらゆることで頼られていますが、実際には彼女は持てると期待されているから持てないはずがない、と自分をどんどん追い詰めていってしまっていますが、ミラベルから心配されるまではそのことを誰にも打ち明けられていなかったようです。

自分が出来ないで他に誰ができる?と問い詰め、自分自身に負荷をかけ続けている状況について、自覚的に語るのがこのナンバーになっています。

 

今回歌詞の歌詞翻訳を担当した高橋亜子さんは、つい数日前にこちらでインタビュー記事が出ているので掲載しておく。

www.felissimo.co.jp

また作品全体についてはこちらに軽く書きました。

 

ikyosuke.hatenablog.com

 

原語歌詞日本語対訳吹替歌詞

原語歌詞は斜体英字吹替歌詞(高橋亜子)は斜体日本語westergaardによる対訳は紫字


www.youtube.com

 

I’m the strong one,
I’m not nervous,
I’m as tough as the crust of the earth is.
私の強さは 地球の地盤と同じ

私は強いの 心配事なんてない
地球の地殻と同じくらいのタフさ

 

I move mountains,
I move churches,
And I glow ‘cuz I know what my worth is.
山だって動かす それが私の証

山々動かし 教会動かし
私が輝くのは 自分の価値を分かってるから

 

I don’t ask how hard the work is,
Got a rough, indestructible surface.
Diamonds and platinum, I find ‘em, I flatten ‘em.
I take what I’m handed, I break what’s demanded, but. . .
この手でダイヤモンド 砕くことだって出来る
みんなのためなら 何でもやる 作って運んで壊しまくる でも

やる仕事が どれだけキツいか尋ねない
原石のままの 割れない表面
ダイヤモンドやプラチナを 見つけて叩いて伸ばす
渡されたものは手に取るし 求められたものは何でも壊す でも

 

Under the surface,
I feel berserk as a tightrope walker in a three-ring circus.
心では まるでサーカス ずっと綱渡りしてるんだ

表面下では 手に負えない恐怖を感じてる
サーカスで綱渡りをする演者かのように

 

Under the surface,
Was Hercules ever like “Yo, I don’t wanna fight Cerberus?”
この胸の ヘラクレス 闘いから逃げていくんだ

表面化では
ヘラクレスも「ケルベロスとは闘いたくないな」って感じだったのだろうか?

 

Under the surface,
I’m pretty sure I’m worthless
If I can’t be of service.
でもわかる 逃げれば消える私の価値が

表面化では
わかってるの 役に立てないのなら 自分の価値ないと

 

A flaw or crack,
The straw in the stack
That breaks the camel’s back,
What breaks the camel’s back? It’s
このままじゃ いつの日か わずかな刺激で 崩れるかも

裂け目 割れ目 藁のように積み重なり
硬いラクダの背中を壊すものは? そう

 

Pressure like a drip, drip, drip, that’ll never stop, whoa,
Pressure that’ll tip, tip, tip, ’til you just go pop, whoa-oh-oh.
いつしかずんずん増してくプレッシャー うぉお
心がパンパンパンと弾けそう おおおお

ポタポタ止まらず垂れてくる プレッシャー
どんどん重さで傾く天秤が ひっくり返るまで

 

Give it to your sister, your sister’s older,
Give her all the heavy things we can’t shoulder.
任せて信じて 大丈夫
重たい荷物が持てなきゃ

お姉さんに任せな 年上だから
担げない重いものは全部 彼女に任せな

 

Who am I if I can’t run with the ball?
If I fall to. . .
私の価値はないの 負けない

もし持てないなら 私は何者なの?
もし負けたら

 

Pressure like a grip, grip, grip, and it won’t let go, whoa,
Pressure like a tick, tick, tick ’til it’s ready to blow, whoa-oh-oh.
それでもどんどん増してくプレッシャー うぉお
止まらずチクタク追いかけてくるの おおおお

グッグッと増して 消え去ることないプレッシャー
爆発するまでチクタクと 増していくプレッシャー

 

Give it to your sister, your sister’s stronger,
See if she can hang on a little longer.
任せて信じて大丈夫
もしつぶれたらその時

お姉さんに任せな 力持ちだから
もうちょい耐えられるはずだから

 

Who am I if I can’t carry it all?
If I falter. . .
私の価値はどこに? やらなきゃ

もし持てないなら 私は何者なの?
もしくじけたら…

 

Under the surface,
I hide my nerves, and it worsens, I worry something is gonna hurt us.
本当は家族を守れなく不安が募る

表面化では
神経を隠すの 状況が悪化して 私たちを傷つけるんじゃないかと心配

 

Under the surface,
The ship doesn’t swerve. Has it heard how big the iceberg is?
目の前に 現れた氷山から逃げ出したい

表面化では 船はすぐ曲がれない 聞いてる?ぶつかる氷山どれほど大きいか

 

Under the surface,
I think about my purpose.
Can I somehow preserve this?
この力 どこまで持つか自分に聞くの

表面化では
自分の目的について考えるの
このまま続けられのかと

 

Line up the dominoes,
A light wind blows,
You try to stop it topplin’ but on and on it goes.
ドミノ倒す 風を止める度 またもや次の風が

ドミノ並べ 風が吹いて 倒れるの止めようとするのが続く

 

But wait -
If I could shake
The crushing weight
もしも 重荷を 下ろしたら

でも待って
もし振りはらえたら この苛酷な重荷を

 

Of expectations,
Would that free some room up for joy,
Or relaxation,
Or simple pleasure?
喜びに満たされるのかな 胸の鼓動 身を委ね

他者からの期待ではなく 喜びに場所を譲れたら
あるいは息抜き それか単純に楽しさへと

 

Instead we measure
This growing pressure
空の果て それでもプレッシャー

測るのではなくて
この増え続けるプレッシャーを

Keeps growing,
Keep going,
重く 重く

‘Cuz all we know is. . .
襲ってくる

増え続ける 増え続ける
だって私たち家族がわかってるのは

 

Pressure like a drip, drip, drip, that’ll never stop, whoa,
Pressure that’ll tip, tip, tip, ’til you just go pop, whoa-oh-oh.
果てなくずんずん増してくプレッシャー うぉお
心がパンパンパンと弾けそう おおおお

ポタポタ止まらず垂れてくる プレッシャー
どんどん重さで傾く天秤が ひっくり返るまで

Give it to your sister, it doesn’t hurt and
See if she can handle every family burden.
任せて私は平気 たとえ曲がっても折れない

Watch as she buckles and bends, but never breaks.
No mistakes just
家族のためつぶれはしない 決して そう

お姉さんに任せな 傷つくことないから
家族の重荷 なんとかこなせるはずだから
折れ曲がっても 壊れはしないから
間違いなく ただ…

 

Pressure like a grip, grip, grip, and it won’t let go, whoa,
Pressure like a tick, tick, tick ’til it’s ready to blow, whoa-oh-oh.
いつしかどんどん増してくプレッシャー うぉお
止まらずチクタク追いかけてくるの おおおお

グッグッと増して 消え去ることないプレッシャー
爆発するまでチクタクと 増していくプレッシャー

Give it to your sister and never wonder
If the same pressure would’ve pulled you under.
任せて信じて大丈夫
これができなきゃ私の

お姉さんに任せな なにも考えず
プレッシャーがのしかかってきたら

Who am I if I don’t have what it takes?
存在価値ないでしょ?

背負うものないなら 私は何者なの?

No cracks, no. . . breaks,
負けない

ヒビなんてない 壊れやしない

No mistakes!
No pressure!
感じない プレッシャー

間違いない! ゼロプレッシャー!

 

 

 

 

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【大問題の吹替歌詞⁉】ミラベルと魔法だらけの家「All Of You / 奇跡はここに」歌詞&和訳

f:id:ikyosuke203:20211226210059p:plain

はじめに

ミラベル、劇場公開終わっちゃいましたね。
そしてディズニープラスでの配信が始まりましたね。

劇場で見られなかった方、字幕上映がなかった地域の方も、観られるようになる日がはやくきたことは嬉しいことですが、コロナ禍で劇場公開期間が短いのが「あたりまえ」になって定着してきているのはハリウッドのビジネス自体が変化しているから仕方ないものではあるものの、なんだか悲しい部分もありつつ…

 

さて今日ご紹介するのは、ミラベルのラストのナンバー「All Of You / 奇跡はここに」です。
この曲、実は致命的な翻訳のミスが有るということで巷では話題になっていますよね。
この記事では、いつもどおり原詞、高橋亜子の吹替歌詞、わたしの日本語対訳の三つを並べた後で、その問題の件について書きたいと思います。

この曲登場人物が多いので歌詞部分が長くなりますが、歌詞を知ってるよという方はスクロールしていただいて、問題について述べる箇所まで行ってください。

ちなみにその「問題」というのは、ストーリー全体の落ちや、メッセージ自体を大きく歪ませてしまう可能性があるくらいの大きさの問題をはらんでいる「誤訳」で、もっと話題になってもいいのではないかと思っている程です。

それではまずは歌詞を。

原語歌詞&日本語対訳&吹替歌詞


www.youtube.com

 

原語歌詞は太い斜体英字吹替歌詞(高橋亜子)は太い斜体日本語westergaardによる対訳は細字

[Mirabel]
Look at this home,
We need a new foundation
壊れたら 建て直せばいい
みてこの家を 新しい基礎が必要ね

It may seem hopeless,
But we'll get by just fine.
大丈夫 家族がいる
希望がないようでも きっと大丈夫になる

Look at this family,
A glowing constellation
夜空に光る 星座のように
みてこの家族を まるで輝く星座ね

So full of stars,
And everybody wants to shine.
みんなが 輝いているよ
星々で溢れてる 誰もが輝きたがってる

But the stars don't shine, they burn,
And the constellations shift.
誰もがそう 大切な星
でもね 星々は輝いてるんじゃない 燃えているの
しかも星座だって変動するの

I think it's time you learn:
You're more than just your gift.
ひとりひとりが 宝物だよね
そろそろ みんな学ぶときだよ
自分は自分のギフト以上の存在であることを

 

[Abuela Alma]
And I'm sorry I held on too tight,
Just so afraid I'd lose you too.
家族を守るため してきたの 厳しく
ごめんなさい 私が固執しすぎたがために
ただあなたたちまでも(ペドロと同じように)
失うのを恐れすぎて

The miracle is not
Some magic that you've got,
The miracle is you, not some gift, just you . . .
The miracle is you.
でも奇跡は魔法じゃなく あなたたちよ
あなたたちこそ かけがえのない
奇跡は あなたたちの魔法ではない
奇跡は あなたたちであってギフトではない
あなたたちそのものが奇跡なの

[Abuela Alma, Julieta, Pepa]
All of you, all of you.
家族 家族
あなたたち皆が あなたたちのすべてが

 

[Camilo]
Okay so . . . we gonna talk about Bruno . . . ?
じゃあもう話していいのかな ブルーノ?
なら ブルーノのことを話す?

[Antonio]
That's Bruno!
あれ ブルーノ?
あの人がブルーノか!

[Bruno]
Yeah, there's a lot to say about Bruno:
ああ 話すこと沢山あるよ
ああ ブルーノについて沢山言うべきことがあるよ

I'll start okay,
まずはペパ
僕が話し始めよう

Pepa, I'm sorry 'bout your wedding,
Didn't mean to be upsetting.
That wasn't a prophecy I could just see you were sweating!
僕は謝りたい あれ予言じゃない
花嫁が緊張していたから
ペパ、結婚式のことごめん
動揺させようとしたんじゃない
あれは予言でもない
ただ君が緊張で汗かいてたのが見えただけ

And I wanted you to know
That your bro loves you so,
Let it in, let it out, let it rain, let it snow
"Let it gooo . . . "
彼の愛情伝えたくて だから雨も雪も関係ないよ
だから伝えたかった 彼が愛してるってのを
感情は隠しても 出してもいいし
雨にしても 雪にしても
”ありのままで”(レリゴーして) いいんだよって

[Félix]
That's what I'm always saying, Bro!
いつも愛してるって言ってるけど
だからいつもそうやって言ってるじゃないか!

[Bruno]
'Got a lotta 'pologies I got say:
Uh-

ごめんよ 本当に謝るよ
ああ ブルーノについて沢山言うことあるよ

[Julieta]
Hey, we're just happy that you're here, okay?
やっと 帰ってきてくれたのね
あなたがここにいてくれるだけで幸せなの わかった?

[Bruno]
But-
あ あの
あ あの

[Pepa]
Come into the light!
これからは
光の当たるところへ

[Bruno]
But-
でも
でも

[Agustin]
The triplets all unite!
みんなひとつだ
三つ子が全員揃った!

[Julieta]
And no matter what happens
もうどこにも
だからいつもそうやって言ってるじゃないか!

[Julieta & Pepa]
We're gonna find our way
行かないでね
ああ ブルーノについて沢山言う

[Dolores (to Camilo)]
Yo I knew he never left,
I heard him every day . . .

いつも彼の声 聞こえてた
ねえ 私 彼が去ってないの知ってた
毎日彼の声 聞こえてたし

[Townspeople]
Oh (oh), oh (oh)

[Abuela Alma]
What's that sound?
あの声は?
あの声は?

[Antonio]
I think it's everyone in town . . .
町のみんなが来たよ
町のみんなみたいだよ

[Townspeople]
Hey!
やあ!
やあ!
Lay down your loard (Lay down your loard)
We are only down the road (We are only down the road)

私たちも ここにいるよ
手伝うために やって来たよ
重荷(重責)を下ろしなよ
わたしたちも道を下ったすぐそこにいるんだから

We have no gifts, but we are many
And we'll do anything for you! 
奇跡は持ってないけど

力になるよ
ギフトは持ってないないけど 人数はたくさんいるよ
それにあなたたちのためになら何でもするよ

[Isabela (Townspeople)]
It's a dream when we work together as a team.
You're so strong . . .
(All of you, all of you . . . )

力を合わせる 素敵なことね
(みんな みんな)
夢だったの 一緒に力を合わせて働くことが
あなたとっても力持ちね
(あなたたち皆が あなたたちのすべてが)

[Luisa (Townspeople)]
Yeah, but sometimes I cry-
(All of you, all of you . . . )

泣けてきちゃうね
(みんな みんな)
そうね でも時には泣いちゃうこともある
(あなたたち皆が あなたたちのすべてが)

[Mirabel & Isabela]
So do I!
分かるわ

私も!

[Luisa]
I may not be as strong, but I'm getting wiser.
強さより賢さもっと
それほど強くはないかもしれないけど 賢くなってる

[Isabela]
Yeah, I need sunlight and fertilizer.
C'mon! Let's plant something new and watch it fly,
栄養 太陽 あげれば ほら みんな元気に育つわ

そう 必要なのは日射と肥料
さあ! 新しいもの植えて 育っていくのを見届けよう

[Isabela, Luisa & Mirabel]
Straight up to the sky!
明日に向かい

空に向かって真っ直ぐに伸びるのを!

[Isabela, Lusia, Mirabel & Dolores]
Let's go . . .
行こう

さあ育て!

[Mirabel & Abuela Alma]
The stars don't shine, they burn,
The constellations glow.
The seasons change in turn.
誰もが皆 命燃やし  季節は変わる

星々は輝いてるんじゃない 燃えているの
そうやって星座は輝く
そして季節は移ってゆく

[Julieta]
Would you watch our little girl go?
幼かったあの子が
見てよ うちの三女の行く末を

[Agustin]
She takes after you.
似てきた 君に
君に似てきたね

[Townspeople]
(Oh, oh, oh, oh . . . )

 


[Mariano]
(big sigh)

[Mirabel]
Hey Mariano, why so blue?
マリアーノ どうした〜の?
ねえマリアーノ どうしてそんなに落ち込んでるの?

[Mariano]
I  . . . just have so much love inside . . .
まだ彼女への愛が
ただ…まだ溢れ余る愛が…

[Mirabel]
Y'know, I've got this cousin too.
Have you met Dolores?

ほらほら 元気だして
ドロレスには会った?

私には こんな従姉妹もいるの
ドロレスとは知り合い?

[DoIores]
Okay, I'll take it from here, g'bye . . .
あとは私がやるわ
おけ、ここからは私が、じゃね!
You talk so loud,
You take care of your mother, and you make her proud.

あなたいつもママを気遣う優しい人 
あなたお母さんを気遣って 彼女の自慢の息子ね
You write your own poetry, evry night when you go to sleep.
And I'm seizing the moment, so would you wake up and notice me?

毎晩詩を書くあなたのつぶやき
いつも聞いてた 私に気付いて
毎晩寝る前 自分の詩を書くあなたの
その瞬間逃さないように聞いてたの
だから目を見開いて私に気付いて

[Mariano]
Dolores . . . I see you.
ドロレス 君しか見えない
ドロレス… いま君を見ているよ

[Dolores]
And I hear you.
あなたしか聞こえない
あなたのことを聞いてるわ

[Julieta]
YES!
やった!
よし!

[Townspeople]
All of you, all of you.
みんな みんな
あなたたち皆が あなたたちのすべてが

[Mariano]
Let's get marrie!
結婚しようよ
結婚しようよ

[Dolores]
Slow down.
慌てない
落ち着いて

[Mirabel, Abuela Alma & Townspeople]
All of you, all of you.
みんな みんな
みんなが みんなが

[Mirabel]
Home sweet home. I like the new foundation.
出来たよ 新しい我が家
心温まる我が家  新しい基礎 気に入ったよ

[Abuela Alma]
It isn't perfect
完璧じゃないけど
完璧ではない

[Mirabel]
Neither are we.
私たちも
それほど強くはないかもしれないけど 賢くなってる

[Abuela Alma]
That's true.
ええ そうね
その通り

Just one more thing, before the celebration:
それにもうひとつ 大切なことが
それからもうひとつ お祝いの前に

[Mirabel]
What?
なに?
なに?

[Bruno]
We  need a doorknob.
ほら このドアノブを
必要だろ ドアノブが

[Antonio]
We made this one for you . . .
ミラベルにつくったの
みんなでミラベルのためにつくったよ…

[Pepa, Dolores, Camilo & Félix]
We see how bright you burn,
その情熱と
あなたがどれほど輝いて燃えていたか 見てるよ/分かるよ

[Isabela & Luisa]
We see how brave you've been,
愛と勇気は
あなたがどれほど勇敢だったかを 見てるよ/分かったよ

[Julieta & Agustin]
Now see yourself in turn . . .
家族の誇り
さあ 今度は 逆に自分を見るんだ

[Bruno]
You're the real gift, kid. Let us in.
そう 君こそが奇跡だ
君こそが本当のギフトだ 僕らを中へ入れて

[Abuela Alma]
Open your eyes. Abre los ojos. What do you see?
さあ見て アブレ・ロス・オホス 何が見える?
目を開いて 何が見える?

[Mirabel]
I see  . . . me.
All of me.

私の未来が
見える そして分かる…私が  私のすべてが

 

問題はここに

問題①「I’m sorry」

問題の箇所ひとつめは冒頭のアルマ婆さんパート。

[Abuela Alma]
And I'm sorry I held on too tight,
Just so afraid I'd lose you too.
家族を守るため してきたの 厳しく

ごめんなさい 私が固執しすぎたがために
ただあなたたちまでも(ペドロと同じように)
失うのを恐れすぎて

まず、アルマ婆さんはここで「I’m sorry」と謝っている。これは非常に重要。

婆さんが自分の間違った認識を誤りだと認識して、謝罪することができるか、ストーリーの展開として非常に重要である。それにもかかわらず、高橋亜子の歌詞では、「ごめん」の一言も訳されていない。

もちろん音節数の制約がある中、要素の取捨選択が必要なのは確かであるがストーリーとこの作品のメッセージ性を理解していればそこは切らないはずだ。残念である。

 

問題②「Miracle is you, not some gift」
続けて、

[Abuela Alma]
The miracle is not

Some magic that you've got,
The miracle is you, not some gift, just you . . .
The miracle is you.

でも奇跡は魔法じゃなく あなたたちよ
あなたたちこそ かけがえのない

奇跡は あなたたちの魔法ではない
奇跡は あなたたちであってギフトではない
あなたたちそのものが奇跡なの

ここは良いだろう。さんざんこのストーリーで言われてきた、
A Gift just as special as you.「あなたと同じくらい特別なギフト」という認識を覆すための「奇跡はあなたであってギフトではない」という歌詞は重要だし、間違っていない。

この映画の冒頭のプロローグでアルマ婆はこう語っている。

[Abuela Alma]
Tonight, this candle will give you your Gift, mi vida.
Strengthen our communitiy, strengthen our home.
Make your family proud.
今夜 このキャンドルがあなたにギフトを与える。
コミュニティをより強くし、我が家をより強くする。
そして家族の誇りになる。
(略)
Whatever Gift awaits will be just as special as you.
どんなギフトであれ、あなたと同じくらい特別なはず。(対訳はwestergaardによる)

 

この言い方の前提には、ギフトがなければあなたは特別ではないというアルマ婆の価値観が露呈している。そしてこの価値観に縛られているため、マジカルメンバーのだれもがルイーサの歌に象徴されるようにプレッシャーを感じ、イサベラの歌のように選択の自由を望んでいたのである。

 

問題③ 「Just you」

The miracle is you, not some gift, just you . . .

ただこの歌詞の「just you」というところは訳出しにくいが抑えておきたいニュアンスのポイント。
今までアルマ婆さんが「あなたは大切」と言うときの「あなた(you)」には必ず、「ギフト(魔法)を持っているあなた」というのが含意されていた。しかし、魔法の存在にかかわらず、一人の人間としてのあなた自身が奇跡なのだという認識に変わったことがここで示される。しかしjustというニュアンスがないため、あまりこの差が伝わらなくなっているのは確かだ。とは言え、こんな問題は序の口でもっと大きな問題が待っている。

問題④ 「All of you」

[Abuela Alma, Julieta, Pepa]
All of you, all of you.
家族 家族
あなたたち皆が あなたたちのすべてが

またこれも大した問題ではなさそうに見えるが、All of you を「家族」と訳すのは、この後エンカントの人たち全員がやってきてそこも含めた All of you にフレームが拡大していくことを考えると適切とは言い切れない。残念ながら血縁主義ディズニーを吹替がより一層限定的なワードを繰り返すことにより強めてしまっていると言える箇所の一つだ。別にここでは「家族」かどうかは関係ない。そこにいる人たちすべて、という意味で All of youと言っているのだろう。

しかももうひとつの問題が大きな問題である。

「All of you」は、二つ意味がある。「you」を複数形ととれば、「あなたたちみんな」という意味になるが、「you」を単数形ととれば、「あなたのすべて(身も心も含めて)」という意味になる。

このダブルミーニングをふまえて、曲名となっているのだ。

 

この曲の一番最後のミラベルの歌詞を見れば単数形の形が使われているのが分かる。

I see  . . . me.
All of me.

私が見える。私のすべてが。と言っている。その意味で言えば、この曲のタイトルになっている All of You は All of Mirabel なのだろうとも読むことができる。

どちらにしても、
すべての人の(複数形の方)、その人のすべてを(単数形の方)リスペクトし、称賛する。その人の「才能」「ギフト」「役割」という部分だけをみて称賛するのではなく、その人をその人としてみろというのがこの曲のいちばん大事なメッセージだ。しかしそこはこのダブルミーニングを日本語でしかもたった3音節で再現することは不可能なので、放棄している。

まあここは仕方ないだろう。放棄する以上、ミュージカルナンバーとしては他の部分の歌詞でこの役割を果たさないといけないことになる。しかし、次の問題へ続く…

 

問題⑤ 最大の問題「家族の誇り

最大の問題はラストの(本来)感動的なパートである。
しかし、あまりに誤訳すぎて冷めてしまうくらいだ。

[Pepa, Dolores, Camilo & Félix]
We see how bright you burn,
その情熱と
あなたがどれほど輝いて燃えていたか 見てるよ/分かるよ

[Isabela & Luisa]
We see how brave you've been,
愛と勇気は
あなたがどれほど勇敢だったかを 見てるよ/分かったよ

[Julieta & Agustin]
Now see yourself in turn . . .
家族の誇り
さあ 今度は 逆に自分を見るんだ

[Bruno]
You're the real gift, kid. Let us in.
そう 君こそが奇跡だ
君こそが本当のギフトだ 僕らを中へ入れて

[Abuela Alma]
Open your eyes. Abre los ojos. What do you see?
さあ見て アブレ・ロス・オホス 何が見える?
目を開いて 何が見える?

[Mirabel]
I see  . . . me.
All of me.

私の未来が
見える そして分かる…私が  私のすべてが

 

 

最大の問題の箇所はどこか? ここだ

[Julieta & Agustin]

Now see yourself in turn . . .
家族の誇り
さあ 今度は 逆に自分を見るんだ

ここで「家族の誇り」は絶対に使ってはいけなかった。

この作品のメッセージ「家族の誇りになる」のではなく、生まれたときからすべての人の存在が奇跡としてリスペクトされその人はその人自身として見られるべきだというものである。

ミラベルは、「アルマ婆の呪い」によって、映画の冒頭からずっと一貫して「家族の誇り」になることに固執してきた。タイトルロゴを挟む前のヤングミラベルの最後の台詞であり、挟んだあとの成長したミラベルの最初の台詞でもある。
それが唯一彼女が「一人前の人間として見られる」ために必要だと考えて育ったのだ。
なぜならミラベルは「ギフト」がもらえなかったあの日から「見てもらえて」いなかったから。だから彼女の心の叫びはこう歌う。Open your eyes / 目を開いて(わたしをみて)」と(♪Waiting On A Miracle/奇跡を夢みて)。

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この物語のゴール地点となるのが「♪All Of You/奇跡はここに」のナンバーであることは、この日本語版タイトルをつけた人なら絶対にわかっているはずだしそのことを強調するためにわざわざ対応するタイトルにしたのだろう。

しかし残念ながら訳詞をつけた高橋亜子とそれにGOを出したウォルト・ディズニー・ジャパンのチームはこの曲の役割を分かっていない。

このナンバーは、「家族に生まれてきたからには家族の誇りになれ」という「アルマ婆の呪い」からミラベルが解放される、いや、というかむしろアルマ婆をはじめとするミラベル以外のみんなが「家族は家族の誇りになる必要がある」という認識を手放すことを示すものだ。だから「家族の誇り」というワードは来てはならないし、そもそも原詞には「誇り/proud」などというワードは1ミリも入ってない。

しかし高橋亜子はここで、しかもよりにもよってフリエッタとアグスティンに「家族の誇り」と歌わせてしまった。最悪だ。
フリエッタは、上手くミラベルの気持ちに寄り添ったかたちで声掛けできていなかった問題はあったにせよ、他の人とはちがって最もミラベルに対して適切な解はもっていた人として描かれていた。むしろアルマ婆の呪いから解放しようと試みていた。

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[Julieta]
You have nothing to prove.
あなたはなにも証明しなくていい。

You're just as special as anyone else in this family.
あなたは他の家族のメンバーと同じくらい特別だよ。

しかし、アルマの敷いた価値観にみんなが従っている中で、しかも「持てる」側であるフリエッタがいくらそれを言っても響くわけがない。

しかもよりによってその「家族の誇り」によってすり替えられ消されたフリエッタとアグスティンの歌っていたパートは

Now see yourself in turn . . .

今度は自分自身を見て と言っているのだ。つまり、これまで周りの人のことをよーく見て、それぞれの本音に気づいてきたミラベルが、自分自身に目を向けるように優しく言っているのだ。ここを潰して「誇り」などという扶養なワードに使ってしまったのは非常に惜しい。

むしろ必要だったキーワードは「see」だ。歌詞を見て分かるように明らかに繰り返されている重要なワードだ。ブルーノ以外全員が「see」と歌っている。

We see how bright you burn,
We see how brave you've been,
Now see yourself in turn . . .
You're the real gift, kid. Let us in.
Open your eyes. Abre los ojos. What do you see?

I see  . . . me. All of me.


その情熱と 愛と勇気は 家族の誇り
そう 君こそが奇跡だ
さあ見て アブレ・ロス・オホス 何が見える?
私の未来が

「see」もダブルミーニングをかけている。「見る」だけでなく「わかる」という意味でも使われる。もちろんこれを訳詞に反映するのはプロにも難しいだろう。諦めたのであれば他の箇所でその役割を果たせるような回収の仕方をすべきところだが出来ていない。残念だ。

ギャグみたいな言い方になるが、この映画は

ミラベルが(一人の人間として)見られるようになる映画だ。

すくなくとも映画の冒頭が「Abre los ojos(目を開いて)」で始まる以上、「見る」というキーワードは強調されねばならない。

なにせミラベルの「mira」は「見る」というスペイン語のワードであり、意図的にメガネのキャラクターにその名前をつけたということも既にバイロン・ハワード監督によって語られているのだから。

news.yahoo.co.jp

 

まとめ

ということで、色々書いたが、最大の問題は

「今度は自分のことをみて」という一番大事なフリエッタとアグスティンの歌詞を「家族の誇り」という最もここで入れてはならないワードにすり替えたことだ。

これによって、映画の根幹を揺るがしてしまっている。これが最大の問題だ。

 

タイトルは釣りのために「誤訳」と書いたが、おそらく翻訳した高橋亜子もわかっているのだろう。しかし、それでもこの選択をしたという意味であえて「誤訳」と言わせてもらった。

映画のメッセージを根本的に変えてしまいかねない以上、ここについてはしっかり指摘せざるを得ない。

だれも、家族の誇りになる必要はない。すべてのひとが今生きているその状態で尊重され、ひととして「みられる」世界になりますように。

 

そして翻訳者やこの訳詞にGOをだした某会社の方々へ

Abre los ojos.(目を開いて♥)

 

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劇団四季版 日本語歌詞 アナ雪 姉妹デュエット「あなたを失いたくない」I Can't Lose You 歌詞

f:id:ikyosuke203:20211215204723p:plain

はじめに

追記!(2022/03/18)北米ツアー版の音源が各種配信サービスで配信開始しました!2019年時点の北米ツアーオリジナルキャストの [Elsa]Caroline Bowman❄️& [Anna] Caroline Innerbichler🌻 ペアの音源です。コロナで終焉してしまった更新されたブロードウェイキャストのCiara Renée❄️& McKenzie Kurtz🌻は収録ならず。ただし、以下のYouTube動画でテレビ放送で歌った様子が視聴できます。なお、現在2022年時点の北米ツアーはBowman & Kurtzの両方のミックスペアです。

youtu.be

 

この記事では、わたし westergaard が劇団四季の『アナと雪の女王』を観劇したときにメモしてきたものをもとに、劇団四季版の新日本語歌詞を書き起こし、原詞と比較するという記事です。

今回取り上げるのは、第二幕のアナとエルサの姉妹デュエットナンバーで、映画版には存在しない曲、「I Can't Lose You : あなたを失いたくない」です。

この曲は、オリジナルのブロードウェイ版にはなく、北米ツアー公演とその後のウェストエンド版から追加されたものです。ブロードウェイの刷新されたバージョンにも追加されましたが、その刷新版はコロナ禍で完全に閉幕してしまいました。

ブロードウェイのオリジナル版では、アニメーション映画と同じで「For the First Time In Forever (Reprise) : 生まれてはじめて(リプライズ)」が使われていました。

I Can't Lose You の原詞については当ブログのこちらのページでまとめています。

 

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劇団四季版のレリゴーや全体についての話などは、こちらでまとめていますのでご参照ください。⬇︎⬇︎⬇︎

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「I Can't Lose You」はアナ雪2の後に書かれた曲

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この「I Can't Lose You」は、その台詞が『Frozen II : アナと雪の女王2』の中で使われていることからもわかるように、アナ雪2の影響を強く受けている。

実際、作曲担当のロペス夫妻もそのことを認めている。アナ雪2制作中、両親の死を知りエルサがアナを再び魔法で遠ざける直前の対話のシーンのためにつくった曲があったとか。最終的にそこは監督ジェニファー・リーの判断によりミュージカルシーンにならなかったため、採用されなかったそうだ。アナ雪2の完成後、その曲のアイデアにインスパイアされるかたちで舞台版の「生まれてはじめて(リプライズ)」の代わりになる曲として「I Can't Lose You」を作曲したという。実際つくられていたデモリールが公開されたことはないので、どの程度音楽として似ているのかは明らかになっていない。

この話については、2020年2月に公開されたこちらのインタビューを参照のこと。

youtu.be

 

「Monster」歌詞(青字:劇団四季版歌詞)

歌詞はすべてブログ著者の聞き取った記憶に基づくもので、執筆時点では公式に発表されたものではありません。(2021/12/16)


www.youtube.com

(会話パート)

[ANNA]
No, Elsa wait! Don't go!
ダメよ エルサ 待って! 行かないで!

[ELSA]
I'm just trying to protext you.

私はあなたを守りたいだけなの

[ANNA]
You don't have to protect me. I'm not afraid!

守ってくれなくていい あたしは怖くない!

[ELSA]
What do you want, Anna?

何が望みなの アナ?

(ここから歌)

[ANNA]
This
Just you and I talking and chatting, and taking up space

これよ  ふたりでお喋りしたいだけなの

And you
You look so at peace which I did not predict after all that took place

でも  驚いたわ 穏やかな顔をしているのね

I'm sorry
I didn't know, I couldn't see
I knew you were hiding, but selfishly though you were hiding from me
許して あなたは いつでも
あたしから隠れてると 誤解してた

That's why I've come all this way
To look in your eyes and say
だからこの想い 伝えに来たの

I can't lose you, not again
I can't lose you like then
もう二度と あなたを 失いたくない

If you could see yourself the way I do
Then you'd see why I can't lose you
かけがえのない人なの もう離れたくないわ

 

[ELSA]
Wait!
I'm happy you came, but it's not safe to stay here and talk

待って! 逢えてよかった でもここはもう危険よ

Don't get close, this is all so brand new
Let me first learn to crawl before I try to walk
離れて こんなことは初めてなの どうすればいい?

I'm at home here
Up in the cold
Up in the air

ひとりで いるなら 平和よ

But it all turns to chaos nerar people I love and with how much I care
でも不安なの 大事な人がそばにいると

Please don't remind me to feel
Believe me, the danger is real

心揺れると 危険なことが起きる

 

[BOTH]
I can't lose you, not again
I can't lose you like then
もう二度と あなたを 失いたくない

 

[ELSA]
You don't know the things that I can do
Keep your distance, 'cause

離れているべきよ
わかって あなたを

[BOTH]
I can't lose you
守りたい

[ANNA]
You have to listen
I've come here to tell you
That everything's different now that I understand
ようやく分かりあえた 苦しまないで 一人きりで

[ELSA]
I know you mean well
But the air's getting colder
Just leave me alone
Let me get this in hand

その気持ち 嬉しいけれど 帰りなさい 吹雪になる

[ANNA]
And I'm here for you
We can fix this together
For once try trust me
I'm begging you now
あたしがいる 力合わせれば 立ち向かえる 信じてよ

[ELSA]
Don't you see I'm the storm?

And you make me worse?
I would fix it, but I don't know how!

この吹雪は 私のせい 止めたい でもどうしよう!

 

[BOTH]
I can't lose you
Try to see

守りたい あなたを

[ANNA]
Why can't you talk to me?

追い出さないで

[ELSA]
I'm trying to tell you that

失いたくない

[BOTH]
I can't lose you
Like before

守りたい あなたを

[ELSA (ANNA)]
As much as I wish, I can't  (It's my turn to) 

開けられないの (開けて)

[BOTH]
Open that door!

とびらを!

If you loved yourself the way I do
Then you'd see why I can't lose you!
もう二度と あなたを 失いたくないのよ!

 

(曲は終わり、会話パートへ)

 

[ELSA]
Goodbye Anna.
さようなら アナ。

[ANNA]
Goodbye? No!

さようなら? え 嫌よ

[ELSA]
You'll never lose me.
But you must leave me now!
あなたは決してわたしを失ったりしないわ
でも今は帰って

[ANNA]
Then what about the kingdom?

でもアレンデールはどうなるの?

[ELSA]
You'll make a great queen.
あなたは立派な女王になるわ。

[ANNA]
You can't just leabe it frozen!

国を凍ったままにしないで!

[ELSA]
Frozen?
凍ったまま?

[ANNA]
Do you know? You sort of set off an eternal winter everywhere.
知らなかったの。 エルサは永遠の冬を呼んでしまったみたい 国中に

[ELSA]
No!
え まさか!

 

このあとエルサは映画と同じようにアナの心を凍らせてしまいます。
このシーンはミュージカルシーンから分けられたことに寄ってよりシリアスに描けているように感じました。

来週12月24日にはいよいよ四季版のサントラ発売ですね!

 

今後もエルサとアナの関係性に関わるナンバーを中心に、同様の記事の作成を続けていきます。お楽しみに!

なお現時点で公開しているものは以下の通りです。

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【中毒ソング】ミラベルと魔法だらけの家「We Don't Talk About Bruno / 秘密のブルーノ」歌詞&和訳

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はじめに

『Encanto/ミラベルと魔法だらけの家』のミュージカルナンバーの中でもダントツで多く再生されている、「We Don't Talk About Bruno/ 秘密のブルーノ」。
メロディがあまりにも中毒的で、スルメソングとしての威力を全世界で発揮していることが、YouTubeの再生回数でもハッキリわかります。他の曲が軒並み1桁万回の再生数のところ、ブルーノのこの曲はすでに255万回(12月12日時点)。
ちなみにその次はルイーサの「Surface Pressure/増していくプレッシャー」 で148万回(12月12日時点)。


www.youtube.com

こちらの曲は、ミラベルが家の魔法が弱まってきていることの原因を突き止めるために、ブルーノについて探ろうとする場面での「ゴシップソング」。叔母ペパの家族のメンバーと、姉イサベラ、そして町の人達に、話すことがタブーとされている叔父ブルーノについて聞いて回るなかで、それぞれから聞いた情報がミラベルの中でこだましていく様子が、ミュージックビデオ的に表現されるナンバーだ。

ミラベルの物語の舞台はコロンビアでしたが、この曲はキューバを起源とする「チャチャチャ」という2拍子系のダンスリズムの曲になっているよう。

 

原詞とその対訳、そして高橋亜子さんによる公式の吹き替え歌詞を掲載し比較してみることのできる記事にしようと思う。
渡る世間には鬼ばかりの「長子」にしか聞こえなくなる藤田朋子さん演じるペパらが日本語で歌う吹き替え版はこちら。

www.youtube.com

今回歌詞の歌詞翻訳を担当した高橋亜子さんは、つい数日前にこちらでインタビュー記事が出ているので掲載しておく。

www.felissimo.co.jp

また作品全体についてはこちらに軽く書きました。

 

ikyosuke.hatenablog.com

 

原語歌詞日本語対訳吹替歌詞

原語歌詞は太い斜体英字吹替歌詞(高橋亜子)は太い斜体日本語westergaardによる対訳は細字

終盤の4つの歌が重なる部分はキャラごとに色を分けています。
Pepa & Félix / Camilo / Dolores / Isabela

※なお歌が重なったところに関しては、現時点ですべての歌詞が公式に発表されているわけではないため、聞き取りが難しく正確でない可能性のある部分があります。ご了承ください。

(2021/12/18 日本語歌詞がサントラ発売により明らかになったので更新しました)

 

[Pepa]
We don’t talk about Bruno, no, no, no
触れちゃだめ ブルーノ ノー ノー ノー

話さないの ブルーノのこと

We don’t talk about Bruno, but
触れちゃだめ ブルーノ でも

話さないの ブルーノ だけど

It was my wedding day
あれは 私の

あれはわたしの結婚式の日

[Félix]
It was our wedding day
あれは 僕らの

ボクらの結婚式の日

[Pepa]
We were getting ready
And there wasn’t a cloud in the sky
結婚式の日 とても晴れてた

準備をしてたときには雲ひとつなくて

[Félix]
No clouds allowed in the sky
晴れてたのにさ

雲はあっちゃいけなかった

[Pepa]
Bruno walks in with a mischievous grin
そこへブルーノが来た途端

ブルーノがいたずらっぽい笑みを浮かべてやってきて

 

[Félix]
Thunder!!
稲妻!!

雷が

 

[Pepa]
You’re telling the story or am I?
もう あなたが話せば

あんたが話すの?それとも私?

 

[Félix]
I’m sorry, mi vida, go on
ああ ごめんよ 君

ごめんよ さあ続けて

 

[Pepa]
Bruno says, “It looks like rain”
もうすぐ 雨が

ブルーノが言うの「雨のようだね」と

 

[Félix]
Why did he tell us?
ブルーノが言うのさ

なんでそんなこと言ったのか?

 

[Pepa]
In doing so, he floods my brain
雨が降ると言うの

そうして私の頭を雨でいっぱいにした

 

[Félix]
Abuela gets the umbrellas
みんな傘をさした

アブエラが傘をもってきてくれた

 

[Pepa]
Married in a hurricane
嵐の中で

ハリケーンの中で結婚したの

 

[Félix]
What a joyous day but anyway
僕ら式を挙げたよ

なんて喜ばしい日だろう なんにせよ

 

[Pepa & Félix]
We don’t talk about Bruno, no, no, no
We don’t talk about Bruno
触れちゃだめ ブルーノ ノー ノー ノー
触れちゃだめ ブルーノ

話さないの ブルーノのこと
話さないの ブルーノのことは

 

 

[Dolores]
Hey!  Grew to live in fear of Bruno stuttering or stumbling
ねえ! ブルーノ 怯えて暮らしてたの

ねえ ブルーノがぶつぶつ言ったりどもったりすることの恐怖感じながら生きてきた

I can always hear him sort of muttering and mumbling
呟き今も聞こえてくるの

いつも聞こえるの彼のつぶやきとか独り言とか

I associate him with the sound of falling sand, ch-ch-ch
落ちる砂のようなあの声 シーシーシー

その音まるで落ちる砂の音 チーチーチーっていう

It’s a heavy lift with a gift so humbling
おばあちゃんと家族の未来の

とても屈辱的なギフトで荷は重く

Always left Abuela and the family fumbling
Grappling with prophecies they couldn’t understand
重たい何かを抱えてるの
その予言 誰もわからなかった

いつも理解のできない予言を残して
アブエラと家族に手探りさせ格闘させるの

Do you understand?
あなたわかるの?

わかってくれた?

 

[Camilo]
A seven-foot frame, rats along his back
背中には ネズミたち

7フィートの長身 背中にはネズミたち

When he calls your name it all fades to black
闇の中へ 連れ去られる

彼に名前を呼ばれたら その名前は暗闇へ飲み込まれる

Yeah, he sees your dreams and feasts on your screams (Hey)
君の叫び声 待ちわびてる(ヘーイ)

そう 彼はキミの夢をみて 叫び声を餌食にしている

 

[Pepa, Felix & Camilo]
We don’t talk about Bruno, no, no, no
触れちゃだめ ブルーノ ノー ノー ノー

話さないの ブルーノのこと

[Dolores]
We don’t talk about Bruno, no, no
触れちゃだめ ブルーノ ノー ノー

話さないの ブルーノのこと ダメダメ

[Pepa, Felix & Camilo]
We don’t talk about Bruno
触れちゃだめ ブルーノ

話さないの ブルーノのことは

[Dolores]
We don’t talk about Bruno
触れちゃだめ ブルーノ

話さないの ブルーノのことは

 

[Townsperson 1]
He told me my fish would die, the next day, dead
死ぬと言われた魚 すぐ死んだ

彼に私の魚が死ぬと言われて、翌日死んだ

[Ensemble]
No, no
ノーノー

ダメダメ

[Townsperson 2]
He told me I’d grow a gut and just like he said
太ると言われたら ほら太った

彼に腹が出ると言われたら本当にそうなった

[Ensemble]
No, no
ノーノー

ダメダメ

 

[Townsperson 3]
He said that all my hair would disappear, now, look at my head
言われた通り 髪の毛抜けたよ

彼に髪の毛が亡くなると言われたけど、ほら見てこの頭を

[Ensemble]
No, no
ノーノー

ダメダメ

[Pepa, Dolores, Felix, Camilo]
Your fate is sealed when your prophecy is read

予言が運命を決める

予言が読まれたら運命が定められてしまうの

 

[Isabela]
He told me that the life of my dreams
Would be promised, and someday be mine
人生の夢が叶うと彼に言われたわ

彼は教えてくれた 私の夢みる人生は
いつか手に入ることが約束されていると

He told me that my power would grow
Like the grapes that thrive on the vine
ぐんぐん力育つと ブドウの木のように

彼は教えてくれた 私の力は強くなると
つるを伸ばして育つ葡萄のように

 

[Abuela Alma]
Óye, Mariano's on his way
ほら マリアーノが来る

ほら マリアーノが向かってるよ

 

[Dolores]
He told me that the man of my dreams
Would be just out of reach
ずっと夢見た人は 他の人を

彼は教えてくれた 私の夢見る男性は
手の届かないとこにいるだろうと

Betrothed to another
愛していると

それが別の人と婚約した

It’s like I hear him, now
声がするの

まるで聞こえるみたい 彼の声が

 

[Isabela]
Hey sis, I want not a sound out of you
ちょっと そばに近づかないでよ

ねえミラベル 何も余計なことしないでいてね

 

[Dolores]
It’s like I can hear him now, I can hear him now
彼の呟き 今聞こえる

まるで彼の声が聞こえるみたい いま彼の声が聞こえる

 

[Mirabel]
Um, Bruno
ブルーノ

えっと ブルーノ

Yeah, about that Bruno
ああ 知りたい ブルーノ

そう そのブルーノのことだけど

I really need to know about Bruno
知らなくちゃいけない ブルーノ

本当にブルーノのこと知らなきゃいけないの

Gimme the truth and the whole truth, Bruno
真実教えて ブルーノ

真実を教えてほしい 全部 ブルーノのこと

 

[Camilo]
Isabela, your boyfriend’s here (ha ha ha)
イサベラ 彼氏だよ ハハハ

イサベラ ボーイフレンドがきたよ

 

[Abuela Alma & Isabela]
Time for dinner
夕食よ

ディナーにしましょう

***

A seven-foot frame, rats along his back
背中には ネズミたち
7フィートの長身 背中にはネズミたち

It was my wedding day / It was our wedding day
あれは私の / あれは僕らの
あれはわたしの結婚式の日 / ボクらの結婚式の日

He told me that the life of my dreams
人生の夢が叶う
彼は教えてくれた 私の夢見る人生は

Grew to live in fear of Bruno stuttering or stumbling
I can always hear him sort of muttering and mumbling
ブルーノ 怯えて暮らしてたの 呟き今も聞こえてくるの
ねえ ブルーノがぶつぶつ言ったりどもったりすることの恐怖感じながら生きてきた
いつも聞こえるの彼のつぶやきとか独り言とか

***

When he calls your name it all fades to black
闇の中へ 連れ去られる
彼に名前を呼ばれたら その名前は暗闇へ飲み込まれる

We were getting ready and there wasn’t a cloud in the sky / No clouds allowed in the sky

結婚式の日 とても晴れてた / 晴れてたのにさ
準備をしてたときには雲ひとつなくて / 雲はあっちゃいけなかった

Would be promised, and someday be mine
と彼に言われたわ
いつか手に入ることが約束されていると

I associate him with the sound of falling sand, ch-ch-ch
落ちる砂のような あの声 シーシーシー
その音まるで落ちる砂の音 チーチーチーっていう

***

Yeah, he sees your dreams and feasts on your screams
君の叫び 待ちわびてる
そう 彼はキミの夢をみて 叫び声を餌食にしている

Bruno walks in with a mischievous grin
そこへブルーノが来た途端
ブルーノがいたずらっぽい笑みを浮かべてやってきて

He told me that my power would grow
ぐんぐん力育つと
彼は教えてくれた 私の力は強くなると

It’s a heavy lift with a gift so humbling
Always left Abuela and the family fumbling
おばあちゃんと家族の未来の 重たい何かを抱えてるの
とても屈辱的なギフトで荷は重く
アブエラと家族に手探りさせ格闘させるの

***

Thunder!! / You’re telling the story or am I? / I’m sorry mi vida go on
稲妻!! / もうあなたが話せば / ああごめんよ君が
雷が / あんたが話すの?それとも私? / ごめんよ さあ続けて

Like the grapes that thrive on the vine (vine, vine)
ブドウの木のようにね
つるを伸ばして育つ葡萄のように(つるを伸ばして)

Grappling with prophecies they couldn’t understand
Do you understand?
その予言誰もわからなかった あなたわかるの?
いつも理解のできない予言を残して わかってくれた?

***

[Abuela Alma]
Óye, Mariano's on his way

ほら マリアーノが来る
ほら マリーノが向かってる

***

A seven-foot frame, rats along his back
背中には ネズミたち
7フィートの長身 背中にはネズミたち

Bruno says, “It looks like rain” / Why did he tell us?
もうすぐ雨が / ブルーノが言うのさ
ブルーノが言うの「雨のようだね」と / なんでそんなこと言ったのか?

He told me that the life of my dreams
そういつかは
夢が叶う
彼は教えてくれた 私の夢見る人生は

He told me that the man of my dreams
もう私の夢が叶う
彼は教えてくれた 私の夢見る男性は

***

When he calls your name it all fades to black
闇の中へ 連れ去られる
彼に名前を呼ばれたら その名前は暗闇へ飲み込まれる

In doing so, he floods my brain / Abuela gets the umbrella
雨が降るというの / みんな傘をさした
そうして私の頭の中を雨でいっぱいにした / アブエラが傘を持ってきてくれた

Would be promised, and someday be mine
と言われたわ
いつか手に入ることが約束されていると

Would be just out of reach betrothed to another, another
叶う日など来ないかもね だけど
手の届かないところにいるだろうと そして別の人と婚約した 別の人と

***

Yeah, he sees your dreams and feasts on your screams
君の叫び 待ちわびてる
そう 彼はキミの夢をみて 叫び声を餌食にしている

Married in a hurricane / What a joyous day
嵐の中で / 僕ら式を
ハリケーンの中で結婚したの / なんて喜ばしい日だったろう

Mine, mine, mine, mine, mine
いいの いいの いいの いいの
私の手に 私の手に 私の手に 私の手に 私の手に

And I’m fine, and I’m fine, and I’m fine, I’m fine
いいの いいの いいの いいの
私は大丈夫 これで大丈夫 これで大丈夫 これで大丈夫

***

[Alma, Julieta & Agustin]
He’s here
彼だよ

彼が来たよ

[Felix, Camilo, Townspeople & Children]
Don’t talk about Bruno, no, no, no

触れちゃだめ ブルーノ ノー ノー ノー

話さないの ブルーノのことは

[Dolores & Pepa]
Not a word about Bruno
触れちゃだめ ブルーノ

ブルーノについては ひとことも

[Mirabel]
Why did I talk about Bruno?
知りたかったの ブルーノ

なんでブルーノの話なんてしたんだろう

[Dolores, Pepa, Felix, Camilo, Townspeople and Children]
Not a word about Bruno
触れちゃだめ ブルーノ

ブルーノについては ひとことも

[Mirabel]
I never should have brought up Bruno
触れちゃだめだった ブルーノ

ブルーノの話なんて持ち出すんじゃなかった

 

 

 

 

 

あまりすぐに書けないかもしれませんが、他のナンバーもぼちぼち対訳つけて記事にしていこうと予定しています。

 

ikyosuke.hatenablog.com

 

 

そのほか、劇団四季版『アナと雪の女王』の歌詞も書き起こしして、アニメーション版の吹替歌詞と比較していたりします。👇👇👇

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【新感覚レリゴー】ミラベルと魔法だらけの家「What Else Can I Do? / 本当のわたし」歌詞&和訳

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はじめに

『Encanto/ミラベルと魔法だらけの家』のミュージカルナンバーの対訳もぼちぼちつけていこうと思う。まず最初に取り上げたいのは、これまでのプリンセスの文脈を強く意識した、長女イサベラのレリゴーソング、「What Else Can I Do?/本当のわたし」。


www.youtube.com

こちらの曲は、完璧であることを求められつづけてきた、「花を咲かせる魔法」を持ったマドリガル家のアルマおばあちゃんの孫で、ミラベルの姉(長女)であるイサベラさんの歌うミュージカルナンバー。

イサベラはミラベルに気付かされるまで、自分が花を咲かせることしかできないと思っていたが、もっとたくさんのことができる可能性に気づくことになる。
家長である祖母から期待されていたのは、完璧な女性(結婚相手)として、”場に華を添える”ことを求められ、その期待に答え続けてきた彼女は、自分自身が「花を咲かせること」だけに終止する人生を送ってきた。他者から期待される「髪の毛には寝癖もつかない」「完璧な美人」でありつづけるために裏で努力していたことはすべて隠し、本音も言えずに生きてきた。そんな彼女がまさに「レリゴー」して、まるで「that perfect girl is gone」とエルサと同じように高らかに宣言する曲になっている。

しかしこのイサベラの「レリゴー」が本家レリゴーと異なるのは、妹がその場にいること。そして妹がいるおかげでレリゴーできるのだと、姉自身も自覚していてそれを歌うこと。そして妹と一緒に歌うデュエット曲(一応←)になっていることだ。

 

原詞とその対訳、そして高橋亜子さんによる公式の吹き替え歌詞を掲載し比較してみることのできる記事にしようと思う。
平野綾さん演じるイサベラが日本語で歌う吹き替え版はこちら。

www.youtube.com

www.youtube.com

今回歌詞の歌詞翻訳を担当した高橋亜子さんは、つい数日前にこちらでインタビュー記事が出ているので掲載しておく。

www.felissimo.co.jp

また作品全体についてはこちらに軽く書きました。

 

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原語歌詞日本語対訳吹替歌詞

原語歌詞は斜体英字吹替歌詞(高橋亜子)は斜体日本語westergaardによる対訳は紫字

(2021/12/18 日本語歌詞がサントラ発売により明らかになったので更新しました)

 

[Isabela]
I just made something unexpected

これはなに? 不思議ね

Something sharp
Something new

トゲも あるわ

たった今 思いもしなかったものを生み出した私
尖った何か 見たことのない何か

It's not symmetrical or perfect
But it's beautiful
これは完璧じゃない でも綺麗

And it's mine
What else can I do?
私も こんな風に

左右対称でも完璧でもないけど 美しい
しかも わたしが作ったもの
ほかに何ができるだろう?

 

[Mirabel]
Bring it in, bring it in
(Good talk!) Bring it in, bring it in
待って ハグをはやく ねえ ハグをはやく

ハグしよう ハグしよう
話せてよかった! ハグしよう ハグしよう

[Isabela]
What else can I do?
なれるかも

ほかに何ができるだろう?

[Mirabel]
(Let's walk!) Bring it in, bring it in
(Free hugs!) Bring it in, bring it in
さあ ハグをはやく ほら ハグをはやく

散歩しよう!   ハグしよう ハグしよう
フリーハグだよ! ハグしよう ハグしよう

 

[Isabela]
I grow rows and rows of roses
Flor de mayo
By the mile
色とりどりの薔薇を 咲かせて 着飾って

数えきれないほど沢山の
連なるバラを咲かせてきたの
何マイルも続くメイフラワーも

I make perfect, practiced poses
So much hides behind my smile
完璧なポーズとって 本音隠したけど

完璧であれるようにと ポーズの練習もしてきた
沢山隠してきたの わたしの笑顔の裏に

What could I do if I just grew what I was feeling in the moment?
育てたらどうなるの? 今の想いを

何ができるだろう?
もしわたしがその瞬間に感じていた想いを大事に育てたら?

 

[Mirabel]
Do you know where you're going? Whoa!

どこに行くのよ? わお!

どこに向かおうとしてるの? わお!

 

[Isabela]
What could I do if I just knew it didn't need to be perfect?
完璧じゃなくていいなら どうする?

It just needed to be? And they let me be?
あるがままで いいのなら

何ができるだろう? 自分が完璧でいなくてもいいと知ってたら
そこにいるだけでいいのなら? そうさせてもらえるなら?

 

[Isabela (Mirabel)]
A hurricane of jacarandas
咲き誇る ジャカランダ

Strangling figs (Big!)
ツタや(ツタ!)

Hanging vines (This is fine)
ブドウ(悪くないね)

ハリケーンのようなジャカランダの嵐
絞め殺しの木(おっきいね!)
ぶら下がる葡萄のつる(悪くないね)

Palma de cera fills the air as I climb
And I push through
What else can I do?
ヤシの木は空高く 突き抜ける 他にもっと

空を埋め尽くすロウヤシ
わたしが上まで登り遂げたら
ほかに何ができるだろう?

 

Can I deliver us a river of sundew?
咲かせようか 見事なサンデュー
Careful, it's carnivorous, a little just won't do
虫を食べるの 近づかないで

川のようなサンデューを生み出してもいいかな?
気をつけて 食虫植物だから ちょっと言うこときかないの

I wanna feel the shiver of something new
新しいなにかで震えたいの

I'm so sick of pretty
I want something true, don't you?
美しさより 真実が欲しい

身震いするのを感じたい 新しいことに挑戦して
カワイイものには 飽き飽きしてるの
それよりも自分に正直なモノが 欲しいと思わない?

 

 

[Mirabel (Isabela)]

<*このパートは "We Don't Talk About Bruno"
のイザベラパートのメロディ>
You just seem like your life's been a dream
Since the moment you opened your eyes
人生の夢が叶う 今がその時かも

まるで その目を開けた時から
あなたの人生は夢のようだと思ってたけど

(How far do these roots go down?)
(もっと自分らしく)

(この根っこはどこまで深く伸びてるんだろう?)

All I know are the blossoms you grow
But it's awesome to see how you rise
ぐんぐん思い育てて 羽ばたけたら素敵

わたしはあなたが咲かせた花しか知らなかった
でもこうしてあなたが生き生きと立ち上がるのを
見られるのはもっと最高ね

 

[Isabela & Mirabel]
How far can I rise?

Through the roof, to the skies
Let's go!
そうよ 空高く 飛び出していこう

どこまで高みを目指せるのかな?
屋根を突き破り 空に向かって さぁ行こう!

 

[Isabela (Mirabel)]
A hurricane of jacarandas (Whoo!)

咲き誇る ジャカランダ(ほー!)

Strangling figs (Go!)
ツタや(そう!)

Hanging vines (Grow!)
ブドウ(うわお!)

ハリケーンのようなジャカランダの嵐(うぉー!)
絞め殺しの木(行け!)
ぶら下がる葡萄のつる(育て!)

Palma de cera fills the air as I climb
And I push through
ヤシの木は空高く 突き抜ける

空を埋め尽くすロウヤシ
わたしが上まで登り遂げる

 

[Mirabel]
What else, what else?
いいね 次は?

他には? 他には?

 

[Isabela (Mirabel)]
What can you do when you are deeply, madly, truly in the moment?
深く本気の今の思い咲かせて

何ができる? 狂ったように心の底から深くこの瞬間に集中したら

(Seize the moment, keep goin')
(咲かせて みせて) 

(この瞬間を掴んで 掴み続けて)

What can you do when you know who you wanna be is imperfect?
But I'll still be okay
完璧じゃない生き方求めても 私は私

何ができる? なりたい自分が完璧じゃないとわかってたら
しかも それでいいんだと わかってたら

 

[Mirabel]
Hey, everybody clear the way,  Whoo!
そう あなたはあなた ふぉー!

さあ みんな 道を開けて!

[Isabela (Mirabel)]
I'm coming through with tabebuia
新しい生き方

さあ私が通るよ タベブイアの花咲かせながら

(She's coming through with that booyah!)
(新しい生き方)

(彼女が通るよ めっちゃかっこよく決めながら!)

Making waves (Making waves)
きっと(きっと)
波を起こしながら (波を起こしながら)

Changing minds (You've changed mine)
あるわ(あるわ)

心を変えながら (私の心も変えてくれた)

The way is clearer 'cause you're here, and well
I owe this all to you
What else can I do?
あなたがいれば見える この道こそ 私なの

あなたがそばにいるから 道は開けたの
これは全部あなたのおかげ
ほかに何ができるだろう?

 

[Mirabel]
Show 'em what you can do
すべて 見せて

見せつけて あなたにできること

[Isabela]
What else can I do?
私 もっと

ほかに何ができるだろう?

[Mirabel]
There's nothing you can't do
すべて できる

あなたにできないことなんてないよ

[Isabela]
What else can I do?
できるはず

ほかに何ができるだろう?

 

 

あまりすぐに書けないかもしれませんが、他のナンバーもぼちぼち対訳つけて記事にしていこうと予定しています。

 

 

そのほか、劇団四季版『アナと雪の女王』の歌詞も書き起こしして、アニメーション版の吹替歌詞と比較していたりします。👇👇👇

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